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【与太話】回転世界

ビジネスモデルとは関係ない与太話です。
なぜこんなものを載せているのかの理由は、こちらを参照してください。

回転世界

まずはクイズから。

そのへんの公園にある乗り物で、地球儀みたいな球体の、くるくる回る遊具。
あれを何と呼ぶでしょう?

じつは、近年になるまであれの名前を知りませんでした。
正解は、「回転型ジャングルジム」「グローブジャングル」などだそうですね。

さて、ある夜の、駅からの帰り道。

グローブジャングルとすべり台と砂場、あとベンチがいくつかあるだけの、小さな児童公園がありました。
良い子は寝る時間、だれも遊んでいません。

近道になるので、公園を通り抜けようとした僕でしたが、出口付近で奇妙なことが起きました。
見えない力に引っ張られるようにして、体が大きく傾いたんです。
何が起きたのかわからないまま、あれよあれよという間に、まわりの世界が回転し、数秒後、グシャッと音がしました。

公園の周囲は花壇になっており、植物が繁っています。
グシャッというのは、僕の体がその花壇に倒れこむ音でした。
手足や顔にスリ傷ができ、口の中に花や葉っぱが入りましたが、その程度ですんだのは、ありがたかったです。

帰宅してマキロンを噴射してもらったり絆創膏を貼ってもらったりしながら、事情を妻に説明したところ、妻は
「その公園やばい」「何かいる」
とたいへん怖がっていました。

じつは、僕には、妻に言わなかったことが、ありました。

妻に言わなかったこと、それは…公園を突っ切る途中、僕は誘惑に負けまして。
何十年ぶりかで、グローブジャングルに乗っちゃったんですよ。

小さなグローブジャングルゆえ、体を中に入れるのもひと苦労でしたが、ちゃんと回りだしました。
お、動くじゃん!
調子にのり、全力で高速回転。

「誰もみていないときに、童心にかえり、思いきりはしゃぎたい」
というあの願望が、ついに満たされました。

問題はグローブジャングルを降りた後です。
公園出口のあたりで、目がまわりはじめ、時間差で三半規管が狂いだしました。

「あれあれあれ?」の感じで僕の体もぐゎんぐゎん回ってしまいました。

と、そんなわけでした。
要は、自業自得で。

…ことの顛末はこうでしたが、じつは気になることがあと2つ、あります。

1つは、グローブジャングルが僕が蹴ったより速く回っていたような気がしています。
誰かが外から回していたみたいに。

もう1つは、花壇にグシャッと倒れこんだとき、近くで数名分の笑い声が聞こえました。





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