雑談:「アングラ」の意味について補足
前回の新宿アングラの話の補足。何年か前に突然気がついたことがありまして、それは日本の「アングラ」は2つの文脈が混じってできてるんだ!という話です。2つって何?の説明をしていきます。
1つ目:アメリカ的アングラ
日本の「アングラ」は、当初はアメリカから輸入された「アンダーグラウンド」を縮めたもので、アメリカ的な言葉の使い方でした。アメリカ的? どういう意味?
はい、アメリカ的とは「アンダーグラウンド・フィルム/アンダーグラウンド・シネマ」を由来とする使い方です。1950~1960年代にかけてのアメリカで、個人的な表現を映像に撮る映画・映像作家が相次いで登場し、一つの運動体として見られるようになりました。それをプライベート・フィルム(private film)と呼ぶこともありましたが、アメリカの映画批評家、アンドリュー・サリス(Andrew Sarris)が、こうした動きを「underground film」と名付けた……そうです。金坂健二の原稿にそう書いてあるんだもん。
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