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どうする!?混雑時のオーダーの効率よい提供方法【初級編】

まず、何はともあれここカフェラボの会員さんがこの度東京北区に「十条珈琲」をオープンしたことを祝福したいと思います。

何より嬉しいのが開店早々にしっかりと繁盛していること(もちろん「サイレントオープン」したうえで、です)であります。

「十条珈琲」が優れているなぁと思っている部分(コンセプトやメニュー等で)が実は開店前から店主のSさんからの話でいくつかわかっているのですがそれはまた追々述べていくとして、今回Sさんから「混雑時の効率よいオーダーの提供方法や時短のコツ」のようなもがあれば知りたい、という書き込みをいただきましたので、予定を変更して早速その件について述べていきたいと思います。

まずこうした「混雑時のオーダー」と言った案件自体がそもそも無事開業した後の話で、このカフェラボ会員の大半はカフェ開業までの準備ノウハウ(まで)を知りたいであろうという思いからちょっと避けてきた話題ではあるのですが、実を言うと私自身お店をオープンしてから今日に至るまでずっと日々悩ましい課題というのがまさにこの「効率の良い提供の仕方」であったので、これは絶対に皆さんの身にも必ず訪れる事態であり、かつ既に開店したお店のSさんにとってはそれこそ喫緊の悩みであることからこれからガッツリ説明しますね。

まずは今私が「今日に至るまで」と言ったように私自身未だにベストな提供をしているつもりもありませんので、私がお伝え出来ることはあくまでもベターなことであることをご了承ください。

この話をするにあたってはそのお店の現在の状態、即ち、開業してどれくらい経つのか、その混雑はあくまでも一時的なことなのか(基本はヒマな時間が多い状態)、曜日や時間により差があるのか、あるいは混雑する日時は予測できるものなのか、などによっても変わってきますが、いったん今回はまさにSさんが直面している(皆さんも必ず経験することになる)「開業当初」という前提で話を進めます(※既に飲食店スタッフの経験があったり現在既に店舗運営されている方にとってはもしかしたら「いや、そこまでは知っている」という話になるかもしれないこともご了承ください)。

それでは重要なことから順を追って述べていきますね。

その1【誠意を持って「時間がかかること」を伝える】

まずは「只今お出しするまでにお時間いただいておりますがよろしいでしょうか?」ということを口頭で明確に伝える。

この際、「え?じゃあいいです」と言って帰ってしまうお客さんがいるかもしれないし「チャンスロスするからあまり言いたくない」と思わないでください。

最も恐れるべきは、「一度来店されたお客様が『二度目はないな』と思われることです。

その2【予め店頭看板もしくはメニューブックに記載しておく】

これはもしかしたら1.より重要というか順番として最初のことですね……、ちなみに珈琲文明のメニューブックには次のような文言を記載しております→「ご注文ごとにサイフォンにて一杯ずつお淹れいたしますので少々お時間いただいております」

その3【混雑札を作る※写真参照】

写真のような「混雑してますので時間かかりますよ」という告知をお客様が入店される前に知らしめる。

これを作る際の注意点として「満席札」にしないことがポイントです。

「満席」というのは全く空席が無い状態を言い、「提供時間がかかる状態」というのは満席でなくても起こり得る話だからです。

また、この「混雑札」を出すことにより、しかもそれが結構頻繁に出る事態となれば「このお店いっつも混雑してて流行ってるんだなぁ」という印象を外部に与えることが出来ます。

※実際は混んでもいないのに出すのはちょっと痛い店になりますが(笑)でも例えば店内はそこそこ空いてても大混雑が去ったあとで洗い物が溜まり洗わないと食器すらないと言った「嵐のあと」みたいな時もありますのでその時はまだ混雑札を引っ込めずに出しておくとよく、仮にお客さんに「混んでないじゃん」と言われたらそのまま正直に「実は食器もカップも洗わないとない状態でして……」と言うと良いです。

まずは今述べた3つの事項を予め準備しておいてください。

そのうえでそれでは具体的な策に行きます。

その4【下準備、セッティングを怠らない】

ここ赤澤メソッドでは「ランチはやらない(もちろんモーニング、いや料理全般NG)」を謳ってるのでオーダーが入ってからの調理は論外として、いくつか予め出来る準備というものがあります。

どうしても料理やランチを出したい、出さないとやっていけない、夫婦で二人体制でやっていくから料理出す、という人もきっといらっしゃるでしょうからその人たちにとっても例えば「ランチプレートにのせるサラダや総菜」はあらかじめトッピングしておくなどはランチを出すお店ならピーク時に必ずやっているはずですのでそれはもちろんやってください。

ここではもう少し赤澤メソッドの営業形態の中で出来る下準備の話をしたいと思います。

まずコーヒーに関する下準備ですが、お店によっては予め豆を挽いておくというところもあるかもしれませんが、個人的にはそれは絶対に嫌でそれはもはやコーヒー屋としてのアイデンティティクライシス(!?)なので私はやりませんがコーヒーが4番バッターでないお店ならそれも有りかもしれませんのでそれは各自で選択してください。

もう少し些細なことで出来る下準備というものがあります。

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開業15年経ってもビジネス書を読み漁るほどカフェ開業研究オタクの赤澤智による開業指南書。実際に営業す…

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