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「ひとりだけのカフェ空間」を楽しむための10アイテム

新型コロナウイルス感染の収束が見通せない中で、外出を控える生活スタイルが継続中の方も多いことでしょう。カフェや喫茶店で飲み物を飲みながらのんびり時間を過ごす、といった楽しみから縁遠くなっているかもしれません。カフェ、特に中東のカフェが好きな私は、外に行かずに心地よい時間を過ごす方法はないかと考え、「ひとりだけのカフェ空間」を構築する試みを始めてみました。これも、一種「新しい生活様式」なのかもしれません。私の場合、中東のカフェですが、みなさんは、それぞれの趣味・嗜好で、「自分だけのカフェ空間」を作ってみる、というのはどうでしょう。このエントリーが、そうした試みの手かがりになり、気詰まりになりがちな生活の中で、楽しみが少しでも増えたなら、これほどうれしいことはありません。そのヒントになるかも知れない、「ひとりだけのカフェ空間」に必要なアイテムを10に分類して順に紹介していきたいと思います。

①工芸品

「カフェ空間」といっても、ひと部屋をまるまる使って、インテリアも変更する、といったことは到底無理という人が大多数でしょう。私もそうです。そこで、部屋の一角のせまい空間を利用することにしました。背面には、大きめの本棚を置きました。

そこにお気に入りの工芸品や本などを置くとと、けっこう雰囲気が出てきます。この本棚は、オンライン飲み会の背景にもなります。先日、この本棚をバックにオンライン飲み会に参加したところ、他の参加者から、「棚にある写真集は何? その置物は何?」などと質問を受けたりしました。ちょっと目立つ、みんなに気になる形のものを置いてコミュニケーションのきっかけになること請け合いです。ちなみに、本棚の横の壁にかけているのが、イスラム教聖地メッカに巡礼した友人からおみやげにもらった「のれん」、イスにかけているのは、イラン・イスファハンで買ったペルシャ絨毯(じゅうたん)、その横の小さなテーブルは、エジプトみやげのテーブルです。

本棚には、上の写真ほど立派ではないですが、イランの伝統工芸品の「ミーナカーリー」を飾りました。

上はトルコ・イスタンブールで撮影したものですが、寄木細工もひとつ飾ってみました。国や地域の歴史・文化が凝縮された工芸品は、カフェ空間の雰囲気作りに欠かせないものといえるかも知りません。

②飲み物をいれる道具

カフェですから、飲み物はもちろん重要です。私の場合、中東のカフェ空間を目指す訳ですから、中東で飲んだものに近いものをなるべく作りたいものです。

中東のカフェに欠かせないのがいわゆる「トルココーヒー」。極細挽きのコーヒー豆を、ジェズベなどと呼ばれる小鍋をくつくつ煮て作ります。ジェズベも持っていて(本棚に飾ってあります)、たまに使いますが、おいしくいれるには熟練の技が必要。そのため、普段は、トルコ家電メーカー製の「トルココーヒーメーカー」を使うことが多いです。上部の皿にコーヒーを入れ、ボタンを押すと、背面のタンクからお湯が供給され、どろっととした、あのトルココーヒーがカップに注がれます。味もなかなかです。

③飲み物

トルココーヒーの豆は、極細に挽く必要がありますが、いわゆる挽き売りのコーヒー豆店に頼めば、やってくれることが多いです。ただし、エスプレッソ用よりもさらに細かく挽いてもらう必要があり、全ての店が対応してくれるとは限りませんので、事前に店に聞いてみたほうがいいと思います。

中東でお茶というと、紅茶が一般的ですが、私は最近、ミントティーを好んで飲んでいます。現在住んでいる岩手県で、手頃な値段の乾燥ミントを見つけたこともあり、これをトルコ式のチャイグラスにそのまま入れ、お湯を注いで飲んでいます。

最近、プランターでミントの栽培を始めたので、夏ごろには、生のミント葉をふんだんに入れたお茶をイヤというほど飲めるようになると思います。

中東では一般的とはいえないかも知れませんが、南アジア式のミルクティーもたまにいれます。特に冬には、体があたたまります。

④カップ

トルココーヒーを飲むときはたいてい、「コセマ」という、モロッコの古都フェズで買った陶器を使っています。

青を基調としたアラベスク文様は、まさに中東っぽい雰囲気が醸し出されます。また、トルココーヒーは、一杯分が60~80ccほどの量なので、日本のおちょこや酒杯もカップも代わりになります。ちょっと気分を変えたいときにはぴったりです。

