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管理業務主任者、マン管受験生の設備知識習得マガジン

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マンションの現場を良く知るマンション管理士、管理業務主任者合格者がマンション、フィールドワークを利用した参考書とは違った設備情報の習得方法を提供します。管理業務者、マンション管理…
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管理業務主任者・マンション管理士試験に役立つ資料①

皆さんは管理業務主任者、マンション管理士の試験の設備等の設問がどこから出題されているかを知っていますか。 例えば「共用廊下の照度は?」「エレベーターホールの照度は?」と言った問題です。 そこで、今回は国土交通省が公開している「防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針」を紹介します。 全文を読む必要はありません。 目次に示した項目についてチェックしてください。 きっと役立つはずです。 もちろん、全文を読んで理解を深めることも大切です。 第1 総則 1 目的 この指針は、「共同住宅

管理業務主任者・マンション管理士資格取得者のための/設備③/タイル外壁等の浮きの補修工程(アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法補修)

吹付け外壁の修繕についてはこれまでに説明しました。 今回のテーマはタイル外壁です。 タイルの耐久性は100年とも言われ、タイルそのものが劣化することはあまり考える必要はありません。 タイルで修繕が必要になるケースは 1、躯体の歪等によりタイルにヒビや亀裂が発生する。 2、部分的にタイルの固定面に浮きが発生、落下等の危険がある。 3、施工不良や躯体の影響により、広範囲に浮きが発生、壁の部分的な崩落の危険性がある。 浮きの状況(躯体との距離で判断するケースが多いようです)に

管理業務主任者・マンション管理士資格取得者のための/設備➁/外壁等のヒビの補修工程(Uカット補修)

今回は、ヒビの修繕工事でもっとも汎用的な方法の1つであるUカット修繕について説明します。 マンション等の躯体を形成する鉄筋コンクリートは、硬化後の強度が高く、コンクリートの耐久性は100年とも言われます。 しかし、人間の目にはほとんど変化がないように見えるコンクリートも風雨や太陽光などに晒されることや構造的な力により表面や内部に亀裂が生じることは良くあります。この亀裂がヒビです。 一度、亀裂が発生すると外的要因がコンクリート内部に影響、内部の鉄筋の腐食へつながり、強度の劣化

管理業務主任者・マンション管理士資格取得者のための/設備➀/外壁等の爆裂破損の補修工程(はつり補修)

今回は、修繕工事の1つである外壁等ぬい発生する爆裂破損の補修工程(はつり補修)について説明します。 爆裂破損は、外壁等の表面に発生したヒビ等から染み込んだ水分が内部の鉄筋表面を腐食(錆)させることで、鉄筋の体積が膨張、結果として外壁表面が破損する現象です。 皆さんはポップアップとして認識していることでしょう。 このようなコンクリートの劣化の修繕は破損したコンクリートの周辺を除去した後に修繕を行います。 壁等の爆裂破損の補修工程(はつり補修)1、修繕箇所 マンションの腰壁

#39-防火と耐火って何が違うの?(2)

前回は防火と耐火の違いについて、耐火構造、耐火性能(不燃物の性能)について説明しました。 今回は防火性能です。 防火性能とは 防火は延焼を発生させないための構造(設備)です。 延焼の発生は建物の内部の火災が他の家に燃え移ることです。 耐火構造であれば、家の中に炎を閉じ込めることが出来ますが、隙間があれば炎は表にでます。 そのため、防火性能は開口部と外壁(外側)の性能になります。 *木造の場合、屋根と壁の間には隙間(軒下、軒裏)があります。そのため屋根と壁が一体になっていな

#38-防火と耐火って何が違うの?(1)

建築基準法には防火性能と耐火性能が区別されています。 皆さんも覚えるのが大変ですよ。 まずは、防火と耐火の違いをしっかりと理解しましょう。 防火と耐火の違い 「防火」は延焼から自分の家を守ることです。 防火は周りの火から守る能力のことです。 燃え移るのを防ぐことです。 これに対して「耐火」は自分の家が燃えた時に避難するまでに家が燃え崩れないようにすることです。 耐火は火災による家の倒壊を守る能力のことで、家の燃えにくさになります。 さらに家は燃えにくければ、他の家に火を

No-40 ピロティー構造を知る

1階部分を複数の柱で支え、その上に住居部分を建てるピロティー構造のマンションは、敷地の確保が難しい都市部ではよく見かけるマンションの形態です。 駐車場や駐輪場として利用価値が高く、雨風を防げる利点も多くピロティー構造を一部採用するマンションを含めるとすぐに見つけることができます。 一方でピロティー構造は地震に弱いと言われます。 その理由のひとつが構造壁の面積が少ないことです。 躯体の重量を柱だけで支える構造は、地震には弱くそのため、補強に関する試験問題が度々、出題されて

