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CAMPFIREのデータ担当になって最初の半年くらいの間にしたこと

これはCAMPFIRE Advent Calendar 2020の15日目の記事です。

こんにちは、CAMPFIREでデータ分析を担当している佐藤と言います。

アウトドア、温泉・サウナ、食事、お酒が趣味です。全部を兼ねて、旅行に行くのが大好きです。あちこち行ける様になる日が待ち遠しいです。

さて、私は、CAMPFIREに入社して4年目に入ったとこなのですが、2年目から兼任、3年目から専任でデータ分析を担当しています。

この記事では、データ分析担当になって、まず最初にやったことを振り返りたいと思います。
なお、今回の話は、データ分析の担当なのですが、データをお見せすると言うより、こんな作業、最初にすると良いよねって話になっています。

データ担当が生まれた背景

私がCAMPFIREに入った3年前、クラウドファンディングは、まだまだマイナーな商売でした。
若くて、IT周りに興味ある人は知っていましたが、一般の方と話すときは、まずクラウドファンディングとは何かという説明から始めることが必要でした。当時の月間のプロジェクト公開数は約400件、1日13件くらいのペースでプロジェクトがオープンしていた感じですね。

それから3年が経ち、クラウドファンディング自体の知名度も大きく上がるとともに、クラウドファンディングに挑戦する方、クラウドファンディングで支援する方、どちらも大きく増加しています。直近のプロジェクト公開数は、月1,200件を超えています。1日40件超のプロジェクトがオープンしている計算になります。

その間、職員も増えており、小さな所帯で、経験知を互いに共有しながらサポートをしていた体勢から、色々な面で、データ化、言語化を進めてきた期間だったと思います。

もちろんこれからやるべきことも満載であり、現在、新しい仲間を募集しているところですので、興味のある方は下記もご覧ください。

まずはデータを取得する

データ分析の担当になってまず最初にやったことは、取得できるデータ自体を増やすことです。
最初の数ヶ月くらいは、可視化や分析は一旦後回しにして、ひたすら取得できるデータを増やしていたように思います。

同じ様に、ベンチャーで、一人目のデータ分析担当者になった方、課題は山積みの状況に、どこから手をつけるべきか迷うかと思いますが、まず最初は、取得できるデータを増やすことをお勧めします。
データが存在すれば、後から期間を遡って分析することはできますが、データがない状態では、どんな最新の分析を当てても、精度も低くなりがちで、できることは限られてしまいます。
いきなりデータ分析や可視化から入ってしまうと、モザイクのかかった画像で推理ゲームをする様なことになってしまいがちです。
まずは、取得するデータ数を増やして、画像の解像度をあげましょう。

とはいえ、webであれば、基本的なデータはデータベースに最初から入っていることも多いかと思います。
なので、一番最初にすべきことは、データベースでは取得しにくい情報、Google Analyticsなどのサイト分析ツールで取得できるデータを増やすことです。CAMPFIREではGAをメインに使ってますので、私が最初に実施したのは、Google tag managerを使って、ユーザーイベントを取得していくことでした。GTMであれば、非エンジニアでも比較的触り易く、自分一人で作業が完結すると言うのも最初に実施した理由です。

GTMのイベント設定については、解説記事もたくさんありますので、検索して記事を読みながらでもなんとかなるのではないかと思います。
一つだけTipsを紹介すると、下記の様に親要素のクラス名を取得するカスタム変数を作成しておくのは、お勧めです。
下記の画像は、gtm.elementから、parentElement(親要素)へと2回移動して、クラス名を取得してるもので、parentElement2_classと言う変数名にしています。

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私は、デバッグモードで、イベント作成を行うことが多いのですが、実際に取得したいイベントを起こして、該当のイベントの変数一覧を眺めて、どの要素を指定すると一意に取れそうかの検討をつけます。
その時に、デフォルトで取得可能な要素に合わせて、下記の様に親要素のクラス名が6つぐらい一覧で出る様にしておくと便利なことが多いです。

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ユーザーストーリーに沿って、画面遷移の中で、想定されるアクションを一つ一つイベント化すると、GAから見るだけでも、ユーザーの行動が徐々に浮かび上がる様になってきます。

さて、GTMでできるデータ取得がひと段落した後、次に手をつけたのは、データレイヤー の整備です。
ここからは、コード側、エンジニアリソースも導入しての作業です。
購買・投資等のお金の動く行動のあるサイトで、まず最初に何をすべきかと聞かれたら、eコマースコンバージョンの設定が一番最初にすべきことだと思います。
上記にあげたイベント設定とeコマースコンバージョンが揃うだけでも、GAでは、元々取得可能な、どこから来たかと言うデータと合わせて、どこから来て、何をして、売上につながったのか否かが、かなり可視化されます。

