OMC223 参加記

こんばんは。
本記事では2024/6/28に開催されたOMC223の感想などを書いていきます。
納得できる結果が出るといいなと思うものの、予定的に定刻で参加できなさそうだったので、結果よりも参加を優先する形で進めてました。
問題ページは以下です。



参加時の動き

15分ほど遅れて参加 writerがShota_1110さんなのでとにかく参加を優先したかった。
配点は3-3-3-4-4-5
200点以下がない無印は初。少し難しいかも?順位表的にも一筋縄ではいかなさそうな感じ。
遅参かつ疲労もあったので成績よりも問題を楽しむ動きを意識して、後ろからやることに。


F

OMC223 F問題

DE=10x,BD=11x,AD=aとおいて、余弦定理をつかえば
四角形ABCDでみる
(121+a^2-121x^2)/(2*a*11)=(1210+100-121x^2)/(2*10*11√10)
-> x^2=(12100 + 1310sqrt(10) a + 100a^2))/(12100 + 121sqrt(10)a)
四角形ABDEでみる
(100+100x^2-a^2)/(2*10*10x)=-(121+121x^2-a^2)/(2*11*11x)
->x^2=221a^2/24200-1

とくにABDEが調和四角形なのでAD,BEはsymmedian
ADとBEの交点をXとするとAX:XD=10^2:(10x)^2=1:x^2
DX = x^2/(1+x^2) * DA
これで5角形の概要は分かったので、P,Qについて考察する。
また、EX:XB=10^2:11^2=100:121
なので、メネラウスの定理から
XB/XE * DP/DB * QE/PQ = 1
→DP/DB = 100/121 (BP:PD=21:100)
PB/DP * XE/BE*DQ/XQ =1
→ DQ/XQ = BE/XE * DP/PB = 221/100 * 100/21 = 221/21
よって DQ = DX* 221/242
-> DQ /DA=  221/242 * x^2/(1+x^2) = 221/242*(1-1/(1+x^2))
x^2を頑張って計算すると(1305 + 663 sqrt(5))/242
なので、これを代入して(363 sqrt(5)-405)/484
後半のx^2の計算と代入で結構時間を食ったが、一発で正解できた。
とはいえ、そこまで突飛な発想もないので個人的にはそこまで難しく感じなかった。

E

OMC223 E問題

まず、状況を図示してみる。
最初の条件が縦5*横40000の経路に対応しそう。c_iについては、結局横幅に対応しそう。(c_i-c_(i+1))個 a_n=i+1となるものがある。
その次のc_iの和の制約はよくわからないので、一旦飛ばして、最小値に対する考察を進めてみる。
a_nの和ではなく、c_iを使った和に書き換えたい。
図示したものを横向きに足すイメージで和をとらえなおすと、
(1~c_kまでの和)の和となる。
→ (c_k^2+c_k)/2 の和 ここから、制約に従ってあまり考えずにラグランジュすればよかったけど、コーシーシュワルツの不等式を思いつけたので事なきを得た。
最初少し計算を間違えて、条件を満たすc_iが整数にならず、最小値を探すために少し作業が必要になりそうになって困ったが、すぐ気づけた。割とストレートに解ける問題だったと思う。

D

OMC223 D問題

pm^2 = q^n(q^n-32)(q^n+32)と分解した後、しばし悩む
pの値の総積を聞いているので、どうせそんなに多くなさそうで、2を考えていないあたりがヒントっぽい。よく見ると右側の三項は差が2冪なので、今回は互いに素。平方数と相性のいい条件で、具体的にはこのうち二つが平方数になって、(a-b)(a+b)=2^kかつa,bが奇数となるものはa-b=2の時のみであることを用いれば、q^nが具体的に定まる。あとは残りの部分が素数になるものを調べればOK
素数で制約絞っているから割とやりたい放題できそうだなと思ったけど、模範解と一緒だった。

C

OMC223 C問題

g(x)=-f(-x),h(x)=f(1/x)*x^3
とおくことでf(-11/10)=f(1/1110)=0がわかる。
f(x)=a(x+11/10)(x-1/1110)(x-c)
で、二次の係数が0なので11/10-1/1110-c=0となり、求まる。
今回のセットで一番簡単に感じた。

B

OMC223 B問題

内角が直角→二点直径でその片方に一点、もう片方に二点
これだと直径に相当するペアが二つあるときにダブルカウントされるので、それを引く。
直径から残りの3点を決めるときに一点ある方を片側のみにしてしまい誤答1

A

OMC223 A問題

典型的な(6,6,6)を配分していく問題かと思いきや、負の数もありなのでちょっと面倒
各素因数を3つに分ける方法は8C2=28より28^3、2つ等しくなるものが4^3-1=63(3以下の組)より、異なる数になる組は (28^3-3*63 -1)で、すべて正になるのが3627個 これを答えて1ペナ
x<y<0<zとなるものの数は、zの指数が(a,b,c)のとき[(7-a)(7-b)(7-c)/2]個となる。
・(7-a)(7-b)(7-c)の総和はそれぞれが(1~7)を動くので28^3
・このうち奇数になるものは4^3
なので(28^3-4^3)/2個 

後半の計算は前半を活用出来る(というか同じことを別の計算方法でやっている)が、コンテスト中は疲労もあってか気づけなかった。

感想と反省

6問正解99分7秒3ペナで3位でした!無印では2か月ぶりの一桁順位です。
遅参分での順位変動はほぼないと思います。問題の相性はかなり良かったと思うので、よい結果になりました。
全体としては、配点通り無印ながら最初の問題が難しかったため、4eの前半みたいな感覚でした。疲れもあって、DEFを解いた後どっと疲れを感じて思考が遅くなりました。
個別の問題としては、C,Eが面白く感じました。
Aは割と典型ですが、負の数も入れることで包助原理をつかって少し細かい計算がいるタイプの問題で、Bはとても面倒と見せかけて、直径に注目すれば5角形なので被るケースも少なく、お手頃でした。(数字が大きいのが少し厄介でしたが…)
Cはシンプルですが、よい低難易度帯の問題と思いました。
Dは見た目以上に人工的な問題と思いました。素数という制約でまともな問題になるのは…という読みが働いてしまうのでなかなか難しいところですが、作問方法としては少し参考になりました。
Eは条件を丁寧に整理すれば割と自然に解ける問題で、考察も模範解通りに遂行しました。ただ、次数が低いので何も考えずにラグランジュした方が競技的には良さそう?
Fは見た目やdifficultyよりはやりやすく、典型の積み重ねになっていているタイプでした。
問題を作るようになってからShota_1110さんの問題を見ると工夫が発見できて勉強になりますね~

雑多なトピックス

2024年が半分過ぎたので、出題数ランキングを再度作ってみました。
(自分が登場するので集計したかっただけでもある)

上の方はかなり思った通りですね。Shota_1110さんはコンスタントにコンテスト種類を問わずに出題されていたイメージで、natu_mathさんは一度8問4b単独があった分イメージよりも多いです。Uhyo0808さん、jjmmxxさんは4bにたくさん問題を出していて、程よい難易度のものが多い印象です。
最近新しく出題される方が(自分含めて)増えてきているので、このまま問題の多様性が保たれるといいですね。やはり出題者の癖というのは出てしまうので。

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