「名は体を表す」

【あたくし的国語辞典 75 】
「シゲオさん」で始まる朝に思う言葉…「名は体を表す」

意味:名前はその物や人の性質や実体をよく表すものだということ。 
(故事ことわざ辞典より)

チュン チュン…と、可愛い小鳥のさえずりで目覚めた朝。
窓から太陽の光が差し込み、今日も爽やかな気持ちで一日がスタートしました。

っていうのは嘘で、
目覚めとともに聞こえる修子の声。
お隣の弟の部屋に向かって大声量で「みっちゃん おはよー!」
で、大声に驚いた弟が、
「うわッビックリしたよー。おかん、やめてや!」
と言うと、
修子「なんでよ!みっちゃんにみっちゃんって言って何があかんのよ!」
弟 「ちゃうやん、なんかもっと言い方あるやん」
修子「わかったわ、そしたらお母さん明日からみっちゃんに『シゲオさんおはようございます。お目覚めの時間でございます』って起こすからな」
弟 「なんでシゲオやねん」
修子「知らんよ!」
ということで、今日も竹田家に清々しい朝が来ました。
誤解のないように言っておきますが、うちの弟の名前はミチヒロ。
でもって、父の名前はモトゾウ、祖父はナラゾウ。
竹田家にシゲオという名前の人間は見当たりません。
たぶん修子が返答に困り、咄嗟に溺愛する実弟(私の叔父)の「シゲル」をもじったのでしょう。

さてさて、名前というものは一生ついてまわるもの。
あれこれ考えたくさんの愛情を込めて付けられます。
ちなみに、あたしの「リョウコ」は祖父、祖母、父、母、家族みんなで考えてくれました。
ただ、最初は「ヨリコ」になる予定だったとか。
修子の話によると、私が生まれてすぐ竹田家では家族会議が開かれました。で、候補の名前を3つ挙げ、それを短冊に書いて神様にお供えし おみくじみたいに引いたところ、「ヨリコ」という名が出てきました。
が!その直後、すでに近所にヨリコちゃん(当時1歳)がいるのでまぎらわしいということに。再度短冊を引き直し「リョウコ」に落ち着いたというわけです。
神様にお伺いをたてて決めていただいたものを「まぎらわしい」という極めて人的な理由でサクッと変えちゃうあたり、
そもそもまぎらわしい「ヨリコ」を候補に入れているあたり、竹田家が ザックリした血筋 であることがお分かりいただけると思いますが、、、
とりあえず私は「リョウコ」になりました。

ただ、もう一つ問題となるのがどんな漢字を当てはめるかということ。
「リョウコ」と言えば、芸能界にも篠原涼子、米倉涼子、広末涼子、国仲涼子…と数々の女優が名を連ねますが、残念なことに皆さん揃って「涼しい子」と書きます。
私の「亮子」と言えば、思い当たるのは「田村でも金、谷でも金、ママになっても金!」でお馴染みの谷亮子さんくらいです。
「えらく逞ましい名前になってしまった…」
とは思うものの、漢和辞典で調べると「亮」という文字には「たすける」という意味があります。
「たすかる」ではなく「たすける」というあたり、親々の深い思いを感じるところ。
谷亮子さんのような金メダル級のおたすけはできませんが、せめても言葉を通して人様のお役にたてる人間になりたいと、「シゲオさん」論争に白熱する修子と弟をよそに 改めて心に誓った朝でした。

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