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万物は流転する「もののあはれ」

文学ラジオ第50回の紹介本
「もののあはれ」
ケンリュウ 著
古沢嘉通 訳
ハヤカワ文庫

SF作家ケン・リュウの短篇傑作集2。今年6月に公開された映画「Arc」の原作「円弧(アーク)」、表題作「もののあはれ」、「良い狩りを」の三作品をラジオで紹介しています。ジャンルはSFですが、小説を通じて人間を描いているので、文学好きにも読んでもらいたい一冊です。「もののあはれ」から始まる短編集には、命あるあらゆるものが儚く思える、びっくりするくらい想像力豊かな物語が待っています。

「円弧(アーク)」では映画と小説のそれぞれの感想を話しています。不老不死がテーマとなる作品ですが、石川慶監の映画もおもしろくて、寺島しのぶさんと小林薫さんの存在感がすごくいのと、ボディ=ワークスで作られる死体の芸術作品が見どころでした。「死のない人生は変化のない人生というのは、真実じゃない」というセリフが作中に出てきますが、不老不死を通じて人生の在り方を考えさせられる作品でした。

本書のあらすじ
巨大小惑星の地球への衝突が迫るなか、人類は世代宇宙船に選抜された人々を乗せてはるか宇宙へ送り出した。宇宙船が危機的状況に陥ったとき、日本人乗組員の清水大翔は「万物は流転する」という父の教えを回想し、ある決断をする。ヒューゴー賞受賞作「もののあはれ」、少年妖怪退治師と妖狐の少女の交流を描くスチームパンク妖怪譚「良い狩りを」など、第一短篇集である単行本版『紙の動物園』から8篇を収録した傑作集。

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