勝手に動画分析 #58「ゲームの世界観が混ざることで生まれるカッコ良さ」
こんにちは、BYNDのNATUです。
BYNDではナビゲーターやTAとしてセッションに参加しています。
noteでは「週末にゆっくり嗜む動画」というコンセプトで個人的に気になった動画を毎回一つ取り上げ、4つのベース項目と1つのエクストラ項目の計5つを軸にその動画の唸るポイントを分析したり解説したりしてみたいなと思ってます。
今回は音楽イベントの背景映像として作られたゲーム派生のモーショングラフィックスを紹介。
Hyper Commission - Zenless Zone Zero 2024 - Full Version
(via vimeo|Flatwhite Motion)
今回の5項目チャートはこんな感じです。
今回のエクストラ項目は「陶酔度」。
そしてそれぞれ5つの項目のショートコメントがこちら。
[LOOK:★★★★]
文字をベースにゲームの世界観を踏襲したシンプル&スマートなビジュアルが格好良い。図形と文字の組み合わせによるこの独特のかっこよさは最近では特にゲームUIのデザインに顕著な気がしますが、動くことでその真価が発揮されるなと改めて思わされる作品です。
[音:★★★]
音楽イベント用の背景映像として作られているためサウンドデザインはとくにないものの、楽曲によらず融通が利く作りになっているので作中の仮あて曲でも問題なく没入できるのが面白い。
[編集:★★★★★]
実は細かい一つ一つの表現や演出は少し前に流行していたものが多いのですが、この動画の面白いところはそういった表現を使いながらもゲーム側のデザインルールを掛け合わすことでトレンド感から抜け出た「独自のカッコよさ」に昇華させているところだと思います。数年前の流行りというレトロとも言えない微妙な年月をあえて選ぶことによる「ズレたクールさ」がとてもいい。言い表し方が難しいのですが、並行世界で流行っているかっこよさという感じ。三段分割の演出やボケ感の使い方など今っぽさを感じる要素もちょいちょい混ぜながら、古さを感じさせずにギリギリを攻めるこの絶妙なバランス感覚はすごいです。
[構成:★★★★]
イベント楽曲に合わせて切り貼りして使うことを前提に、シーンをどう組み替えても一連のモーショングラフィックスとして流れを感じることができるという、ある意味「構成が無い」というところが逆にこの作品の面白いところ。「Zenless Zone Zero」というゲームとその世界観だけを最低限の軸として残しながら、動きのトンマナや規則性を各シーンよく練って調整しているからこそ出る統一感が見事です。
[陶酔度:★★★★★★]
ゲームらしいSciFi感あるデザインとスタイリッシュな動きがとても心地良く、いわゆるトランス系のビジュアライザーとして見たときに抽象的なグラフィックで没入させるタイプとはまた違った独特の高揚感があります。ここ最近ゲームやアニメでも「THE・モーショングラフィックス」みたいなものを目にするようになってきました。三者三様にそれぞれ似てるようで違うモーション文法を持っていると感じていますが、それらが混ざることで起きる化学変化が今後も楽しみです。
さて、以上いかがでしたでしょうか。
動画の面白みに少しでも触れてもらえたなら嬉しいです。
それではまた次回。NATUでした。
(Writer:スタッフ NATU)