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高校生活での学びを通じ、今はやりたいことしか、やっていない!|地域みらい留学経験者インタビュー

地域みらい留学によって神奈川県から新潟県の高校に進学した齋藤純沙希さん。地域みらい留学によって得た経験を振り返ってもらいました。

■齋藤 純沙希(さいとう みさき)さんプロフィール
神奈川県川崎市出身
勉強が苦手で自信がない自分を変えたいと思い、発言しやすく、先生にも質問がしやすそうな少人数の学校を探すうちに新潟県立阿賀黎明高校(以下、阿賀黎明高校)に出会う。町の人と学校の先生たちがつくってくれる楽しい雰囲気に惹かれ留学を決意。高校2年次には地元生-留学生の壁や、学年の壁を取り払いたいと生徒会長を務める。現在は肌の弱い人でも使えて、廃棄する上で有害物質が発生しない化粧品を作りたいと東京の大学で学ぶ。


地域みらい留学の決め手は校長先生

「こう見えて人見知り」。インタビューで話す齋藤さんからは想像もできない言葉でした。本人いわく、初めての人には緊張してしまって、歓迎してくれても乗り気にはなれないタイプだとか。
そんな思いを持ちながら見学に訪れた阿賀黎明高校。ここでは毎朝校長先生が校内で掃除機をかけている。掃除機の音が聞こえたら校長先生に挨拶しにいく。先生からも「おー!」と朗らかな返事が。中学生までに出会った中で、そんな大人はいなかった…。「大人が楽しんでいる!こんな学校なら通ってみたい!」と思った瞬間だったそうです。

人見知りだったとは思えない、笑顔が素敵な純沙希さん(写真提供:純沙希さん)

ハウスマスターはお姉ちゃん!?

阿賀黎明高校への留学を決めたものの、寮の中を見学しないままだったので、初日はワクワクしながら入寮。寮生のお世話をしてくれるハウスマスターや寮生達と簡単な挨拶を終え、少しの会話。それだけで、「いい人すぎて楽しみ!施設もきれいで楽しみ!」とモチベーションも上がりました。
入寮後、最初のころはハウスマスターが自分の食器も洗ってくれていましたが、忙しそうな様子を見て純沙希さんも自然と手伝うように。お菓子や紅茶を囲んでお茶会をしたりするなかで、ハウスマスター、寮生がお互いのことをよく知る仲になっていきます。ハウスマスター自身が辛かった過去の話を聞いたりするようになり、寮は高校生活の中で一番落ち着く場所になっていきました。

ハウスマスターがいなかったら?と聞いてみたところ「どうしていいかわからず荒ぶっていたとおもう(笑)、精神的に追い詰められることがあったら、最悪、学校を辞めていたかもしれない。」とハウスマスターへの信頼と感謝を語ってくれました。

寮生とハウスマスターの集合写真(写真提供:純沙希さん)

苦手な相手でも話し合う!自分が変わる!

留学をして一番変わったのは同級生の数。都会にいた中学までは人数も多く、自分と合う人を探せばよかったけれど、留学先の阿賀黎明高校の同級生は約20人。悩みごとは、やはり人間関係でした。一緒にいる期間が長くなるとグループに分かれたりするものの、それ自体はどこの学校でも同じ。違うのは苦手な友達とも卒業まで残りの期間を一緒に過ごすこと。だからこそ、苦手だといって離れるのではなく「こういう接し方をしたらいいかな?」と考えるようになりました。

考え方が変わるきっかけがあったのは1年生の2学期のころ。クラスメイトとの関係性が崩れて、純沙希さんは学校に行きたくない時期がありました。お互いに嫌な面もみえてきて関係性が良くなくなってしまった。人数が少ない中では、性格が合わない相手とも話し合いで解決するしかない。そんな時、自分だけが頑張るのではなく、「どうしたの?」と声をかけてくる先生や同級生がいたことも大きかったそうです。先生がお互いの意見を聞いて話し合う場を設けてくれ、お互いの思うことを出し合って解決の道を見つけることができました。

この”大イベント”を経験したからこそ、「自分でもここが悪いと気づくことは、素直に直したいと思うようになり、そうすることでお互いがつきあいやすくなるかもと考えるようになった」と純沙希さんは言います。そんな時期を乗り越えたあとは苦手だった同級生とも、「移動教室に一緒にいこう」と言える関係になったと笑顔で話してくれました。

自分の心との付き合い方に気付いた

人に合わせないと行動できず、誰かと一緒に行動しないと寂しいと思っていた中学時代。しかし、留学をしてそれではダメだと純沙希さんは気付きます。

「他人に合わせると自分がやりたいことができず後々後悔すると気付きました。寂しくても自分がやりたいことがあればやろうと思うようになりました。」

大学生になった今、もちろんひとりで行動する時に不安を感じることはあります。それでも自分がされたら嫌なことは、他人にはしないと心がけて、断るときは、自分の思いを優先しつつ、気を遣ったりもできるようになりました。例えば、お昼を一緒に買いに行って食べようよ、という同級生の誘いにも「今日は弁当があるからいいや」と言えるし、夕ご飯に誘われても「今日は早く課題やりたいからやめとくね」と伝えられる。

高校生活を通じて、自分が何をしたいかを自分に問う習慣ができたと言う純沙希さんは、校長先生やハウスマスター、町の人たちなど周りの人たちが環境をつくってくれたからこそ、自ら学んで、自分で環境がつくれるようになりました。
「今はやりたいことしかやっていない」し、「自分の心との付き合いかたに気付いた」。地域みらい留学を通じて得られたこの2つの思いがあれば、いつでも幸せであると感じられるのだそうです。
「毎日ポジティブで幸せに生きていることって、なかなかすごいことだなって感じる!」と目を輝かせて話す純沙希さんに、毎日のイキイキした生活が垣間見えました。

卒業式、お世話になった町の人たちと(写真提供:純沙希さん)

高校生活の思い出を伺うと、「よく尋ねられるけど、高校3年間は毎日が印象的。学校ではクラスメイトと関わること、寮はハウスマスターや寮生と関わること、どれかひとつに絞ることができない。地域みらい留学で体験したすべてが印象的!」との返事。
高校時代は遥か昔になってしまったけど、純沙希さんのように毎日が印象的!と言える生活を心がけようと思いました。…まずは、週に1度の印象的な出来事を探すところから始めてみます。(インタビュー&ライティング 黒谷直子)


地域みらい留学とは?

地域みらい留学は、140校を超える日本各地にある魅力的な公立高校の中から、住んでいる都道府県の枠を超えて、自分の興味関心にあった高校を選択し、高校3年間をその地域で過ごす国内進学プログラムです。
地域みらい留学公式サイト

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