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GTGSアジェンダブログ(4):デジタル技術による豊かさと課題解決の実現

グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)の開催にあたり、梶山弘志経済産業大臣のアジェンダブログが、世界経済フォーラム公式サイトに掲載されました。

データの自由な流通の促進と、アジャイルガバナンスの実現を

梶山大臣は冒頭で、テクノロジーを人類共通の課題を克服する鍵と位置づけ、Society5.0が目指す社会の姿とGTGS(グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット)が掲げる理念の共通性について触れました。

日本では、このように、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を、「Society5.0」と名付け、実現に取り組んできた。このような社会像は、Global Technology Governance Summitの理念とも共鳴するものだと考えている。

そのうえで「データの自由な流通の促進」と「アジャイル・ガバナンスの実現」をその実現に向けた重要な課題として掲げています。

DFFT実現に向けたルール整備

まず「データの自由な流通の促進」については、DFFT(Data Free Flow with Trust、信頼性のある自由なデータ流通)」の重要性を強調。なかでもデータの自由流通(Data Free Flow)信頼確保(Trust)の両立がその中核にあるとし、国際的なルールづくりにおけるイニシアティブを訴求しています。

これらルールに共通するのは、データの自由流通と信頼確保の措置、例えば、個人情報の保護、オンライン消費者保護、サイバーセキュリティ対策などが組み合わされていることである。Data Free FlowとTrustの両立こそが国境を越えたデータの流通の基本であることを日本は示してきた。今後、WTO電子商取引交渉会合や日EU・EPAにおけるデータフロー上の再評価プロセスを通じて、DFFTに基づき、世界全体をカバーするグローバルなデータ流通ルールの形成を目指していく。

なお、DFFTはGTGS開幕の冒頭に流れた菅内閣総理大臣のビデオメッセージでも、そのイニシアチブが強調されています。

世界ではデータを囲い込む保護主義が見られますが、その背景にあるのは信頼の欠如です。各国が等しくデジタル経済の恩恵を受けるために、今こそ、日本が提唱した「データ・フリーフロー・ウィズ・トラスト(DFFT)」を具体化するルールを作るときであると考えております。


アジャイル・ガバナンスのデザインと実装

従来よりも柔軟かつ機動的な行政のありかたを示す「アジャイル・ガバナンス」については、革新的なテクノロジーを従来の規制に当てはめて禁止するのではなく、実証実験を通じて見直すというアプローチこそが、デジタル技術が世界にもたらす恩恵を最大限に引き出すことにつながるとし、日本でも導入されている「規制のサンドボックス」を紹介しました。

規制のサンドボックスとは、新たな技術ビジネスモデルの実施が、現行規制との関係で困難である場合に、期間や参加者を限定して、既存の規制の適用を受けることなく実証を行うことを認め、その知見を用いて規制の見直しに繋げる制度である。我が国の規制のサンドボックス制度は、実証対象を限定することなく幅広い分野を対象としている点に特徴がある。

2021年3月に発行した「アジャイル・ガバナンス」の全体像を示す報告書に触れ、Agile Nationなど各国の連携によって知見を共有することに意欲を表明しています。

なお、GTGSでは河野大臣がワクチン接種やデジタル庁創設を挙げながら、迅速かつ機敏なシステム構築の重要性を訴求しました。

「ワクチンに関する情報を紙ベースからデジタルで記録しなければならない。機敏に物事を進めるために機敏なシステムが必要。3カ月だが学びの毎日」


梶山大臣の登壇セッション「データ駆動による循環型成長」

梶山大臣は、GTGS2日目に開催された「データ駆動による循環型成長(Driving Circular Growth with Data)」のセッションにも登壇し、国と企業が一体となったイノベーションやデジタル技術とグリーン社会などについて発言しています。セッションは下記からオンデマンドで視聴可能です!

執筆
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
ティルグナー順子
竹原梨紗(インターン)


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