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日本外食新聞掲載原稿 第32話

第33話が掲載されたので第32話をアップします。
今後どうなるかわからないドキュメンタリー(実話)連載です。


実録!飲食業界のパラダイムシフトに田舎の喫茶店マスターが巻き込まれたとき、現場をこなしながらどのように活路を見出すか。311日目。



「うちの会社でもコロナ出ちゃってさぁ〜。部署が違うから大丈夫だとは思ってたけど、一応会社からPCR検査しろって。もちろん陰性だったよ。だから今ここにいるんだし。でも、そいつスッゲー気を付けてたんだよね。子供小さいし親と同居だから『自分は絶対なっちゃいけない』って。散々気を付けてたのに…あれだもんね」

「だからなったんじゃない?コロナに」

「えっ?どういうこと?」

「心配しすぎってこと。コロナ怖い、コロナにかかったらヤバい、コロナコロナコロナ…ってずーっとコロナのことを考えてるわけでしょ。それだけ頭に描いてたら《この人はコロナが欲しいのかな》って引き寄せられるわけよ、天に。天は物事の良し悪しに関わらず、頭に強く描いたものを引き寄せようとするから。つまり具現化しようとするのよ。『コロナになりたくない』の「なりたくない」って部分は天には分からないから、単純にコロナを引き寄せただけ。それだけコロナのことを考えていたら引き寄せられるのは必然だよ。まぁ、こういう概念はきっと理解できないんだろうなぁ」

「うん。よく分からん」

身近でもちょくちょくコロナにかかったという人が出てきた。私は全く気にしないし、最近はコロナという文字を意識して【記号】として認識するようにしているので、メディアで文字を見かけても、頭に入ってくることがないようにしている。だから絶対にかからない自信がある。要するに対策をした上で考えなければいいだけの話で、情報を取捨選択して、頭に入れる、入れない、を自分で決めるのだ。まぁこれだけ情報が散乱していれば否が応にも入ってきてしまうのだろうが。

そんなことより今回の緊急事態宣言は流石にやりすぎだと思う。営業時間を20時まで短縮することには、もはや誰も異議を唱えないだろう。いや、20時までにしたところで感染者数が減るわけでもないことは、もはや全ての国民が理解している。だが【愚策だとは分かっているが、杓子定規に公平性を求め、専門家の意見を鵜呑みにし、今後の解散総選挙を見据えて一番当たり障りが無く、政治と距離の遠い『飲食店に罪を押し付ける』ことで難局に蓋をしようとする政府が考えそうなこととして、とりあえず何かやってる感を出すにはちょうどいい落とし所】と半ば諦めに近い気持ちで容認している気がする。
医療体制を整えるより、飲食店を締め付ける方が簡単だからだ。
そこに追加された最悪の【禁酒令】。これはもう単純に「早く潰れろ」と言っているようなもので、パワハラ以外の何物でもない。お酒を提供するお店には休業要請、もしくは時短営業+お酒の提供禁止である。日銭を稼がないと生き残れない労働集約型ビジネス、ましてやお酒をメインにしている居酒屋にとってこの策は完全に【死】を意味する。そこまで内部留保に余裕があって「一年休業しても、赤字が続いても生き残れる」という会社は少ないだろう。
今まで黙って国の指示通り要請を守ってきた事業者も、今回ばかりは「納得できない」と声を上げ始めた。要請を無視して営業するところも増えているようだ。さらにはお客さんも自粛疲れの反動と政府への不信感からか、いつもより活発に行動しているように見受けられる。このままゴールデンウィークに突入したらどうなるか、結果は見えているが、政府の抑止力にもはや力はない。飲食店はもちろん、コントロールの効かなくなった国民が今までの鬱憤を晴らそうと馬鹿騒ぎしそうなゴールデンウィーク。ここで取り返そうと狙っている事業主は多いはずだ。

「ねぇ、まだ福利厚生サイトでカフェパルランテって検索しても出てこないよ?大丈夫?」常連さんに言われるまですっかり忘れていた。そうだった、福利厚生サイトでのキーワード問題がまだ解決していなかったのだ。「ごめん。すぐ聞いてみる」とすぐさま代理店に電話してみた。返事は「当方は代理店なのでキーワード検索システムは触れません。運営会社に直接お問い合わせください」と。運営会社に連絡すると「キーワード検索は、御社のトップページに記載されているワードにのみ反応するようになっています。そこに書いてなければどれだけ検索しても引っかかりません。そのページの作成は代理店が担当ですので、代理店にお問い合わせください」でた!たらい回し!代理店からは『このトップページにキーワードを散りばめてください。このページがキーワード検索で重要なページになります』なんて一言も聞いていない。だからキーワードなんて折り込まずに簡単な紹介文を書いて送ったのに。そのことを問い詰めると渋々変更手続きに応じ始めた。「変更手続きに1ヶ月ほどお時間をいただくことをご了承ください」はぁっ?文章を差し替えるだけで1ヶ月って……と思ったがグッと堪えて「よろしくお願いします」とだけ伝えた。怒りの感情は時間を無駄に浪費する。この1ヶ月の間にもう少しECサイトの中身を充実させておこう。そのための時間が出来たと考えればなんてことはない。有り難い有り難い。

