「卒業」

【あたくし的国語辞典 68 】
こういうのを青い春 なんて呼ぶのかしら?って眩しく思う言葉:「卒業」
意味…[名](スル)
1 学校の全課程を学び終えること。
2 ある段階や時期を通り過ぎること。(goo辞書より)

りょうちゃん。
あたし、無事高校を卒業しました。
先日、高校3年生のMちゃんからLINEが届きました。
友達というにはあまりにも歳がかけ離れ過ぎてんだけど。2年前の夏に出会って以来、たびたび連絡をくれるようになって。「彼氏とケンカした!」と言っては“相談”という名の“のろけ話”を聞かされたり、夜中に「家帰れない」とのメールでハラハラさせられたり。なんやかんやでこの数年、彼女はあたしの退屈な日常を、そこそこ賑わしてくれます。
普段から絵文字とスタンプを駆使して賑やかなLINEメールをくれるMちゃんですが。支援学校に通いながら就職活動に励み、ようやく老人ホームで介護士見習いの内定をもらった時は相当嬉しかったのでしょう。「りょうちゃん、決まったよー!」といつもにも増して絵文字いっぱい、喜びいっぱいのメールを送ってくれました。
時には「不良と喧嘩した!むかつくーっ!!!(この後、大量のスタンプ連投)」と悪ぶったメールも。けど、あたしにはこうして武勇伝を語るわり、実のところ友達思いで。本当の彼女は、人の心の機微を敏感に感じとれる子です。
「電車に乗ってたら、支援学校の友達のことをバカにする人がいた!」と怒って電話をかけてきたこともあって。その気の強さは、きっと、友への思いやりからきているんだろうなと思います。
人は年齢とともに変化していく生き物なのだろうけど。

変わっていくこと、
変わらないこと、
変えないこと。
どうか、その優しさだけは、この先もずっと変えないでください。
社会にでると、高校生活のように自分の思い通りにいかないこともたくさんあって。頭をぶつけること、壁にぶつかることもたくさんあるだろうけど、でも、痛みを味わった分だけ、人に優しくなれたらいいよね。
だから、いつも笑顔で。
なんてことは言いません。
あたし自身できないことを、人に勧めることはできません。
だけど、八方塞がらでも天だけはあいている。という言葉があります。苦しかったら泣いてもいいし、悔しかったら怒ってもいいから。だから、どんな時も、天を仰げば太陽が輝き、月が瞬いていること。大きな存在があなたを見守っていることを忘れないでください。
あたしで良ければいつでも話を聞くから。愚痴でものろけ話でも。なんでもいいから連絡しといで。
そして2年後。晴れて成人式を迎えたら、そしたら二人で飲みに行こうね。
そこそこ仕事ができるようになって、いっちょまえな口をきけるようになったあなたと「くーーぅ!」って言いながらほろ苦いビールを味わえること 今から楽しみにしています。
改めて。
卒業おめでとう。
新たな一歩を踏み出すあなたに、どうか幸多からんことを。

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