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サルサ+ソウル=サルソウル

以前、ブーガルーについて書いた記事で、1曲だけご紹介したジョー・バターン(Joe Bataan)ですが、時代がブーガルーからサルサに移っても、活躍を続けていました。

ただ、ブーガルーに比べ、ソウル色がやや薄らいだサルサには飽き足らぬものを感じていたのか、1970年代によりソウル色を濃くしたサルサ、”サルソウル(Salsoul)”という音楽を提案します。
このジョー・バターンによるサルソウルがめっちゃカッコいいんです!!

ジョー・バターンは1942年生まれ。
父親はフィリピン人で、母親は黒人で、1975年の名盤のタイトルにもなっているように、混血のアフロフィリピーノです。
アメリカにおけるラテン音楽のメッカの一つ、ニューヨークで育ち、地元のプエルトリコ人達によるギャングを率いていました。
プエルトリコ人達によるブーガルー・ブームに乗って1960年代半ばにデビューして以降は、音楽に専念しています。

そんなジョー・バターンが1973年に出したアルバムが、その名も「Salsoul」です。
ジョー・バターンはピアノも弾いているようで、インストの曲もちょこちょこ入っています。このアルバムからご紹介する「Latin Strut」もそんなインスト曲です!

続いて1975年には、これまたその名も「Afrofilipino」というアルバムを出しており、特にこのアルバムはカッコいい曲のオンパレードです!

レコードでいうとA面(はじめ6曲)はニューヨークのミュージシャン達とのニューヨーク録音で、B面(あと3曲)はロサンゼルスのミュージシャン達とのロサンゼルス録音になっています。
ニューヨーク録音には、ゴードン・エドワーズ(ベース)、リチャード・ティー(キーボード)、コーネル・デュプリー(ギター)といった後にスタッフ(Stuff)を結成することになる腕利きミュージシャン達が参加しています。

まずは、アルバム1曲目の「Chico and the Man (Main Theme)」を!

流れるような演奏に、魂(ソウル)のこもった歌唱、最高ですね!!
この曲は、イーストLAを舞台にした人気テレビドラマの主題歌カバーであり、そのため、ロサンゼルス周辺のチカーノ(メキシコ系アメリカ人)からも大人気だそうです。
なんといってもカッコいいですもんね!

続いて、アルバム2曲目、ギル・スコット・ヘロン(Gilbert Scott-Heron)の名曲「The Bottle」のインスト・カバーを!
あえてインストってのが、にくいですね~

さらに、アルバム3曲目の「X-Rated Symphony」を!

アルバム4曲目は、「Laughing and Crying」です!

あまりにもカッコいい曲が続くので、このままではアルバム丸々をご紹介していまいそうです(笑)。

後半のロサンゼルス録音から、あと1曲だけご紹介しようと思います。
俺は普通の男だよと優しく歌う「Ordinary Guy」です。

元、ギャングのリーダーが普通の男とはなかなか思いにくいですが(笑)、アフロフィリピーノという出自から苦労をして成長されたのが偲ばれます。
本当に声に温かみがありますね…

この「Afrofilipino」に興味を持たれたら、ぜひアルバム全曲を聴いてみてください!
なんど聴いてもグッとくる最高のアルバムです!!

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