大増殖天使のキス ♯毎週ショートショートnote
「ねぇ、ちょっと天使多過ぎじゃない?」
天界の女王が大天使フザケルに言った。
居城の下には、約3000人もの天使が集まっている。
「はい。王女の目覚めの為には天使のキスが必要だと呼び掛けたら、この有様で」
「そもそも天使ってこんなにいないわよね」
「はい。在籍数は300名弱です」
「…。じゃあなんでこんなに増殖してるの?あの辺で天使コスプレ撮影会やってる女とか、あっちなんてドンキかネットで買ったヤツでしょ。ハロウィンじゃないのよ」
「申し訳ございません」
「冗談じゃないわ!で、どうやって一人決めるの?」
「抽選をば…」
「全員で?」
「はい」
「…、アンタ堕ちたいの?あのコスプレ野郎になるかも知れないじゃない!」
「ハッ!考えもしませんでしたっ!ヒッ」
バチーンッ!
乾いた音が天界に響いた。
「で、アタシの時は何人集まったの?」
「さ…3名…ヒッ」
バチーンッ!
「いや、それは私のせいでは…」
バチーンッ!
激しいビンタの音で、王女はめでたく目覚めたそうな。
おしまい
↓こちらに参加。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?