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赤ちゃんがやってきました

2020年5月、我が家にかわいいかわいい女の子がやってきました。

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生後数日経って初めて描いた娘の絵。いままでのどんな絵よりも描いていて楽しかった。


昨年この記事を書いたときは、1年後にこんなすてきな贈り物を授かるなんて知る由もなかった。

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あの時期は、とにかく意識的にうつくしい景色を求めてた。ちょうど池がモネの庭みたいな雰囲気で...。いま見ても胸がちょっとズキンとする。

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そう、この写真を撮った日に赤ちゃんを包んでいたたまごが出てきてくれた。私の、たいせつな小さなお産。


今度はきっといのちのお産をするんだ、って思ったこと。

外に出ると、おなかのまぁるい女性や小さな子どもたちを見て、灯りがともったように嬉しかったこと。じんわり、じんわりと。


覚えてる。

街の誰かが幸せであることが、私の嬉しさの一部だった。これまで見ていた世界が、よりカラフルになって、自分の皮膚の外側も「自分」なんだってリアルに思えるようになった。同時に、誰かの悲しみは、より真実味を持って感じるようになった。

もしかしたら、ようやく私は、この世界にちゃんと根差したのかもしれないなーなんて。


赤ちゃんが来てから、夏がすぎて、秋に足を踏み入れようとしている。私は今でも小さなお産をときどき思い出す。あのとき決めたのは、「その時を待つ」こと。そして「待つと言うのは、じっとしていることではない」ということ。

去年の夏は自分の人生でしたいことを次々として、いそがしかったし、すごく楽しかった。「待っている」ことをたまに忘れてしまうくらい日々を味わっていた。


とある暑い日、風疹の抗体検査で行った病院のおばあちゃん先生が、検査のあとに話しかけてくれた。

「赤ちゃんを希望しているのね。いま何歳?36?若いねぇ。これからいろんな楽しいことが待っているわよ。いいわぁ!」

と、未来を見つめるように、きらきらした目で。


このとき、私は先生の言うような未来が確かにあるような気がして、心強く家路についたんだ。


あとからわかるのだけれど、この日が私の妊娠1日目。スタートの日だった。


作り物みたいなホントのことがころころ起こって、いま、家には赤ちゃんがいる。


赤ちゃんが、やってきた!

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