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マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~事業家集団(秋葉原)編⑧~

前記事:マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~事業家集団(秋葉原)編⑦~

最初から読む:マルチ商法をおちょくっていたら、とんでもなく危険な集団の真相に迫ることになった話 ~ライ○バンテージ編①~

今回の体験をベースにした小説:マルチ商法女と戦っていたら、もっととんでもないものと戦うことになってしまった件

前回、秋葉原のカフェにUを呼び出した僕は、カモ役のAさんを使って安心させたところで人民服の年長者、Bさんを召喚。ガッチリと二人で固めて逃げられなくしたのだった……。

「Bさん、Uさんは凄いんですよ、毎週経営セミナーに通ってて、経営の師匠もいるらしいんです!」

Uに話をさせる暇を与えず、Bさんに奴のやっていることを話す。これからは問い詰めタイムだ。奴に耳障りの良いことを聞かせる余地は残っていない。

Uよ、お前はカモにする相手を間違えたのだ。

Uの活動概要を聞いて、早速Bさんが質問。

Bさん 「師匠ってことは、月謝とかあるんですか?」
U 「月謝とかは特にないですねえ。」

Uはセミナー代や自己投資で大分金を持っていかれているはずなのだが……。とりあえずここはスルーして、僕からも質問をした。

僕 「以前から色々話をお聞きしましたが、どうも無尽講とか頼母子講みたいなものに思えるんですよね。それとは違うんですか?」
U 「すみません、無尽講ってなんですか?

おいおい、マルチやってたのに無尽講知らないのかよ!!

無尽講や頼母子講というのは一種の互助会で、会員が毎月一定金額を積み立て、それを旅行や宴会、葬儀代に充てたり、競りやくじ引きで選ばれた会員が総取りするシステムだ。一応説明したところ、Uは「そういうのとも違うんですよねえ」と言いつつもあまり分かっていない様子。
ここで僕からさらに質問を行う。

「でも、『ファンを増やす』ってことは会員同士でお店に行きあったり、商品を買い合ったりするわけですよね?無尽講はお金だけやりとりするから成り立ちますが、これを店舗型システムでやろうとしたら破綻しませんか?事業家集団が電気会社やら水道会社を持ってるわけじゃないから、光熱費とか家賃の分目減りしちゃいますよね?」

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つまりこういうことだ。ここにAさん、Bさん、Cさんの3人がいるとしよう。AさんがBさん、Cさんから10万円ずつ、20万円回収したとして、お金だけのやり取りならこれをそのまま組織内に分配できる。ところが事業家集団 環○では店舗型システムを取っている。オウム真理教的なマハーポーシャシステムでタダ働きをさせたり、仕入れを組織の店で賄えば金を組織に分配することができる。が、光熱費や家賃はさすがに組織内で賄えないだろうから、その分は組織外に出ていってしまう。となると、お金を組織内でやり取りする度に目減りすることになり、ダウンが外部から金を吸い上げ続けないと破綻してしまうはずなのだ。

これをUに説明したが、やはり理解していない様子で「いやー、ちょっと難しいなあ。正直仕組みはよく知らないし、あんまり興味ないんですよね。」などと言っていたが……。

あれだけ自分達は素晴らしいと言っていたのに仕組み知らないのかい!!

これはひょっとして、とぼけてるのか?それかとんでもないアホなのか!?ここを詰めても仕方がなさそうだったので別の方向から質問をした。

僕「そういえばUさん、自己投資って重要じゃないですか。月にどれくらいやってるんですか?」
U「(ここで少し警戒の顔色を浮かべる)えっ、自己投資とはふんわりしてますねえ。」
僕「(とぼけるなよコイツ)ほら、資格の勉強とかセミナーとか色々あるじゃないですか。どんなのやってるか知りたいんですよねー。」
U「なるほど、僕は健康を維持するために、オーガニック食品とか健康食品に投資してます。師匠の店の商品にもいいのがあるんですよ。」
僕「セミナーの話してましたが、自己啓発セミナーとかって、行ってますか?」
U「自己啓発セミナーって、どんなのですか?」
僕「(絶対行ってるだろ、知らないのかな?)ほら、A○Kアカデミーの、B○SICセミナーみたいなやつですよ!」
※A○Kアカデミー:環○の人が受講を勧められる自己啓発セミナーの会社。B○SICの受講料が9万円、次のS○EKコースは25万円。
U「えっ、A○K知ってるんですか?何で知ってるんですか?」
僕「(ほらきた!)そりゃ知ってますよ。松○さんのとこでしょ?前に僕がサブカルと言ったと思いますけど、自己啓発セミナーとか新興宗教とかもサブカルの範囲に入るんですよ。」
U「なるほど。B○SICは受講してますよ。」
僕「それ、赤黒ゲームとかやるやつでしょ?」
U「えっ、何ですか?」
僕「だから赤黒ゲームですよ、2班に分かれて赤と黒を出し合うやつ!」

~赤黒ゲームとは?~
赤黒ゲームとは、自己啓発セミナーで行われる典型的なワークで、2班に別れて赤か黒のカードを出し合うゲームである。この時、カードの組み合わせで点数が決まり、

赤と赤:両チームに-3点
赤と黒:赤に+5点、黒に-5点
黒と黒:両チームに+5点

赤黒ゲーム

となる。つまり、赤を出せば絶対にこちらが損をしない状態になっているので、何も知らないと赤を出し続けることになる。ところがこれが自己啓発セミナー業者の思う壺。ゲームが終わった後で「私は点数を上げろと言ったのにあなたたちは相手に勝つためだけに赤を出し続けた。あなた達はいつも、自分だけ勝てればいいと思ってきたんじゃないですか!?」と言って参加者を激しく叱責するのだ。そしてもう一回ゲームをやらせると、お互いが黒を出しまくるようになるという仕組み。これ、少し詳しい人なら「なんだ、ただの囚人のジレンマじゃないか。」と思うはずなのだが、閉鎖空間でずっとワークをやらされていると何だかありがたい気持ちになるものらしい。
~~

U「(ここで完全に警戒の表情となる)いや、それはあんまり言わないほうがいいんじゃないですか?」

いやあのねえ、自己啓発セミナーなんてのは日本に持ち込んだ業者から分派した人達が大半なので、どこも内容は似たり寄ったりなんですよ。その内容は既に90年代あたりで暴露されちゃっていて、僕も十年以上前に「人格改造マニュアル」という本で内容を知っていた。で、ネットでA○KのB○SIC受けた人のツイートとかを読んでみたら、案の定ほぼ同じ。全然進化がないというか何というか。それで、Uが「あんまり言わないほうが」と言ったのは、セミナーの最初に「セミナーの内容は口外禁止」と言われるからだ。ちょっと調べたらすぐに内容ばれてるのが分かるはずなんだが、環○の場合はネットをあまり使わないように言われる(脱会した人が暴露してるブログとかサイトが出てくるので情報遮断している)ので知らないのだろう。いやあカルトは恐ろしい。

さて、僕はここでついに爆弾をぶちこんだ。

僕「Uさん、A○KのB○SIC受講済みってあなた、ワ○ダーラ○ドの人ですか?」

to be continued...

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