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【名盤伝説】”TOTO / S.T.” (宇宙の騎士)

お気に入りのミュージシャンとその作品を紹介しています。US西海岸の人気ロックバンドTOTOのデビュー・アルバム『TOTO』(1978)です。

1970年代半ば頃にスタジオ・ミュージシャンとし活動していたデビッド・ペイチ(Key,Vo)とジェフ・ポーカロ(Drs)、デビッド・ハンゲイト(Bs)が、AORの帝王ボズ・スキャッグスのアルバムレコーディングに参加した際に意気投合し、友人・知人・縁故者を集めてバンド結成に至ります。

ペイチの父親はジャズ・キーボーディストで、ジェフの父親もパーカッショニストとして有名、そんな父親同士の関係からペイチとジェフは旧知の仲でした。ペイチとハンゲイトはソニー&シェールのツアーメンバー同士として知り合います。さらにジェフの弟のスティーヴ・ポーカロ(Key)とスティーヴ・ルカサー(G, Vo)は同じ高校の同級生!。そこにオーディションで参加するボビー・キンボール(Vo)が加わり、TOTOのオリジナル・メンバーが揃いました。

オーディションで集まったバンド以外のメンバーの馴初め?って、大体こんなんものですよね。家が近所だったとか、友達の兄弟だったとか、同じ楽器屋に出入りしていたとか・・・まさに「ご縁」ということで。

こうして結成されたバンドがレコーディングに至る経緯については、いつかまたどこかで記事にしたいと思いますが(苦笑)、1978年アルバムデビューを飾ります。

典型的なアメリカン・ロックでキャッチーなメロディとアレンジの緻密さで評価は上々。USアルバム・チャートで9位。シングルカットされた「ホールド・ザ・ライン」はシングルチャートで5位になるなどスマッシュヒットとなりました。

収録曲
M1 Child's Anthem
M2 I'll Supply The Love
M3 Georgy Porgy
M4 Manuela Run
M5 You Are The Flower
M6 Girl Goodbye
M7 Takin' It Back
M8 Rockmaker
M9 Hold The Line
M10 Angela

デビュー・アルバムのオープニングのM1。こんなに大事なポジションの曲がインストとは驚き。高揚感たっぷりの壮大なアンセムで、メンバーのテクニックをとバンドのポテンシャルの高さを植え付けるのに最適な選曲(試み)だったのかもしれません。


続くキャッチーなアメリカン・ロック・チューンのM2。メンバーのコーラス・ワークも抜群です。個人的にボビーのボーカルは苦手です(スミマセン)。
後半のブリッジ部分、ジェフのノリノリのドラムに乗せるルークのギターソロとバックのシンセ・アンサンブルの格好良いこと。バンドのサウンドメイクの基本が既に出来上がっていますね。


一転して生ピアノ主体のアダルトなM3。そのままボズに歌わせても良いようなミディアムテンポのナンバーです。ソウルフルな展開にAORの名曲としてもよく紹介されていますね。コンポーザーとしてペイチのセンスが光ります。

後半でボーカルに絡む女性シンガーはシェリル・リンです。ペイチとプロデューサーとして大成功したデヴィッド・フォスターにより見出された歌姫。自分たちのアルバムでもちゃっかり起用しています。


ドラマチックなイントロから始まるハードなナンバーM6。アウトロのジェフのこれでもかの激熱ドラミング最高です!。


栄えあるファースト・シングルM9。コンサートでも人気曲で、ラストの「Hold the Line !」の大合唱はいつ体験しても鳥肌ものです。


このアルバムで聴けるプレーやナンバーは良いのですが、どうしたことでしょうか録音がチープに聞こえて仕方がないのです。奥行が無いとか広がりが感じられないとか。同時期に話題になっていたBOSTONの方が何倍も格好良く聞こえていました。リアルタイムではTOTOも良いよねと言った程度の評判でした。が、TOTOのセカンド『Hydra』がリリースされて評価逆転!。シュルツ一人頑張りのBOSTONと天才ミュージシャンが寄ってたかったTOTOとでは分が悪いです。


TOTOの黄金期前夜の作品として、録音品質抜きに楽しみたいアルバムです。



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