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「第2回サツドラ・ナレッジ・シェアリング」1回目講義開催レポート

noteをご覧のみなさんこんにちは。
サツドラホールディングス アートディレクターの木村です。

▼初めて投稿した記事はこちら

今回は先日告知させていただいた弊社主催のリカレント教育イベント、
「第2回サツドラ・ナレッジ・シェアリング」1回目講義開催レポートをお送り致します。

※サツドラ・ナレッジ・シェアリングとは…
リカレント教育を目的とするサツドラホールディングス主催の
完全オンライン公開講座。
多種多様な価値観や考え方、ものの見方をお伝えするため、
千差万別、あらゆるジャンルから講師の方をお招きし、
セミナーを行っていく予定。

1回目講義「ロボットってそもそも何?」

先月の19日土曜日に行われた1回目講義。

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講師の工藤さまの自己紹介もそこそこに、まず最初に
「人型ロボットに対するイメージ」は何か、というテーマからスタートします。

そこから「ロボット」という言葉が世に出てきた初めの文学作品カレル・チャペック作「ロボット」の紹介と解説をはさみ(なんと1920年すでに「アンドロイド」というものが出現するそう!)、いわゆる私達が「ロボット」というものに抱きがちなネガティブイメージ「ロボットが人間に対して反乱を起こす」というものがどこから来るのか、を紐解いていきます。

すると、じつはその根底にあるものとは、「人間自身の『生まれ変わり』への希求」が存在するのだ、という事実。

つまり「ロボットそのもの」が問題というよりは、
むしろロボットを通して「人間そのものの不完全さ」を見出し、
それを下敷きに人間自身を新たな完全な生命体への進化の希望を表現している、と結論付けました。

次のテーマは「ネオ・ラッダイト運動」の意味は?というもの。
正直あまり聞き慣れない言葉ですが、18世紀後半〜19世紀初頭にかけての
イギリス、ノッティンガム周辺にて巻き起こった機械製品に反対する運動である「ラッダイト運動」になぞらえて、現代におけるハイテク、デジタル技術の進化が「個人の雇用機会の喪失に繋がる恐れがあるので、その開発を阻止し利用を控えよう」という考え方のこと。

確かにその可能性は否定出来ませんが、そもそも「ラッダイト運動」と
「ネオ・ラッダイト運動」は前提条件が違うので同列に語ることはできないし、問題はそこにあるのではなく、底流にあるのは「デジタル技術の導入による社会システムの変容に対応出来ないのではないか」という不安

しかし一方でコンビニの無人レジなど、現実的にはハイテク・デジタル技術によるロボットが人間の役割を果たす場面が増えています。なので結局は「ネオ・ラッダイト運動」というものはハイテク・デジタル技術をある程度許容しながらも総体として自然を取り戻そうという運動にならざるを得ません。

そこで問題になってくるのが「自然とはなにか」「人間は自然存在なのか」ということ。ここからいよいよ話は佳境へ入っていきます。

からくり人形からナノボットへ、そして現代のテクノロジーはサイボーグ技術による身体の修復を可能にし、そこから身体拡張とナノボットを併用することで未来の姿が見えてきます。それは単純に身体機能が改善されるだけではなく、「外部のネットワークと連結」されることでの飛躍的な能力の向上です。

レイ・カーツワイルの著したシンギュラリティ(技術的特異点)の簡単な解説をはさみ、話題はシンギュラリティの先にあると思われる人間2.0/3.0とは何か、というテーマへ。
それはいわゆる「生物学的進化」ではなく「技術的進化」、つまり上記で触れた身体内部への機械の組み込みによる能力の拡張ほかならないわけですが、一方で極めて重要なのが「意志がどう扱われるのか」という問題です。

すなわちそれはこれから現実化するであろう「人間的な知能をもつ機械」とのコミュニケーションが可能なのか、という問題へ発展し、現状では「人間の知能がどんなものであるのか」が解明されない限り擬似的なコミュニケーションの域を出ない。
人間の意志がどのようなものであるのか、がわからない限り仮に脳を物理的に完全にシュミレートできたとしても同じことである。したがって人間的本性(ヒューマン・ネーチャー)の拡張、という意味でのシンギュラリティーは意志という視点からみるといまのところ現実的ではない。

それを解決するためには科学技術的アプローチだけではなく、いわゆる「心身問題」への哲学的アプローチを現代の脈絡で再構築することが必須ではないか……というところで今回の講義は終了しました。

今回の1回目講義に参加して、個人的に興味深かったのは、過去色々な作品で表現されてきた「機械や人工知能に反逆され、支配される未来(マトリックスシリーズなど…最新作は見ていませんが……)」が、実は人間の不完全さからくる「人間そのものの生まれ変わりへの期待」の裏返しだったということ、また人間が周囲の自然を自分に合わせて作り変えてきた存在である、とした上での、ハイテク・デジタル技術の進歩を手にしつつある今、人間の内なる自然を作り変えようとしているところまで来ている…というところでした。

往々にして人は目に見える部分をどうにかするのは得意ですが、目に見えない部分、例えば自分の内心や意志などが何であるのか、どうしたら意図的に変化させることができるのか…は不得意に思います。
講義の終盤に講師の方がシンギュラリティに対する物理的なアプローチだけではなく、哲学的なアプローチも非常に重要になってくる…とおっしゃっていた事が強く印象に残りました。

2回目講義へ続く!

1回目講義開催レポートは以上です。

次回2回目講義は3月5日(土)20時からです!
ご興味のおありの方は下記URLよりフォームへ飛んでいただき、
メールアドレスをご登録ください。視聴用URLを配信致します!

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdqLvbLkgoHaV0RBBNML4efuhtpZML8tMGemeET8kSBQU8WoA/viewform?usp=sf_link

みなさまのご参加をお待ちしております!

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