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結核 vs. COVID-19

 いま世界中でCOVID-19が猛威を振るっている.肺炎が引き起こす呼吸困難での突然死は恐ろしい.
COVID-19も恐ろしいが,かつて日本では同じく肺を侵す病である”結核”が猛威を振るっていた.大正時代から昭和20年代までこの恐怖の肺病は国民病として蔓延した.そして,全盛期と比べれば数も減り,抗生物質ストレプトマイシンによって治る病となった現代でも, まだ結核にかかる日本国民は年間約18,000人おり,毎年1,900人の命を奪っている (参考: 政府広報オンライン).この"結核"と"COVID-19"を死亡者数の観点から比較してみる.

 まず,結核の死亡者数を見てみる.
池田一夫らによる『人口動態統計からみた 20 世紀の結核対策』によれば,日本の結核死亡者数は最も多い1943年で男性94,623人, 女性76,850人の年間計171,473人にも上り,1,900年代-1940年代にわたって毎年およそ80,000-170,000の死亡者数を出している.太平洋戦争中に膨大な死者を出しただけでなく,平時でも毎年120,000人程度の死者を出していたのだからどれだけ恐ろしい病気か伺える.さらに, 東京の人口10万人に対する結核死亡者数は200-300人程度で推移している.500人に1人は毎年結核で死亡するということになる.

 次に,今まさに世界を脅かすCOVID-19の死亡者数を見てみる.現在Googleで"COVID-19 死亡者数"などと検索するとその日のデータを表示してくれる.これによると,日本の死亡者数は2020/5/6 18:00頃のデータで現在566人となっている.日本では感染報告例が少ないため,現在世界で最もCOVID-19が猛威を振るうアメリカのデータを参照する.すると,アメリカでの死亡者数は同様に2020/5/6 18:00頃のデータで72,023人となっている.仮に,願わくばあってほしくないことではあるが,ここからあと半年同じペースで死亡者数が積みあがってしまうとすると年間14万人程度で,結核が蔓延していた戦前日本での結核による死亡者数と同程度の人数になってしまう.しかし,アメリカの人口はおよそ3億人で,仮に戦前日本の人口を1億人と仮定すると3倍程度である.COVID-19が人に死をもたらす能力は結核の3分の1程度であるだろうか?

 ここでまた興味深いデータを発見した.WEDGE Infinity の記事によるとイギリス・ロンドンでの死亡率は10万人あたり85.7人となっていて,戦前日本における結核の10万人死亡率が200-300人であったことから, およそ3分の1程度の値を示している.

 戦前日本では,現在世界を脅かしているCOVID-19の3倍恐ろしいと思われる結核の脅威にさらされながら数十年日常生活を送り,さらには世界規模の戦争をやってしまった.現在と比べてどれほど死が近い生活を送っていたのか想像を絶するものがある.抗生物質ストレプトマイシンは結核に侵された日本にとってどれほどの希望を与えてくれただろうか.人類の英知がCOVID-19の特効薬をもたらすことを期待したい.

 無論このnoteの内容は素人がデータから邪推しただけなので,医療関係者などの権威の意見を尊重し,内容を過信することは避けてほしい.

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