No-36 マンションへの給水システムの覚え方(2) 水道直結方式

水道直結方式は現在の給水システムの主流です。 特長は受水槽を持たない給水システム。 大きく2つに分類されます。 1、直結給水方式 2、増圧直結給水方式 それぞれの方式で覚えるポイントは次のようになります。 1、直結給水方式について水道管本管➡水道管枝管➡メーター➡水栓が基本です。 枝管の水圧を利用して各戸の水栓に水を供給する方式です。 通常3階程度までで採用され、戸建住宅に多くみられます。 設備費や維持管理費が安く、停電による断水の心配はありません。 マンションで利用

No-35 マンションへの給水システムの覚え方(1)

給水システムは試験では出題率が高く、名称も似ていることもあり苦手な人も多いはずです。 しかし、暗記ではなく理論的に覚えるとそれほど難しくなく、その上、合格後の実務でかなり役立ちます。 是非、覚えてください。 地下を通る水道本管 日本の上水道(飲料水)は整備されていますが、そのほとんどは地下に埋められています。 水道の区分けを理解する 水道管は本管は水道局が管理しますが、枝管以降はマンション管理組合の資産になります。 しかし、敷地外で漏水が発生した時は、水道局が修復を行いま

No-34 高所受水槽で覚えるポイントは何?

#33の追加情報です。 受水槽追加情報受水槽容量の算定方法について 1)使用人員から算出する場合1人1日当たり使用水量×使用人員 2)使用人員が把握できない場合単位床面積当たり使用水量×延床面積 3)その他使用実績等による積算受水槽容量は、計画一日使用水量の4/10~6/10程度が標準 1人1日当たり使用水量=約200リッター マンションの設計段階ではファミリータイプは4名、ワンルームは1名で計算している例が多いようです。 ただし、最近は受水槽がない直結直圧方式が主流

No-33 受水槽で覚えるポイントは何?

専有水道、簡易専有水道で利用される受水(貯水)槽ですが、受水槽の構造要件は建築基準法で定められています。 試験でも比較的よく出題される設備です。 正しく、覚えて確実に点数に結び付けましょう。 六面点検が基本 受水槽は以前は地下に設置されていましたが、改訂で6面(上下左右前後)点検が出来ることが設置要件になりました。 各壁面から60㎝以上の保守空間の設置義務もあります。 要は、各床壁から60cm以上、離して設置することです。 天井からは100㎝以上離して設置することです。

No-32 水道法を理解する(2)

前回の説明で専有水道と簡易専用水道の違いは理解できましたか? ポイントは簡易専用水道は水道局の水以外は使用が出来ないことです。 これを前提に、貯水槽が10㎥を超えることが条件になります。 直結直圧給水の水道はどっち でも、皆さんは疑問に感じませんか。 最近、主流になっている直結直圧給水方法は専用水道、それとも簡易専用水道・・・のどっちか。 戸建てでは貯水槽はなく、ほとんどは直結直圧給水方法ですよね。 皆さんは勘違いをしています。 専用水道、簡易専用水道は貯水槽を前提に

No-31 水道法を理解する(1)

ライフラインでもっとも重要な水。 マンションにも不可欠な設備になります。 設備の前に、水道法をマスターしましょう。 水道法は何か?簡単に言えば利用者の安全を確保するために行政、水道事業者を規制する法律です。 では、元々の「水道」って何?と言う話ですが、導管を用いて飲料に適する水を供給する設備全体の事です。 ただし、供給する人の数によって分類されます。 供給者数で分類される水道事業 水道には供給する人が不特定と自家用に大きく分かれます。 これ以外に水源を管理する水道事業

No-30 長期修繕計画と設備の知識はリンクさせて覚える

管理業務主任やマンション管理士の資格を取得すると実務で必要になる設備の修繕です。 特に老朽化と住民の生活環境の維持のため必要な修繕については国土交通省がガイドラインを示す長期修繕計画が重要になります。 受験生は「大規模修繕工事」と覚えますけど、大規模修繕工事と言う言葉の定義はありません。 マンション管理士の認識は足場を建て長期間にわたり住民生活に影響を及ぼす工事を「大規模修繕工事」と捉えています。 長期修繕計画は、国土交通省のガイドラインで示されています。 特に様式4-1