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漆塗り職人、保育士を目指す その4

保育士試験の当日は雨だった。
キラキラした笑顔で「ちばたちぇんちぇー!」と言ってくれる子ども達に胸を張って会うためにも頑張らねばなるまい。

試験対策については、保育の仕事に誘ってくれた友人も問題丸暗記力について太鼓判を押してくれていたが、

「暗記を過信して問題をよく読まず早合点して誤った解答をしないか心配、、、」

と言っていた。

的確な指摘であると私は舌を巻いた。
さすが我が友人である。

そしてそんな自分を想像して、「なんか残念というか、惜しいヤツだな」と思った。

肝心の試験はというと、、、。
手応えはまったく無し。
合格ラインの60点にギリギリ届いているかいないかという感じであった。

選択式の筆記試験なのだが、早合点をしないよう問題文をじっくり読み込めば読み込むほど迷いが生じて「どっちだ?どっちなんだ!?」と頭がパンクしそうになるというありさまだった。

正式に試験結果がわかるのは6月初旬〜中旬なのだが、ユーキャンなどが試験後に解答速報を出している。

しかしそれを見るのが怖い。

1回目の受験の時はこうではなかった。
本業が忙しくて試験勉強を放棄していたから、結果に興味が湧かなかった。

なにより保育の仕事も、「複業としておもしろいかもな」くらいの感覚で、まだ大してやりがいや興味を見出していない時期であった。

それが今回はどうだ。
解答速報を見るのが怖い。
でも気になる。
でも怖い。

という事の繰り返しである。
それだけ真剣に受かりたいと思っているという証拠なのだろう。

こんなに切実に何かを願ったのはいつぶりであろうか。
いつだったか、倹約家であるこの私がスクラッチくじを1万円分ほど購入した時だってこうはならなかった。

試験が終わった2日後の明け方3時頃、私は尿意をもよおして目が覚めた。
寝ぼけまなこでスマホを手にして解答速報のページを開いてみると、情報が更新されて全教科の解答が出揃っているではないか。

このまま寝ようか、それとも自己採点してみようか布団の中でグズグズしていたが、やはり気になって仕方がないので採点する事にした。

ムクリと起き上がってノソノソと小用を済ませてちゃぶ台に向き合う。

寝起きだというのに心臓の鼓動が一気に早まる。
試験問題を取り出して、1問ずつ解答速報と付き合わせて○✖️を書き込んでいくのだが、緊張のあまり手が小刻みに震えているのを抑えられない。

まずは1教科目の「保育の心理学」に書き込んだ○を数えてみると、、、

「85点!!!」

まず1つはクリアした。
しかし、もう1教科を落としていればさらに半年後の筆記試験まで待たねばならない。

2教科目の「子ども家庭福祉」にも○✖️を書き込んでいく。
相変わらず手は震え、口から心臓が飛び出しそうなほど緊張している。

こちらも○の数を数えてみると、、、

「75点!!!」

嬉しいよりも、ホッとして全身の力が抜けた。

自己採点なので、実際に通知が届くまではまだわからないが、ひとまず安心して結果を待つ。

受かっていれば、2時試験の実技をクリアすれば晴れて保育士となれる。

つづく

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若手職人の絶望日記

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。

あの鐘を鳴らすのはあなた。だと思う
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京都で漆と木工の仕事をしている脱サラ職人。父は職人歴50年のガンコ者。絶望的な経済状況の中でおもしろおかしく生きていこうとする、希望にあふれた職人の生きざまをご覧あれ。僕はアウトドア漆器ブランド「erakko」を立上げ活動しています。https://erakko.jp/