紅茶はハーブティーには、トルコ式のチャイグラスを使うことが多いです。透明なので、鮮やかなミントの色を見ながら、目でも楽しめます。

ドリップコーヒーをいれることもあります。その時は、エジプトみやげのマグカップを使うことが多いです。

⑤本や写真集

本棚には、本も並べてあります。中東の人々や風景、建物などを写した写真集は、心を中東へと誘います。

⑥中東の酒

先日、中東に関わりのある人たちとのオンライン飲み会があり、中東レバノンのワイン「クロ・ド・カナ」をあけました。下の写真は、トルコ南東部のシリア正教徒が作るワイン「シルーフ」です。

中東のワインを買えるところはいくつかあります。私は、規模は小さくても、歴史や文化に根ざしたワインを輸入・販売している「エインシャント・ワールド」さんから買うことが多いです。

「クロ・ド・カナ」も「シルーフ」も、日本に輸入しているのは「エインシャント・ワールド」さんだけです。

中東のお酒というは、ぶどうやナツメヤシを原料にした蒸留酒「アラク」(ラク)もあります。

日本でも買える銘柄がいくつかあるようです。

⑦中東のお菓子

カフェには、お菓子が欠かせない、という人も多いでしょう。実は、日本で中東式の菓子を扱っている店が、だんだん増えています。前出の「エインシャント・ワールド」さんは最近、バクラヴァというお菓子をイラク北西部モスルから輸入し始めました。

このほか、埼玉県狭山市の「ハセル・フーズ」さんが日本でバクラヴァを作っていて、イベントで提供するため、一度購入したことがあります。なかなかの味でした。

また、ロクムとか、ターキッシュ・ディライトと呼ばれるお菓子を、トルコ・イスタンブールの老舗「ジェミルザデ」から日本に輸入して販売しているトルコ人、オーベンさんという方がいます。

値段は少し張るものの、中東のお菓子を日本で入手することができるようになったことは、日本の中東カフェファンにとっては朗報といえるでしょう。

⑨音楽

カフェには音楽も欠かせないと思います。私の場合、主に、アラブ音楽を聴いています。エジプトのウンム・クルスーム、レバノンのフェイルーズといったレジェンドの歌姫や、イラクの正統派カーゼム・サーヘル、アルジェリアの独特のリズム感がある「ライ」などが好きです。カーゼム・サーヘルについては、以前このnoteにも記事を書いたことがあります。日本でもっと知られて欲しい歌手です。

⑨映画

中東の映画は、イラン映画やアラブ映画を中心に結構いろいろみてきました。今はやりのネット配信でも、過去のものも含めていろいろ見ることができるのでしょう。私は契約していないので、わからないのですが。

以前買ったDVDがけっこういろいろあるので、まずはそれらを初鑑賞したり、見返したりしたいと思います。

最近、日本で公開された中東の映画については、このnoteに、「中東映画パラダイス」というマガジンを開設しています。ご関心のある方は、ぜひのぞいてみてください。

⑩思い出

カフェでゆったりとした時間を過ごすとき、かつて過ごした場所での時間を思い出すことも至福の時間になるかも知れない。その「よりしろ」になるのが、「思い出の品々」。そうしたものも、本棚に並べて、時々見返したりするのもいいかも知れません。

サダム・フセイン時代のイラクで買った切手アルバム、アルジェリアで買った、先住ベルベル人の意匠がほどこされたタジン鍋、パレスチナ自治政府のアラファト議長の肖像画…金銭的な意味で特別価値があるものではないが、ながめていると、さまざまな思い出がよみがえってくる。「ひとりだけのカフェ空間」には、欠かせないものかも知れません。

と、ここまで、自宅カフェ空間を構成する10アイテムを紹介してきました。使えるスペースは人によってさまざまだと思います。中東カフェのことはあまり参考にならないかも知れませんが、みなさんもぜひ、自分の趣味・好みで、「ひとりだけのカフェ空間」を構築してみたらどうでしょう?。これからの「新しい時代」を生きる上での「とまり木」作りに、このエントリーが少しでもお役に立てたらと思います。

おまけ

中東のカフェには、野良猫が居着いているところも結構多いです。猫は、カフェという景色を形作る重要なファクターかも知れません。

上写真は、エジプトからやってきた元捨て猫のヨシミ。結構、気むずかしい猫で、じっと座っていることが難しいので、私の狭いカフェコーナーにじっと座らせるのは難しいかも知れません。でも、機会があれば、オンライン飲み会などの際に、なんとか機嫌をとって、ゲスト出演してもらうことができたらなあ、とも考えています。(おわり)

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