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いらんことしぃ

仕事場と遊び場を兼ねた改修中の田舎小屋にて、兄はすでにいくつかの大罪を犯している。

一介のサラリーマンである兄は癒しを求めてほぼ毎週末、小屋へと夫婦でやってくる。
その兄がよく「いらんこと」をする。

小学生風に言うと、「いらんことしぃ」なのである。
薪割りがしたいがために木材を必要以上に細かくするわ、やめろと言ったのに野良猫にエサをあげて住み着かれそうになるわで、まったくもっていらんことしぃだ。

ある日の夕方、薪ストーブで火を焚いてる横で「やっぱり焚き火もしたい」と言い出した。

薪がもったいないと思ったが、癒しを求めている満たされないサラリーマン野郎である兄のために私は目をつぶる事にした。

しかし、パカパカと細かく割った薪を焚き火台にバカバカと積み上げて燃やすさまは目に余り、つぶっていようと思っていた目が閉じなくなってしまった。

ケンカにならないよう、
「ちょっと燃やしすぎじゃないか、、、?」
と優しめに聞いてみると兄は言った。

「早く燃やし尽くして帰りたいねん」

おだやかに、おだやかに、と思っていた私であったが、意識を上回る速度で人差し指がビシッと突き出されると同時に、
「だったら燃やすな!!」
とめずらしく声を荒らげていた。

そして、兄の「いらんことしぃ伝説」に新たな歴史が刻まれることになる。

続きは次回

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若手職人の絶望日記

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。

もうあなたのいる方に足を向けて寝られません。
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京都で漆と木工の仕事をしている脱サラ職人。父は職人歴50年のガンコ者。絶望的な経済状況の中でおもしろおかしく生きていこうとする、希望にあふれた職人の生きざまをご覧あれ。僕はアウトドア漆器ブランド「erakko」を立上げ活動しています。https://erakko.jp/