また、可能であれば、拡張eコマースの機能も活用するのがお勧めです。
コンバージョンパスのどこで、落ちてしまうことが多いのか、サイト上のどこに設置した商品リストが有望なのかと言ったデータが、GA経由で取得できる様になると、できることが格段に広がります。
私が触り出したときは、eコマースコンバージョンは既に取れている状態でしたので、拡張eコマースを使うためにデータレイヤー の整備をしました。

下記のサイトは、GA、GTM周りで各種設定する際に、すごく参考になるのでお勧めです。

拡張eコマース導入のガイド記事https://www.simoahava.com/analytics/enhanced-ecommerce-guide-for-google-tag-manager/

ちなみに私はrailsを触ったことがなかったので、最初は、エンジニアへと依頼を出して、コードを作成してもらっていたのですが、コード自体は少し書いたことがあったので、いくつか作成してもらったあたりで、なんとなくやり方が分かってきたので、途中からは自分で、取得コードを作成しています。
自分で書く様になると、取れるデータを見比べながら、取るべきデータの判断ができる様になるで、コードを書くのが苦でなければ、分析用の言語だけでなく、サイトの扱っている言語もトライしてみるのがお勧めです。

ユーザーの行動が見えてくると、サイト側としては、どうしたら多くの方がやりたい行動をサポートできるのか、どんな情報を欲しがってそうかと言う部分が見えてきて、ようやくデータに基づいて話をする基盤ができ始めます。

データをグラフ化し、ひたすら眺める

データの取得がひと段落して、次に始めたのが、ただひたすらに、データを眺める作業です。まだ、この段階では、具体的な依頼があって調べる様なケースを除いて、分析的な作業はしませんでした。
まずは、redashで色々なデータを取り出して、グラフ化したり、GAの副指標に色々なデータを設定して、データ間の関係を見たりしました。

データを眺めるときは、DBとGAなど、素性の違うデータを組み合わせてみることも重要です。DBがredashの様なapiのあるツールとつながっていれば、importdata関数等を使って簡易にスプレッドシートに取り込めますし、GAデータも公式のアドオンを使うことで簡単に取得できます。

スプレッドシートで扱うには、データ量が多い様であれば、google colaboratoryにデータを読み込んで可視化するのも良いと思います。

この段階では、経験知として、社内で共有されているノウハウが正そうかも、まずはグラフ化することで感触を確かめていきました。
経験知も意外と言ってはなんですが、データと整合するものが多いです。
ただ、多くの場合、こことここが重要と言うのは言われててもどっちが重要かみたいなのは、経験知では分からないことが多いですね。
この辺りはデータを取れる様にして、グラフ化するとだいたい見えてきます。
一つ可視化して、気になった部分がでたら、その部分も可視化してみる。そう言った作業をひたすらやっていた様に思います。
データの全体像を掴むとか言われるこの作業は、実際にデータを触り出す前に時間をとってやっておくと、以降の様々な場面で役立ちます。

また、数値を見慣れている方でも、この場面では、グラフ化をきちんとした方が良いと思います。グラフ化による視覚的な理解と言うのは、記憶に残りやすく、他のデータを見た際に思い出して、発想を広げたり、社内からの問い合わせの対応の際も助かるケースが多いですね。

毎日グラフデータを眺める習慣をつけることは、バグが発生した時や、傾向の変化が起きた時にも、視覚的に検知して原因を探すと言うことができる様になるのでお勧めです。

さて、ここまでの前準備が終了し、ようやく実際の分析と、可視化して、社内に共有すると言う段階がスタートしますが、長くなってきましたので、この先は、またの機会に。

初期の導入の反省点としては、もっと早いうちに英語資料を漁るべきだったなと思っています。
ベタのコード周りと比較しても、データ界隈は英語の方が良い情報が手に入りやすい世界です。
前職でしばらく英語に触れてなかったので、最初はちょっと億劫だったのですが、英語の資料の方が、結果的には理解しやすいものが多かったですね。

この後、分析や可視化周り、ABテストの実施など、色々な作業を実施していくのですが、最初にこれらの作業を丁寧にやったことで、全体像を掴め、共有できる様にしたのが、その後の作業をかなり進め易くした様に思います。

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