DIC川村記念美術館

 前から行きたかったDIC川村記念美術館に友人と行ってきた。

 外観からもわかるが、美術館は庭含めてよく整備されており、西洋の邸宅にいるかのような優雅な雰囲気だ。湖畔の木の下では鴨が気持ちよさそうに毛づくろいしており、こちらも和む。暑さは相変わらずだが休日らしいゆったりした雰囲気を味わうことができ、仕事の前日の心の休息としては最適。

 当館は抽象画がメインだということ以外はよく知らなかった。前にMB氏がラジオでマーク・ロスコの壁画を絶賛しており、それが気になっていた程度だ。

 館内の構造は少し変わっていて、一階が常設展で二階の一部が企画展示となっていたが、途中からどの絵画も数メートル級の大きなものとなり、またキャプションもないため、鑑賞者の足の速度も、通常の美術館より早い気がした。

 本当は抽象画含めて、絵の勉強をしっかりした上で鑑賞するのがセオリーだと思っている。先述したMB氏も、マーク・ロスコの絵画は極めて論理的で、絵画の世界の理屈をしっかりと学習したものが味わえる感動がそこにあると語っていた気がする。

 ただ、それはそれとして、今回はあまり深く考えず、展示室にあるソファにゆっくり座りながら、できるだけ何も考えずに部屋の雰囲気を味わっていた。そしたらなんとも言えない異空間にいるような、不思議な感動があった。展示品と鑑賞者、椅子しかないシンプルな雰囲気がとても居心地がよかった。

 そういえば企画展示室の出口付近で雨漏りがあったらしく、雨漏りの下に大きなアクリルケースで雨水を受け止めていた。そのガラスケースと溜まった水を見ているとなんとも美しい雰囲気がして小気味よかった。普段何気なく見ているものも、視点を変えたら急に鑑賞物に変わるような、そうした世界の見方を変えさせてくれるのが美術館だ。

 ブログ含め、あれしないとこれしないとと思いがちな休日であるが、これからもぼーっとする時間を作りたいなと思っている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?