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【宮崎】初代天皇の父、ウガヤフキアエズの誕生/鵜戸神宮

ウガヤフキアエズの誕生

トヨタマビメとホオリ(wikipedia)

ある日のこと、天孫ニニギの後継者となった山幸彦こと火遠理命ホオリのもとに、妻であり、海の神ワタツミの娘、豊玉毘売トヨタマビメが、海の国から訪ねてやってきた。

話を聞くと、どうやら、トヨタマビメはホオリの子を身籠ったそうだ。

出産を間近に控え、天津神あまつかみの子孫である以上、海の中で産んではならないと考え、こうして地上までやってきたのだ。


これを聞いたホオリは、すぐさま産屋うぶやを建て始め、産屋の屋根には、の羽根が使われた。
(鵜は安産の守り神であると考えられていた)

しかし、まだ産屋うぶやが完成しないうちに、トヨタマビメは産気づいてしまい、急いで産屋に入るやいなや、ホオリにこう言い渡した。


「海の国では、お産のときには必ず元の姿に戻らなければなりません。ですので、決して、産屋の中を見ないで下さい。」


ところが、ホオリは、トヨタマビメの忠告を無視して、未完成の産屋の壁の隙間から、こっそり中を覗いてしまった。

すると、そこにいたのは、出産のために、苦しみのたうちまわる巨大な和邇(ワニ/鰐鮫の事)の姿だった。

ホオリが覗いていたことに気づいたトヨタマビメは、出産を成し遂げた後、元の姿をみられた恥ずかしさのあまり、子を残して、海の国へ帰ってしまった。


この生まれた子供は、の羽根を使った未完の産屋で生まれたため、鵜草葺不合命ウガヤフキアエズと名付けられた。

地上に子を残して、海の国へ帰ってしまったトヨタマビメだったが、我が子を思う心は変わりなく、妹の玉依毘売命タマヨリビメを遣わし、ウガヤフキアエズを育てさせることにした。


ウガヤフキアエズ(Wikipedia)

こうして、天孫降臨に始まったニニギから、海神の力を得たホオリ、そして、その子、ウガヤフキアエズの三世代は、日向三代ひむかさんだいと呼ばれている。


その後、成長したウガヤフキアエズは、自身の育ての親であり、叔母のタマヨリビメを妻として迎え、四柱の御子を授かった。

四柱の御子はそれぞれ

  • 長男: 五瀬命(イツセ)

  • 二男: 稲氷命(イナヒ)

  • 三男: 御毛沼命(ミケヌ)

  • 四男: 若御毛沼命(ワカミケヌ)

と名付けられた。


このうち、次男・イナヒは、母が育った海の国へ行き、三男・ミケヌは、異国の地へ渡って行った。

そして、物語は、残った長兄と末弟の二柱の神に引き継がれる。

この四男・ワカミケヌこそ、後に、神倭伊波礼琵古命カムヤマトイハレビコと名乗り、初代天皇たる神武天皇となるのであった。

そう、日本国の誕生の始まりである。


古事記~ウガヤフキアエズの誕生~


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【宮崎】
ウガヤフキアエズが生まれた地に建つ
「鵜戸神宮」

鵜戸神宮HPより引用

トヨタマビメがウガヤフキアエズを産んだとされる地に建つ鵜戸神宮は、宮崎県日向灘に面した断崖の中腹、東西38m、南北29m、高さ8.5mの岩窟(海食洞)内に本殿が鎮座している珍しい神社である。
祭神にはウガヤフキアエズを始め、日向三代が祀られている。



近くの星野リゾート施設

【鹿児島】
桜島をはるかに見渡す絶景の湯宿
星野リゾート「界 霧島

「界 霧島」は、天孫降臨ゆかりの地、高千穂峰の中腹に建ち、桜島を見渡す開放的な絶景が広がる温泉旅館。スタッフが神々に扮し、太鼓や神楽鈴を使い天孫降臨の物語を表現した躍動感ある演舞「天孫降臨ENBU」を通年開催。霧島の地ならではの日本神話の世界観に浸ることができるだろう。


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