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材木探しという名の、、、 〜嗚呼、職人の絶望日記〜

2016年3月〜4月。

木工を始めた当初の大きな課題の一つが、「木材の確保」だった。
ホームセンターでは手に入らないことがわかった。

欲しいのは、硬くて丈夫かつ、個性に富んだ広葉樹である。
ネットでも手に入るようだが、いかんせん値段が高い。
なにせ貯金ゼロの男だから。

さいわい、父親に教えてもらいながらできる漆の仕事が少ない。
午後からすることが無い時などは、木工に使う材料探しに出かける。


バイクで田舎を走って、材木屋さんらしき場所はないかと風景をよく観察する。
ふらっと立ち寄ったお店でご飯を食べる。

材木は見つからず、お家に帰る。

「これってただの、、、
ツーリングやないかい!!」

と、思うこともしばしば、、、

周囲から、「ネットで材木屋さん探して電話で聞けば?」
と言われることも。

しかし、あんまり普通のやり方はしたくなかった。

「我ながらバカなことやってんな、、、
でも、なんかおもしろい!」

というふうに、課題を課題とも思わないような、自分で自分を楽しめる方法でモチベーションを維持していたかったのだ。


そうして探していればそのうち見つかるものである。

突然訪問しても、「こうこうこういう者でして、、、」
と顔を見てじかに説明すると、あとはスムーズである。

そのままのノリで、若者サービスをしていただいたりする。

しかし一つ問題が。
当時、僕は車を持っていなかったので、バイクで材木を持ち帰るのが大変だった。

木材を細かくきざんでもらい、なんとか工夫してバイクにくくりつけて持って帰っていた。

そんなこんなで、材木が確保できはじめた。

材木探しという名のツーリングへ行く口実が無くなってしまうことは残念ではあるが、また一つ前進である。

木工の練習にはげむとしよう。

次回もお楽しみに。

みなさまのご支援で伝統の技が未来に、いや、僕の生活に希望が生まれます。