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手ほどき

「教えることで、教わることがたくさんありますよ。」

映画『日日是好日』(2018年 日本映画)のラスト近くの台詞。

教えるということは、自分の頭の中にあることを、他人の頭の中に移す作業。

教える側の力量。
受け取る側の理解力。
両方揃わないとなかなか進まない。

ある程度知識がある人と、初心者に教えるのとでも、教え方は違ってくる。

内容が難しかったり、どう説明したら伝わるか悩んだり…問題は次々と起きる。

時に厳しく、時に優しく…
アメとムチの使い方にも気を配る。

以前、飼いネコに爪とぎ板の使い方を教えたことがあった。
最初、何だか分からなかったらしく、板の上で香箱座りをしていた。

私はネコの手を軽く押し、爪を出させて一緒に板をガリガリ研いでみた。
それでもすぐに手を引っ込め、香箱座りに戻ってしまった。

『どうしたものだろう…』と思っていたら、しばらくして自分から板で爪を研ぎ始めた。

オッ!となった私は、ここぞとばかりに『良くできました!』と思い切りネコを誉めた。
言葉が伝わらないネコに伝わった!

あの時は、何だかホッとして、嬉しかった。

誉めると伸びるタイプ。
叱ると伸びるタイプ。
それぞれいるが、人でもネコでも、やはり誉めた方が伸びるような気がする。

『教える』『育てる』ということの難しさ、奥深さ。
感情的にならないように、自分の気持ちをコントロールする大切さ。

今、映画の台詞を実感している。


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