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僕らが旅に出る理由 - The Journey - 自分の生き方をつくる原体験の旅

自分にとって旅をすることは何なんだろう。そんな答えは曖昧なまま、もう今年、40歳になろうとしている。

旅に出たいと思うきっかけってそれなりにいくつかある。

1.価値観を変えてみたい
強制的に普段の生活とは異なる文化圏の中で暮らしてみることで、価値観も宗教観も哲学も、生き方も異なる人たちの中で生き、
交流することで凝り固まった視野を一度壊してみたい気分になる。
2.純粋に名所に行ってみたい。
これは普通の理由。だって名所、見たいもん。
3.誰かと出会う!?
基本、超簡単な地図と名所ガイドくらいしか持たずに出かけてします。
だって、勇気を出して話しかけてみれば、街中の全てが「ガイドブック」になる。

そんな中、書店で一冊の本を手に取った。

「The Journey - 自分の生き方をつくる原体験の旅」 

四角大輔さんによる1冊で、「旅に出て、人生は本当に「変わるのか?」14人の時代の疾走者の生き方を作った「原体験としての旅のストーリー」を集めた1冊。

今、何でこれを手に取ったかというと、理由は簡単で、「誰かの原体験を知ることで、自分の知らない世界や考え方と人はどう向き合って、
考えて、人生に活かしていけるのか」のあらましを知りたかった。

単なる旅行ではなく、誰かのリアルな体験談から、自分に当てはまる出来事はないのか?そんなこれからの自分に参考となるパーツを探してみたかった。

「原体験」というのは、誰しもが生き方に影響を与える強烈なきっかけとなる。恐らくラジオから流れる聴いた事もない音楽だったり、何も考えないで入ってみた演劇だったり、たまたま隣の席に座ったクラスメイトだったり、意図していない他社との触れ合いから「自分を形作るきっかけ」をもらう事でもあると思っている。

だから、僕は、最近手グセで物事を考えていた視野を変えたくて、この本に興味を持った。

僕にとっての原体験となる旅。それはハタチの時に行ったロンドンだった。
2001年。その時、音楽が大好きだった自分は、THe Strokesというバンドが(フジロックにくるで!)、これまでの概念を一旦リセットするとてもクールなロックンロールで現れて、世界中のロックのあり方を塗り替えていく瞬間を、どうしてもロンドンで体験したかったからだ。

お年玉を貯めていた貯金を全てはたいて、とりあえずライブを見に行った。

もちろん、カッコ良くて、素晴らしいライブだったんだけど、そのステージを見たことだけでは決して価値観が変わる体験ではなかった。

むしろ、会場で出会った人たちとの交流が大きな原体験だった。ライブ以外にも各地をフラフラしてレコード店を巡って店主やバイトと話をしたり、
宿泊先のB&Bの家族と出かけたり、サッカーを見てフーリガンに巻き込まれたり、同年代の芸大に通いながらDJをする子たちに出会ったりして感じたことがあった。

それは「憧れていたロンドンもパリも、実は遠い世界ではなく、同じ土俵で、視野さえきちんと持っていれば、別に東京でもやれるのではないか・・・」だった。

要は、海外にコンプレックスを持つことがなくなり、「現場体験や情報速度は違えど、意識一つで何にも変わらないじゃん」という 心の中で
いつしか勝手に作り出していた、「流行の最先端」というステレオタイプのような考え方を捨て去って、自分の環境でも通用していく可能性が高い。
ということだった。

僕はそこから「自分の生きる道」を明確に探していけることができた。負い目も消えた。

それが僕の人生と旅。

もし、自分の視野を広げるきっかけが欲しいのであれば、この本はとても役立つのではないかと思う。

案内本よりもはるかに、「誰かの現実体験」から、自分に見合った物を探していけば良いから。

最近だと、台湾。高雄に行こうとしたらフライトミスで、台北に急遽成田で変更し、夜中に知らない街に降りたった。1人。

よくわからないままウロウロして、レコード店の前に立っていたら、話しかけられた。よく聞いたら同い年のナンバーガールが大好きな台湾男子。翌日から彼の友人交えてひたすらライブを見まくった。

そして、台北のクラブにDJをしに行くことになったり、東京に来てくれたり、なんだか、外国に「話せる同級生がいた!」みたいな出会いもたくさん生まれた。

そうなると、自分にとっての旅は、新しい価値に出会って、変わらない普遍を確かめるもの!?

なのかな。

そんな出来事を思い出す本との出会いだった。

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