「こんにちは〜。ただいま満席ですので、そちらに名前と電話番号書いて車内でお待ちください。空き次第順番にお呼びしま〜す」
予想通りゴールデンウィークは爆発した。今年も県外への移動制限は出ているが、コロナに慣れてしまった人たちが普通に来るだろうと予測し、「ゴールデンウィーク特別メニュー」という通常の2割り増し料金を仕掛けてみた。オープン以来初の試みだ。結果は大成功。常連さんには事前に「高くするから来ないで!」と伝えておき、常連客が減った分、普段は絶対来ない『ゴールデンウィークだけの新規客』を詰め込み、しかも高単価なので時短営業だがコロナ前と同じ売り上げをキープすることができた。ディナーは言うまでもなく惨敗。春日井市は21時までの営業でお酒もOKなのだが、流石に飲む人はいない。出てもせいぜいビール一本ぐらいだ。このままあと一年ぐらい「飲みにくい環境が続く」と本気でお酒離れが加速するような気がして、一抹の不安を覚えるが、これも必然なのだろう。それに合わせて変化できたところだけが生き残れるのだ。

コーヴォのお菓子はとことん贅沢路線を極め、秘密工房のお菓子は、そのコーヴォのお菓子をベースにお酒でアレンジしていく。このコンセプトが固まったことで、商品開発は一気に加速した。何しろ今まで「なかなか美味しくならない物体」と出口の見えない戦いをしていたわけだから、今は作るもの作るもの全てが美味しく感じるのだ。ストレスが全くないので、アイデアがどんどん浮かんでくる。「あちゃー、絶対こっちだったな」「間違い無いっすね」出来上がるどれもが確実に美味しいと言える安心感。これこれ、これだよ。自分にもお客様にも嘘をつかないと決めて経営してきたのに、なんであんなにブレてしまったのだろう。美味しくないものを「徐々に美味しくなってきている」と思い込もうとしていたのだ、自分に嘘をついてまでして。焦っていたのかなぁ、糖質カットしかないって。いや、間違いない。焦っていて、微妙だけど「チャレンジしている自分に酔っていただけ」だな。冷静に考えると寒い。まぁ、そんな自分の弱さに気付けただけ良しとしよう。
1ヶ月の遠回りは色々なことを吸収できた貴重な時間だった。とはいえ、缶も手提げ袋も出来上がってくるので、あまりのんびりはしていられない。作り込むにあたってオリジナルの梱包資材だけで250万はかけてるし、支払いも生じている。入った協力金が一瞬で無くなっていくが、これでいよいよスタートラインに立てるわけだ。秘密工房のECサイトはこれから写真撮影を経て取り掛かることになっているので、完成は8月〜9月頃。楽しみでしかない。

ゴールデンウィーク特別メニューが終わって、常連さんが一気に詰めかけた5月6日。政府は東京・京都・大阪・兵庫に出ていた緊急事態宣言の31日までの延長を決定し、さらに愛知と福岡も追加する方針を固めた。期間は5月12日〜31日までの20日間。どうやら今回は名古屋市内だけではなく、愛知県全域に要請が出るようなので、当然春日井市も20時までの時短営業に加え、お酒の提供ができなくなる。今回の協力金がいくらになるのかはまだ決まっていないが、とりあえずお店が暇になることは明確なので、この間に新商品の開発と、ギフト用梱包資材の発注を終わらせること、そして「ネット通販」関連の本を読み漁ろうと思っていた。ECサイトを作ったからといってすぐに売れることは絶対にない。まずはそこにお店があるということを認識してもらい、興味を持ってもらうところからどこもスタートする。サイトの写真や文章で相手を引き込み、信頼してもらい、あわよくば購入まで結びつける。ここまでの導線がいかに難しいかはよく理解しているつもりだ。ネット上の何百万という店舗が全てライバルなのだから、埋もれてしまって、見つけてもらう前に潰れるなんてことは避けなければならない。福利厚生サイトにも載せる予定だが、それも思うようにはいかないはずなので、とにかくこの暇な期間に、先人の知恵に触れておきたかった。




カフェパルランテ 三井隆義

〒487-0026 愛知県春日井市不二町2-6-7  0568-53-2477

※ビストロセット3300円 記念日コース7700円 ご予約受付中
※バースデーケーキ、チョコペンアート ご予約受付中(3日前迄に)
※珈琲チケットを持っている方は席のみの予約もできます

営業時間 12:00~22:00 (ランチ12:00~14:30LO・ディナー17:30~21:00LO)
月曜定休 + 不定休あり(noteで告知します)
P7台(乗り合わせて来てください)

http://www.caffeparlante.com/ ←カフェパルランテの歴史(2009年7月~)
https://www.facebook.com/ciccio.don.925 ←マスターのFacebook
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西野亮廣エンタメ研究所 サロンメンバー
https://salon.jp/nishino


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