見出し画像

VOICE|ペンをカメラに持ち替える勇気

「なんとか作品を完成できてよかった!しかも、なるほど自分らしい表現になっている」、これがビデオグラファーコースを終えた時の気持ちです。私は大学の研究員として、地域医療に関するインタビュー調査など言葉のデータを扱う仕事をしています。しかし今の時代、動画を扱える方が仕事の幅が広がるだろうと考えたのが受講の動機でした。とはいえ一眼カメラを触ったこともなかったので、当初は「格好いいインタビュー動画を作れたらいいな」程度の漠然としたイメージで、恐る恐るBYNDの扉をあけたのでした。

始まってみるとカリキュラムや先生たちの教え方が素晴らしく、初歩的な質問にも丁寧に対応してくださいました。ただ2週目あたりで、ファイナルワークとして期待されている内容が私の想定よりも詩、物語、音楽、アートの方向性だということに気づいて少し焦りました。それならインタビューだけじゃ成立しないし、何か具体的な活動を撮影しなくては!と頭を切り替えて、いくつかの候補の中から家の近所の小粋な八百屋さんに協力を依頼しました。野菜を媒介として町の人々の生活が交差する様子を描けるのではないかと思ったからです。

2日間ほど様々な時間帯を撮らせてもらっているうちに、夕暮れ時に変化する光の中で印象的なシーンを捉えることができました。通い慣れた場所でも、カメラを持ってその場の様子をじっと観察していると、意外な発見があるものです。でもそこで撮れた映像はまだ原石のようなもの。続く編集作業では、使えるカットを選りすぐり、並べ替え、音楽に乗せて、環境音を加えて、色を調整して、など授業で教わったことを一つずつ試していきます。途中で足りないと思った絵や音をちょこまかと追加で撮(録)りに出かけたりしながら、そういう小さなこだわりの積み重ねが物語に磨きをかけてくれることを実感しました。

最後のワークスプレビュー(作品発表会)で先生たちからいただいた講評も心に染みました。八百屋から見える町の暮らしの質感を映像のみで綴るという私の試みを、100%、いやそれ以上に受け止めてくださったからからです。そして気付いたのは、これは自分がいつも言葉を使ってやっている仕事と、根底のところは繋がっているということでした。私に必要だったのは、ペンをカメラに持ち替える勇気であって、BYNDはそれを見事に後押ししてくれたのです。クラスメイトの皆さんも各々の専門分野にBYNDで教わったことをぶつけて、個性全開の作品を発表していて、互いの表現法の違い見るのも大きな刺激的になりました。

さて、受講中はレンタル機材を使用していた私も、先日とうとう最初のカメラと三脚を購入しました。動画を仕事にどう取り入れるかを模索しながら、今は「ビデオエスノグラフィー」という分野に興味を持ち始めたので、興味の近い人がいたら一緒に勉強できたら嬉しいです。そして新しい遊び道具としても、色々楽しんでいきたいです。これからもよろしくお願いします!

BYNDER:MICHIKO A.
COURSE:ビデオグラファー/スケッチ・フォー・ビデオ(2024 SUMMER CAMP)
WORKS:ビデオグラファー

学校説明会は以下よりお申し込みいただけます↓


いいなと思ったら応援しよう!