見出し画像

地域みらい留学を知る機会が広がってほしい|地域みらい留学生保護者インタビュー

■手島 玲子(てしま れいこ)さんプロフィール
東京都文京区出身、在住。自身は私立の一貫校で中高時代を過ごした。夫は地元の小学校の同級生。家族は夫、長男、次男、猫1匹。
長男が地域みらい留学で島根県立吉賀高校へ進学。


私自身が面白そうだと感じた「地域みらい留学」

息子が区立中学2年生の3学期、そろそろ高校受験の話が出る頃に、私がたまたまインターネットで「地域みらい留学」の広告を目にしました。面白い取組みだなと感じたので、息子にも「今度オンライン説明会があるんだけど、どう?」と紹介しました。

息子は都会で生まれ育ち、便利が当たり前という生活を送ってきた子です。その時点で具体的な進路の展望ややりたいこともなさそうに見受けられたので声をかけてみたのですが、興味を持ち「参加してみようかな」とオンライン説明会への参加を決めました。

都会と正反対の生活でもやっていけるだろう

説明会への参加を決めたはよいものの、息子はまだ地域みらい留学を知ったばかりで、具体的にどの学校が合うのかよくわからない状況。そこで70校あまりの地域みらい留学校のうち、島根県は国内留学のパイオニアで留学生の受入が多く、親としても経験豊富な地域のほうが安心だからと島根県内の学校から探すことを勧めてみました。

ガイドブックを読み込み、何校か目星をつけ、説明会を聞いて気になった2校に絞ったようです。父親と息子で夏休みにオープンスクールや見学に行き、私は留学経験者の保護者の話も聴いて、最終的に本人が「吉賀高校は寮がきれいで環境もよさそう」と吉賀高校の受験を決めました。

正直、現在の生活とは正反対の田舎に行って「なんかいいな」と息子が言ったのは意外でした。のびのびとした自然豊かな環境で、少人数で学ぶのは、本人にとってなにか惹かれるものがあったのだと思います。息子は良くも悪くもこだわりがなく、温厚な性格。きっと地域にも受け入れてもらえるだろう、寮で食事も出るんだったら生活が破綻することはないだろうと送り出しました。

自立心が養われた高校生活

留学生活を通じて、息子はしっかりしたなと感じます。具体的なことでいえば、親がお膳立てしなくても東京から吉賀に行くために新幹線やバスのチケットも自分で調べて購入し、一人で行き来するようになりました。また、副次的ですが寮での食生活が整っており、健康的な身体にもなりました。掃除洗濯をやりながら高校生活を送っているなんて、私の高校時代を振り返ってみるとえらいなと感心します。

早いもので息子は高校3年生になり、現在は大学進学に向けての準備に取り組んでいます。大学も東京ではなく地方の学校を志望しており、すっかり親から離れて生活する快適さを覚えてしまったようです。これも地域みらい留学で培った自立心のなせる技でしょう。我が家の息子にとってはやはりいい経験だったのだと感じています。

地域みらい留学を知る機会が広がってほしい

「塾に通うのが当たり前」「高学歴の親が多く、子どもは中学受験が当たり前」の地域に暮らしながら、こういうのが日本の当たり前だと我が子が思ってしまうのはいやだな、という思いが私の中にはありました。

同世代の親御さんたちからは「よく送り出したね」「そんなのあったんだ」という声をよく聞きます。高校時代の国内留学は珍しいとは思いますが、もっとこういう選択肢があることを知る機会が広がるといいなと思います。

編集後記
手島さんに最初にお話を伺ったのは1年ほど前。島根県の高校に留学した息子さんに私は直接お会いしたことはありませんが、手島さんのお話ぶりから充実した高校生活を送っていらっしゃる様子が目に浮かびました。
「地域みらい留学を知る機会が広がってほしい」という手島さんのご期待を叶えるべく、このようなインタビューを通して地域みらい留学の魅力の発信を続けていきます。(インタビュー&ライティング 黒谷直子)


地域みらい留学とは?

地域みらい留学は、140校を超える日本各地にある魅力的な公立高校の中から、住んでいる都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった高校を選択し、高校3年間をその地域で過ごす国内進学プログラムです。
地域みらい留学公式サイト

地域みらい留学をはじめとする様々な取組みによって、意志ある若者にあふれる持続可能な地域・社会の実現を目指す地域・教育魅力化プラットフォーム。私たちの活動はご寄付で応援してくださる皆さまとの共創によって継続ができています。

佐賀県のふるさと納税NPO支援の仕組みにより、ふるさと納税(寄附)をすることで、寄附額の85%を地域みらい留学等の活動に活用させていただき、お礼の品として佐賀県の魅力的な特産品をお届けします。この機会にふるさと納税で活動を応援する仲間になりませんか?

ご寄付くださった方にはメールマガジンや冊子による活動報告をお届けし、弊財団主催の報告会等のイベントにご招待いたします。


いいなと思ったら応援しよう!