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ちいさな言葉の欠片たち(エッセイ)

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あの日のあの言葉って、納得いかないんだけどとか。誰かが言ったちょっといいなって言葉を紹介しながら、まるで日常なエッセイや日記書いています。
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2021年7月の記事一覧

『THE NEW COOLNORTER』賞の読書感想文企画スタートしています!

だれかのレビューとか読書感想文って ほんとうは、その誰かのものなのに。 レビューを読んで…

海の街に暮して、海を恋しくなるなんて。

時々窓の隙間から潮の匂いが運ばれてくる。 そんなに近い場所じゃないけど 海のある街で暮し…

「ありがとう」が言えない子供だった。

ありがとうって小さい頃言うのが 恥ずかしかった。 なんか、人なれしていないので たいてい…

わたしはあなたじゃない、あなたもわたしじゃないけど。

ずっとひとりであることって難しいから 人は誰かと一緒にいたいって時々思ったりして。 人と…

わたしも星の砂のひとつぶだなと思いながら、「小さな恋のうた」を聴いていた。

星の砂や貝殻がちいさな筒状につめられた 瓶が箱の中からいくつか出てきた。 まだ幼かったと…

眠れない夜、甘いものに甘えたくなる。

夜眠る前に少しだけ甘いものを口に する時のあの罪悪感のようなものから 逃れられない。 特に…

生まれ変わりたいと、思わなくなった。

いつだったか好きな人に聞いた言葉がある。 「繭は4回脱皮するんですよ」 繭の話だった。 小学校3年の時クラスで蚕を育てていた ことを思い出す。 ときどき、繭は誰にも叱られないしいいなって 想っていたのかもしれない。 子どもの頃の目標は誰にも叱られない暮らし それが一度やってみたいって想っていた。 彼がもういちど4回とたたみかけた。 「4回?」 「そう4回」 その後にわたしはこういったような気がする。 「4回ぐらい脱皮してもわたしはなにも変わらない気が

ガラスの心をもっているような気がする時。

ついつい自分の心のことを書いてしまう。 たぶんnoteでもほかの場所でもこころ、 心、ってな…

突然なにかがおわるということ。

駅のちかくにあった、カジュアルな洋服屋さんの お店が気がつくともう終わっていた。 いつも…

履歴は問いません、今のあなたがみたいんですと言ってくれた人。

こういう返事が返ってくるだろうなって どこかで人は想像しながら話しかける ことってあるけ…

揺れたり傷ついたり気づいたり。エッセイにはいつも時間が流れている。

第三回『THE NEW COOLNORTER賞』 エッセイ部門(8月15日〆切)募集中です! noteを始めてから…

自由研究の自由の意味をはじめて知った、夏休み。

自由研究の自由って小さい頃ずっと不思議で。 そんなこと思っているのはクラスの中でも たぶ…

戻らないブーメランみたいなあの夏に。

夏になるとなぜか、大人になって しまってからの夏の自分よりも、 あの夏に子供だった弟とか…

好きな人に、好きと言えないまま生きて来たような気がするけど。

小さなギャラリーで、青と紫に光る ちいさな万華鏡を数年前に箱根で買った。 十字架みたいな形をしているそれの横に やさしくつらぬかれたガラスの棒をくるくる まわすと、ビーズのような粒や星が、 オリーブオイルに似た色つきのとろんと した水の中で泳ぎながらおちてゆく。 ダイニングキッチンの灯りの下や 廊下の淡い間接照明の下、 じぶんの部屋のぼんやりした傘の下。 丸くちいさく開いた窓から覗いていると、 花の開花を高速度で垣間見ているような ふしぎな気持ちに一瞬