CAEエンジニアとして仕事をしていても評価されないのはなぜか

メーカー内部のCAEエンジニアとしてCAEを仕事にしているが、CAEは人により向き不向きがはっきりしている仕事だと思う。特にCAEに魅せられどっぷりとはまる人(変態)とCAEをただの仕事と割り切って行う人(普通の人)に2分される。前者は寝食を忘れて取り憑かれたようにCAEを行っている。多くの人は後者で変態の人を見て自分はそこまでできないと思っているし、変態を見て軽蔑しているようにも思う。これは普通の人がオタクの人を見る目と同じように思う。

しかし、たとえ前者であっても、大半は数値解析作業に魅せられているのであってCAEエンジニアという仕事に魅せられているわけではないように思う。CAEの深い知識を探求し身につけ黙々とCAE作業をこなし高度な解析を実施したとしても、初期値境界値を自らモノづくり現場から見出し設定し、出てきた結果から現場のQCDやモノづくり開発に寄与することが出来なければメーカーでは評価されることはない。そのため、就職や転職で単にCAEができるから、興味あるからという理由だけでCAEエンジニアとして採用試験を受けたとしても30歳以降の採用は難しいと思うし、少なくとも私が採用担当者であったとしたら採用しない。

CAEエンジニアとしてCAE作業がわかっていること・できることは必須条件ではあるし変態的にCAEが好きな方がよいが、それ以上に必要なのは、現場の課題を自ら抽出し、CAEを使って解決できることである。あくまでもCAEをエンジニアリングの道具として使うCAE専門の技術者(CAEエンジニア)であってCAE作業を高度にできる技能者(CAEオペレーター)ではない。
初期値境界値を教えてもらえないと解析できませんとか、物性値をもらえないと解析できません、などというCAEを知らない人からしたら無責任極まりない発言をするような人はただのCAEオペレーターでしかない。

メーカーでCAEを実施している人が評価される/されないの違いはここにある。総合職や技術職で採用されているにも関わらずCAEオペレーターとしての仕事をしていては評価されるはずがない。むしろそれがやりたいのであれば、CAE受託会社やCAE専門の派遣会社、CAEソフトベンダーに行く方がよっぽど高い評価が得られるだろう。メーカー内部でCAEを専任とし、CAEエンジニアとして仕事するのであればCAEをエンジニアリングの道具としてモノづくりに寄与するだけでなく利益をあげて初めて評価される。そのようなCAEエンジニアであればメーカー内部でそれ相応に評価されるし、ジョブホップも可能である。

似たような記事を以前にも書いたのでこちらも参照ください。

また、この記事でも記載しているCAEエンジニアとCAEオペレーターについては下記記事に詳しく書いています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?