見出し画像

人は、なぜ他人を許せないのか?


先日「人は、なぜ他人を許せないのか?」(中野信子著)を読んでみました。
今回はその書籍を自分なりにまとめてみました。

「人は、なぜ他人を許せないのか?」を読んでみようと思った理由2つ

1.私自身が性格的に正義感が強い傾向があり、他人の不正を許せないと思ってしまうことがあるため、どうしたら自分が他人を許せるようになるのか知りたかった

2.時々周りの他人に攻撃されることがあるので、なぜ彼らは攻撃するのか?(他人を許せないのか?)という心理を知りたかった

1度ざっと読んでみた感想

読んでる途中に『これって結局「人は、なぜ他人を許せないのか?」っていう結論って殆ど書いてないんじゃ?』と何度もタイトルを確認してしまいました。

最後にも著者が「解決策はありません」と書いてました(笑)

しかし何度も読み返すととても興味深い内容だったので、この本はするめのような本なんだろうなと再認識しました。

「人は、なぜ他人を許せないのか?」の構成

第1章から第4章まで構成されてて、心理的な面+脳科学的に「人間が他人を許せなくなってしまう」ことを書いてます。

第1章 ネット時代の「正義」ー他人をつるし上げる悦びー

SNSで他人を攻撃する人は以下の欲求がある

・自分の正義の正しさを認めてもらいたい
・誰かを許さないことで自己肯定したい

更にSNSは匿名での利用ができるため、いつでも逃げられる心理があり、攻撃する人にとっては魅力的なツールにうつるようです。

筆者は他人を許せないで攻撃する人のことを「正義中毒」と呼んでいます。
しかし人間である以上「正義中毒」になってしまうことはどうしようもないとも言っています。
(理由は第3章に詳しく書いてあります)

第2章 日本社会の特殊性と「正義」の関係

・日本では議論が難しい(人格攻撃に発展しやすい)

・集団・多数派の意見が日本の「正義」という意識になりがち→他社の意見を取り入れるのが難しい環境、和を乱す者は排除されやすい

・日本は自然災害が多いので団結・集団して生き伸びることが有利

日本は集団と合わせられない人が生きづらく、他国(例でフランス)は自分の意見を持ってないと生きづらい、つまり環境によって何が正しいのかが決まるが、日本では集団=正義と捉える環境ができやすい

第3章 なぜ、人は人を許せなくなってしまうのか

人を許せなくなるのはどうしてか?

・人間の脳は誰かと対立するようにできている
・集団バイアスにより自分の身や財産を守ろうとする本能
・加齢が脳を保守化する
・攻撃すればするほどドーパミンによる快楽が得られるのでやめられなくなる

著者は上記の理由により人を許せないのはある程度は仕方ないと割り切ることが必要だと言っています。

第4章 「正義中毒」から自分を解放する

1.「なぜ、許せないのか?」を客観的に考えてみる(正義中毒の抑制)

・どんな時に許せないと思ってしまうのかを自己認識する
・怒りの感情が沸いたときは一呼吸おく
・他人を許せないと思ってしまうこと=感情や思考のリソースに余裕があると受け止める

2.自分にも他人にも「一貫性」を求めない

3.老けない脳を作るトレーニングをする(前頭前野の「メタ認知」を使う)

・慣れていることをやめて新しい体験をする
・不安定・過酷な環境に身をおく(マインドフルネスも同様の効果がある)
・安易なカテゴライズ、レッテル貼りに逃げない
・余裕を大切にする

4.食事や生活習慣で前頭前野を鍛える

・食事→オメガ3脂肪酸の摂取
・睡眠→睡眠不足は一時的なものでも習慣的なものでも脳にとって良くない、隙間時間を見つけて少しでも睡眠を稼ぐ

「人間は不完全なもの、一貫性がないもの、未完成のもの」と認識することで正義中毒から解放されるのでは?

以上です。

かなり端折って書いたので気になる方はぜひこの本を読んでみてください。
私は老けない脳をトレーニングするの「慣れていることをやめて新しい体験をする」を実践するようになりました(いつもの違う道順で目的地まで行く、普段読まないような書籍を読んでみるなどです)。
新しい発見があって面白いなと感じてます。

最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事が参加している募集

よろしければサポートをお願いします。サポート頂いた資金は勉強や研究費に充てさせていただきます。