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大崎下島:小さな港町の一軒「船宿cafe 若長」を訪ねる

広島市内から高速にのり、呉市内へ。
安芸灘大橋、蒲刈大橋、豊島大橋、豊浜大橋を経て、大崎下島の御手洗保存地区に向う。

江戸時代から明治にかけて「風待ち」や「潮待ち」の港町として栄えた御手洗は、平成6年、国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。

2012年に公開されたアニメ映画「ももへの手紙」やサントリーオランジーナのCMといえばピンとくる方もいるのではないだろうか。

菅原道真が口をゆすいだといわれる井戸のある天満宮、日本に2枚しかない伊能忠敬測量絵図(そのうちの1枚を閲覧可能)、「若胡子屋跡」「七卿落遺跡」などの歴史的・文化的に貴重な史跡がギュッと詰まった御手洗地区。

今回は、そんな御手洗散策の拠点にしたい『とっておき』のカフェをご紹介する。

「船宿」だった建造物を改装した老若男女が気軽に入れるカフェ

宇和島藩・大洲藩指定の「船宿」だった建造物を改装した船宿cafe 若長は、
2011年4月にオープンした古民家カフェだ。
大崎下島の特産品を使ったランチやスイーツが楽しめる。

子ども連れでも安心してくつろげる、御手洗には欠かせない存在なのだ。

船出土産の肉みそご飯 900円 ※1日10食限定

白ご飯に少しピリっとした自家製ミートソース、かためのお豆腐、温泉たまごがのった、洋風どんぶり。とろりとまろやかな黄身とミートソースが豆腐とよく合う。粉チーズをかけると、また違った味が楽しめる。
最後まで飽きずにいただける大満足の限定ランチ。

どうして船出土産なのか。若長cafeの店主、井上さんが教えてくれた。

若長では時化よけの『おまじない』として、硬い豆腐を船に渡していたそうです。(海面、船両方とも硬くて崩れない。という意味がある)
島に唯一残る豆腐屋、小山豆腐さんの豆腐を使っております。

次に御手洗へ行ったときには、小山豆腐さんで、崩れないお豆腐を買って帰りたいと思う。(必ず!!)

温暖な瀬戸内海の気候と、日当たりのよい段々畑で栽培される大長みかんを仕様した「大長みかんジュース(400円)」もおすすめ。えぐみがまったくなく、爽やかな喉ごしで酸味と甘みのバランスが絶妙。何杯でも飲みたくなる。

檸檬ぜんざい(冬バージョン)500円

口に含めば、ほのかに香る檸檬の爽やかさと、あずきの甘みで幸せが倍増。
一口サイズのお餅はぷっくりとして見た目にもかわいらしい。

夏から秋にかけては「冷やし檸檬ぜんざい」に。
温かい檸檬ぜんざいは冬だけの贅沢だ。

窓からみえる何気ない風景は、お気に入りのひとつ。何もしない贅を味わう。
町の喧騒から離れて脚をのばすなら、そんな場所がいい。

気持ちの良い風が吹くと、なんだかホッとして潮風が恋しくなり、また町を歩きたくなる。

ゆっくりと、静謐な空気を感じながら保存地区を一通り回ったら、ふたたびカフェでひと休み。

アイス抹茶ラテ 450円

ドリンクをテイクアウトにして、店の表にあるスペースでいただく。
まさに至福のときだ。

小さな港町で出会う素朴な風景に、心が洗われる。
やさしく流れる時間と清らかな空白。日常は海の彼方だ。


船宿cafe 若長 広島県呉市豊町御手洗住吉町325
営業日:土日・祝日(11:00~17:00)

<御手洗へのアクセス>
・広島呉道路(クレアライン) 呉IC → 安芸灘大橋有料道路 → 御手洗 約1時間10分
・広島空港-竹原港 リムジンバスで30分 (乗り換え) 竹原港-大長港 高速船で合計1時間15分


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