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#26 マンション共用部分の防水工事箇所を覚える

マンションの躯体は自然から専有部分を守る必要があります。
太陽光、紫外線、温度、湿度、風雨を受け止めることが求められます。

今回のテーマは防水です。
修繕工事計画にも関係します。
非常に重要な項目になり、毎年マンション管理士、管理業務主任者の試験に出題されます。
しっかりと覚えてください。

防水箇所

マンション躯体で防水が必要な場所は次の箇所です。

国土交通省の長期修繕計画でも示されている場所になります。

屋上防水
屋根に相当する屋上は雨漏りを防ぐ重要な箇所です。
屋上以外でもサービスバルコニーも屋上と同じです。

外壁防水
外壁は十分説明しましたが、タイル、モルタル、打ちっぱなし、サイディングのいずれの工法でも最終仕上げに防水塗装をします。

ベランダ防水
ベランダは庇の一部です。
床防水の他に排水溝の防水も必要です。
また、ベランダの裏、下階から見るとベランダの天井も防水の必要があります。

共用廊下、階段
室内廊下や階段は躯体内にあるため防水の必要はありませんが、開放系の共用廊下や階段は廊下面と排水溝の防水が必要になります。

鉄部防水
鉄部塗装防水と書くことが多いと思います。
鉄は水に弱く、すぐに錆びます。
そのため、鉄部分は塗装防水が必要になります。

シーリング防水
外壁の目地や廊下の面と排水溝の接続部などに行われる防水塗装です。

マンション内を歩いてみるとわかりますが、シーリング防水は至る所に施工されていることがわかります。

メンブレン防水とシーリング防水の違いを覚える

防水の知識で勘違いしやすいことは、メンブレン防水とシーリング防水の区別を理解していないことです。
「メンブレン」とは面の意味です。
アスファルト防水、シート防水、塗膜防水はすべてメンブレン防水の1つの種類です。
メンブレン防水とは防水する箇所が面である防水のすべてのことです。
これに対してシーリング防水は防水する箇所が線です。
この違いを確実に覚えてください。

メンブレン防水とシーリング防水では覚えることが違う

シーリング防水は至る所で使用されます。
サッシのガラスの固定もシーリング防水です。
覚えることは使用される材料とその特性です。
*シーリング防水の代表は壁の目地です。
皆さんも触って硬さや弾力を確認してください。
劣化するとどのような状態になるかも身近で体験できます。
大切なことはそれを見過ごしてしまうことです。
体験した記憶は忘れません。

メンブレン防水はアスファルト防水、シート防水、塗膜防水が代表的です。
各防水には幾つかの工法があり、採用される工法も用途や環境で異なります。
例えば、屋上防水はすべての防水が利用可能です。

そのため、覚えることが多く、かつフロントやマンション管理になると仕事で良く関わる部分です。
試験のため・・ではなく資格取得後に必ず役立つ知識になります。
面倒でしょうが、必ずに身につけてください。
恐らく、マンション管理士、フロントでもきちんと説明できる人は多くはありません。
分野としては管理会社の営繕の人が詳しい分野です。

では、次回はアスファルト防水から説明します。



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