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週末のレコードと帰郷と震災と身勝手な僕の出来事を聞いてもらおうとこのnoteを書いている

Tシャツを買った
なんとなく、気温が上がってきたからだ

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ヴェルベッツのTシャツを着て、原宿にレコードを買いに行ったら、反対側からヴェルベッツのTシャツを着た人が歩いてきて、すれ違った

お互い、特に気にもせず、別に何も特別なものどはないようにそれぞれの目的地に向かう

このバンドが好きなことは、地元で過ごした10代の頃は、地元の外、都会から通っている友達の影響で、彼があまりにも「普通じゃない」ことを言うので、特別な存在だったのかもしれないけれど、原宿では当たり前なのか、そうか、それが東京なのかと感じながら歩いていたら、次の予定に間に合わなくなりそうになってしまい、電車で帰るという友人を残し、1人外苑からタクシーに乗った

タクシーの中で、同じレコード店にそのうち現れるかもと店員さんに言われていた別の友人に電話をしてみたら、「そうね」だっていうから、夕方、お茶の水の方の中古レコード店で待ち合わせることにした

待ち合わせといっても、別にわざわざ僕たちは会うためにレコード店に行くわけでもなく、普段から行っているから、つまりそれは日常の延長の中に、たまたまお互いの時間が交錯しただけであって、特段むかしから、スペシャルな出来事なわけでもない

僕らは、原宿で同じレコードを買っていた
今日もその前も

インディロックと呼ばれる分野の新譜を、鏡で見ているかのように同じレコードを買っていた
「何買ったの?」という会話がまるで意味がない

だから、中古レコード店では、
なんとなく棚を一緒に見ながら、ゆるくおすすめしたい本やレコードについてしゃべりながら、一周する

僕はモダンジャズについての最近読んだ本を彼にすすめた

そして、エリックドルフィーとアートブレイキーのレコードをなんとなく買った

帰り道、思いついた言葉を連想ゲームのように紡いでいったら、「できないなあ」と思っていた企画書ができた

思わず、同僚に連絡をしてしまった

とりあえずよろこばれた

気がついたら日付は変わっていたので、落語を聴きながら布団に入ったら、次に気が付いた時には陽がのぼっていて、つまり翌日になったので、なんとなくお茶を飲み、外を歩いた

どこかで、読書でもしようかと思って、いつもは旅館に籠るのだけれど、実際は、湯船の中か、移動中、つまりは電車に乗っている時が一番読書が捗ったりもする

じゃあ、答えは1つじゃんと、電車に乗ることにする

人気がいない電車が好きだ

それは、あんまり目的地として人が行かなそうな路線のグリーン車だとか、完全にレジャーを外した時間帯の特急電車だとか

新幹線だと、少し早すぎるので、ローカル線の方ができればいい

思いつきで乗り換え案内をタップすると、伊豆方面よりも地元の方が時間をつぶせそうだってわかったからそのまま特急ひたちに座り込む

車中

見覚えのある風景ばかりだ

それは当たり前で、地元に向かっているからであって、人生で何回この景色をスライドさせながら場所移動したかわからないくらい

水戸に着いて、水戸芸術館で震災から10年に関するアートの展示を見る

あの日、僕は大切な仕事の納品日で責任感と戸惑いの中を過ごした

茨城に住みながら東京に通っていた身としては、いつ帰れるかわからない中での満員の3/12の始発の常磐線に乗った出来事ばかりが思い出されて、
もうくたくたで駅を降りたら奇跡的にタクシーの中に滑り込んで倒れ込むように実家に帰った日の出来事

あの日は、何も考えずにとにかく子供の頃から好きなものだけを手に入るだけ胃袋に入れた

これからどうなるかわからない中で、本能的に、小さな頃から慣れ親しんだ食べ物に僕は依存した

そんなことを思い出しながら、瓦礫と土と新しい草花と、古い思い出が入り混じるであろう、いつか見に行った何もなくなっていた三陸の土地のことを
思い出していたら、友達に会いたくなった

ちょうど、水戸から魚を食べに港の方に行きたいと思っていたので、地元の友達に電話をしてみたら車で迎えに来てくれた

というか呼び出した

最近どう?

別にいつもの

ラジオ聴いてる?

カネコアヤノが今日ゲストだって

と別に22年前に体育の授業で出会ってASHというバンドの話をした時と対して変わらない会話をしながら刺身を食べて、生牡蠣を食べて
周りを見渡しながら東京と地元のことを考えていた

彼は茨城に都内から転勤した身だ

だから、半分が茨城で半分が東京

僕は、茨城を出て行って東京に過ごしている身だ

半分が東京で半分が茨城

なんかみんな楽しそうだった
とにかく目の前で家族や友達と海産物を買って、魚を食べて、タバコを吸って、バイクの話をして釣りをしている
ただ、視界に入る出来事を楽しんでいた

僕は何をしていたんだろうか

そこで震災のことや明日の仕事のことやどうでもいい難しい考えを理屈的に脳内にバァっと広げながらインスタグラムに投稿などをしてみたりして
なんでどこででもできることをしているのだろうと我に返ってしまった

なんか、みんな楽しそうだった

僕も親友と美味しい魚を食べながら過ごして楽しいはずなのに頭はもう東京の自分に戻っていて、だけど身体と時間軸は茨城のままで、そのずれに戸惑っていた

僕はどっちつかずだ

勝手に本を読んでノートに記憶に残る言葉をメモして、なんか文章書いて先のことばかり考えていることをイケてると思いながら特急電車に乗ったのだけれど、目の前のことさえ素直に楽しめなかった僕はなんてカッコ悪いんだろうと思いながらも友達はどうでもよくて楽しい話をたくさんしてくれた

昨日の友達もそうだった

晴れているくせに、雨が降ってきた

急な土砂降りで、もうやることもないので、しばらく友達の運転する車の中で寝て、目が覚めたら駅で、特急券を買って、ひたちに乗り込み、またそのまま本を読むでもなく車窓から流れる景色を見ていた

雨はとっくに止んでいた

天気までどっちつかずかよ

茨城から東京に早く理されているのか、巻き戻されているのかわからないその景色で、釣りに行った川だとかみんなで旅行に行った水族館だとか、初めてブラックバスを釣った場所だとかが見えた

昔の彼女が通っていた工場も見えた

あっという間に上野について、電車を降りて本屋とかお店を見るでもなく、足は家に向いていて、気がついたらパジャマに着替えて、メモ帳にどうでもいいことを書いて、スマホの電源を切って、レコードを聴いている

いつも通りの日曜日の夕方なのだけれど、茨城でJ-Waveを聴くと、辛かったある時期を思い出すから嫌だと言って、友達が聴きたがっていたカネコアヤノの時間を邪魔してしまったくせに、東京では同じ周波数に自宅のラジオで合わせている

なんて身勝手な時間なんだろうと思いながらも、2日間、そんな風になんでもして良さそうな人たちに囲まれたので、まぁ明日からも大丈夫だろうって思いながらもう寝てしまおうと思って明日のスケジュールを確認する

スマホの電源を戻すと、知人から打ち合わせの相談があって、はい 仕事します と時間は一気に東京に早送りされるというか、今の元に戻っただけなので、それは巻き戻しなのか何なのかとも思うけれど、とりあえず明日はしっかり打ち合わせをしようと思います

やることあるだけまだ恵まれています

あと、昨日買ったレコード最高です

もう友達は聴いたのかな


ああ、母の日だったーって覚えてます


新しいzine作るか、旅行行きます。