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トルコ・コーヒーはなぜ素晴らしいか2

今年の春から、トルコ・コーヒーを飲むイベントを不定期で開催している。
トルコ・コーヒーは本来、ジェズベと呼ばれる銅や真ちゅう製の小鍋でコーヒーを煮詰めて作る。

けれども、イベントでは電化製品のコーヒーメーカーを使っている。鍋で煮詰めるのは作り手にある程度の熟練が必要だが、私にはそこまでのカンや経験はない。本格的にコーヒーをいれるなら、鍋を熱するため、炭をおこした火鉢も必要になる。

トルコの家電メーカーが発売するコーヒーメーカーの性能の進歩は早く、複数の会社が次々と新製品を出している。エスプレッソメーカーのようなカプセル式のトルコ・コーヒーメーカーもある。

私が買ったトルコ・コーヒーメーカーは、日本のコーヒー豆屋で挽いてもらったコーヒー粉を投入して作ることができる。挽き方は「極細挽き」を使ったほうが、より本場の味に近くなる。当然、豆の種類や焙煎によっても味わいは変わってくるので、その辺の変化を楽しむこともできる。

コーヒーカップは、エスプレッソを入れる「デミタス」がちょうどいい大きさ。好みの器を選ぶのも、楽しみの一つになる。

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トルコのことわざに「1杯のコーヒーに40年の思い出」というものがある。さまざまに解釈ができると思うが、一度いっしょにコーヒーを飲んだだけの関係でも、場合によっては末永い友情を取り結ぶこともある、という意味もあるだろう。トルコの人々の情の深さと、社交ツールとしてのコーヒーの重要性を示しているのではないか。

トルコ語には「ケイフ」という言葉もある。直訳すれば、「楽しみ」「喜び」といった意味だが、もっと深い意味がある。日常の小さな、ささいなことにに喜びを感じ、楽しみを見いだすという、「どんな時でも人生を楽しもう」という価値観。そうしたトルコ人に通底する「生き方」が、ケイフには込められている、とトルコの友人が説明してくれた。


トルコのカフェに行くと、そうした「喜び」「楽しみ」を味わうためにやってきた人々でにぎわっている。コーヒーの味だけでなく、家族・友人などとのおしゃべり、カフェの雰囲気、自然・気象、そうしたカフェをとりまくあらゆる環境が「喜び」や「楽しさ」を作り出している。1人でも多くの人にトルコ・コーヒーを楽しんでもらうことで、トルコだけでなく、日本の社会にも存在しているはずの「ケイフ」を掘り起こしていきたいと思っている。

イベントについての情報は、おもにフェイスブックの「カフェバグダッド」ページに掲載しています。「いいね」やフォローをしていただければ幸いです。


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