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#33 デニーロの呪縛

俳優「ロバート・デ・ニーロ」。老若男女、誰でも知っているアメリカの名俳優だ。

今日は、「デニーロと私」の話。(別に交流があるわけではありませんが。)

時は、遥か昔、私が学生の頃に遡る。
受験勉強が終わって大学に入学し、時間に余裕ができた私は、これまで(受験で)奪われていた時間を取り戻すかの様に、むさぼるように映画を見まくっていた。

古いもの、新しいものに限らず、誰もが知っている映画、有名な映画、話題になった映画、賞を受賞した映画、そんなものを全く見て来ていないということに気づいて、怖くなったのだ。

埋めなければ、この欠落を、

と。

何かを取り戻すかのように、毎日毎日レンタルビデオ屋に通っては、次から次へと見まくった。

その後、何十年も自分に影響を与えてしまう映画に出会ってしまうことも知らずに・・・


そしてそれは、突然やって来た。

これである ↓

『タクシードライバー』(原題: Taxi Driver)[1976年:米]
監督:マーティン・スコセッシ
主演:ロバート・デ・ニーロ

ネタバレを避けて、Yahoo映画の解説の部分を見てざくっと書くが、ニューヨークの夜を走るひとりのタクシードライバー(デニーロ)が突然モヒカンにして、大量殺人をするというもの。現代都市に潜む狂気と混乱を描き出した傑作とのこと。

アカデミー賞4部門でノミネート、カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞してしている。

1976年の作品で、“ 今にも通ずるような ”、当時の出来上がってきた成熟し、都市化した社会の抱える闇や雰囲気を示唆、警告するような社会派な映画だった。

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見終わった後、衝撃を受け、思うところあって、東急ハンズにポスターを買いに行った。

映画の中で、豹変する前のノーマルなデニーロではなく、モヒカンデニーロを買った。

こんなの ↓

一人暮らしの小さな部屋に眼光鋭いデニーロのポスターを貼る。

デニーロの演技はとても素晴らしく、また若くてかっこいい。
私が映画を観た当時、映画公開からは20年以上経っていた。なので、当時もデニーロ若い!と思ったものだ。

が、別にアイドルのポスターを貼るような感覚でポスターを貼ったわけではなかった。


デニーロの演技には、リアリティがあった。

先ほど “ 今にも通ずるような ” 社会の抱える闇や雰囲気を示唆、警告するような映画。

その中で、デニーロがこんなセリフを吐く。

仕事が人生になっちまう。

そのシーンも、英語も、ことばの抑揚も、シチュエーションも全く思い出せないが、このことばだけが強く心に残った。刻まれたといってもいいかもしれない。

そして、当時、まだ学生でこれから社会にでるという時点で、私はこう思ったのだった。

ならば、仕事は絶対にやりたいことをやろう。

デニーロのセリフへのアンサーワードともいうべきこの思いを、かたく心に誓ったのであった。ポスターを買いに走ったのもそんな意気込みからであった。

そしてその後、私はその思いを常に北極星のごとく指標としながら、社会という海へ漕ぎ出すこととなる。

北極星は常にブレることなく、動くことなく、私を導き、照らしてくれた。

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社会に出てからの何十年、転職もしたりしたが、常に指標はひとつ。

やりたいことかどうか。

お陰で、これまで好きなこと、やりたいことをやり、ご飯を食べれてきたと思う。

名付けるなら

デニーロの呪縛。(いい意味で)


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(おまけ)

今観たらまた捉え方が違うのかも知れない。
デニーロ、そんな感じでそんなセリフ言ってなかったりして(笑)

たまに、また観なおしたいなんて思うのだが、北極星が消えたら嫌だなーなんて思って未だに観れずにいるのであった。そういう意味でもデニーロの呪縛なのであった。

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