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栗ご飯と 運動会


先日のこと。
主人が我が家の畑で拾ってきた栗で栗ご飯を作った。
栗の切り方が細かすぎたかなぁ?もち米をもっと混ぜて炊けばよかったかなぁ?などと話をしているうちに、遠い昔の運動会の思い出がよみがえってきた。

私が通っていた長野県の小学校の運動会は、朝晩肌寒くなる9月の最終日曜日に行われていた。半袖半ズボンの体操服にカーディガンをはおり、運動場にいすを並べお昼ご飯を楽しみに参加する。
程よく疲れた頃に家族で食べるお弁当は、毎年、母手作りの「二段重ね重箱に入った栗ご飯」だった。
姉二人と両親に囲まれて食べる校庭での団らんは楽しく、なぜか誇らしく、最後に食べる早生ミカンの青い香りがたまらなく好きだった。

ここでお弁当を食べたんだよね



午後からの親子競技は姉と父の障害物競争。他のどのお父さんより背が高くカッコいい父はどこにいても目立つ。帽子が飛ばないように手で頭を押さえながら一等賞で旗を回ってくる姿も誇らしかった。

当時の面影を残す小学校の土手

近年大病を患い、足も傷め思うように動き回れず気落ちしている父を、何とか励まそうと、先週50年ぶりに懐かしい故郷を巡ってきた。
小学校のグラウンド、校舎と運動場の間の芝生の土手。それらの景色と今食べている栗ご飯と運動会がリンクして、なんだか特別な味がしてきた。

校門は当時のままだった

まだ栗が残っている。
あの時食べた味を思い出し、明日はもち米を混ぜて、栗をもう少し大きく切ってもう一度栗ご飯を炊いて、父に食べてもらおう!
「フレー、フレー、お と う ちゃ ん」