見出し画像

店舗買取を効率化する「Store」の開発・導入とグループ展開の現在

現在開発が進んでいる、バイセルリユースプラットフォーム Cosmos(コスモス)
そのプロダクトの1つ、店舗買取を効率化するStore(ストア)が2022年9月より店舗運用開始しました!
日々改善を繰り返しながら現場業務をアップデートしています。

Storeを担当したテクノロジー戦略本部の藤本さん・大木さんに、開発から現在について取材してきました。

藤本亮(ふじもと・りょう)
テクノロジー戦略本部 開発2部
2019年11月入社。StoreではPdMとしてプロダクトの進捗管理・要件定義を担当。
趣味:旅行

大木駿一(おおき・しゅんいち)
テクノロジー戦略本部 ディレクション部
2019年4月に入社。StoreではPdMとしてシステム導入支援・KPI設計を担当。
趣味:ゲーム、音楽

◆なぜ店舗買取専用のシステムが必要なのか

ーーStoreとはどういったプロダクトなのか教えてください。

大木さん:Cosmos構想のうち、査定を担う部分をDeal(ディール)というシステムの中で、店舗での買取に特化しているプロダクトになります。
来店したお客様の情報入力、査定商品の管理、買取することが決まったら契約から決裁まで、店舗での買取に必要なフローを網羅しています。

バイセルリユースプラットフォーム(Cosmos)のイメージ図

ーーこれまでは買取システムとしてはGYRO(ジャイロ)を使用していましたが、なぜStoreを開発することになったのでしょうか?

大木さん:GYROは出張買取のオペレーションを前提として開発されています。出張と店舗では買取フローが異なるので、店舗では必要ない工程やデバイスの切り替えなどのオペレーションコストが発生していました。
21年5月からCosmos構想がスタートしたこともあって、店舗買取を効率化するプロダクトとしてStoreを開発することになりました。

藤本さん:バイセルグループとして店舗拡大が重要な戦略として位置づけられる中で、GYROは主に契約周りでシステム操作習得に時間がかかる点が課題になっていました。Storeはもっと直感的な操作ができるように作ろう、というのはチーム全体でも当初からかなり意識していました。

ーー最初の導入店舗は「タイムレス東急渋谷店」でしたが、なぜバイセルではなくグループ企業のタイムレスだったのでしょうか?

藤本さん:バイセルの店舗は予約管理など買取の前後で連携しているシステムが多く、その繋ぎ込みが必要な分、開発難易度が高くなってしまいます。
まずは店舗買取システムに集中したいということ、あとは現場に足を運ぶのに新宿の本社からも一番近い立地ということで、タイムレス東急渋谷店が最初の導入店舗になりました。

タイムレス東急百貨店 渋谷本店

ーーなるほど!タイムレスとの開発は多くないかと思いますが、バイセルとの違いは有りましたか?

藤本さん:私は初めてでしたが、現場の人も本部の人もとても協力的で、全く問題なく開発を進めてこられました。

大木さん:僕は以前にGYROをタイムレス用に最適化するプロジェクトに参加していたので、タイムレスとの連携は2度目でした。1チームとしてみんなでStoreを育てていこうという雰囲気ですね。余裕が出てきたら打ち上げもしたいねと話してます。

◆テスト機能を抱えて店舗へ足繁く通う日々

ーーStoreのチーム構成について教えてください。

藤本さん:バイセル側は10人体制で、PdMが3人、デザイナーが1人、エンジニア6人で対応しています。タイムレス側は店舗の現場は宮本さん・髙さんの2人、また本部の皆さんにもレビューに参加いただきました。

ーー開発期間はどのくらいでしたか?

大木さん:Cosmos構想としては21年5月に生まれていましたが、本格的に動き始めたのは21年12月頃、実際の開発スタートは22年3月頃でした。リリースは10月だったので約7ヶ月ですね。

ーー要件定義や開発はどのように進めていったのでしょうか?

大木さん:開発手法としてはアジャイルを採用して、1週間のスプリントを繰り返してきました。課題の抽出から機能テストのために、結構な頻度で店舗に足を運びましたね。テストでは商品登録の画面、契約書の画面、決裁の画面…といった感じで、機能ができ次第細かくフィードバックを貰いました。
敢えて何も説明せずに触ってもらって、直感的に操作できるかどうかを確認したり、手が止まったとか使いづらそうな感触が見えたところは記録したり、できるだけ現場のリアルな声をそのまま収集するようにしていました。

藤本さん:かなり大木さんに現場に行っていただきました。さらに毎週金曜日にはタイムレス本部の方々も含めてのスプリントレビューの時間を取っていて、そこでも色々と意見を貰ったり、欲しい機能をヒアリングして次の開発に活かしていきました。

ーー開発中、難易度が高かった点はどういったところでしょうか?

大木さん:査定商材を登録する部分は、何度か改善しているんですがまだまだ課題が多いですね…。

藤本さん:そうですね。商材ごとに査定ルールや確認ポイントが異なるので、どういった入力項目を設けて、どう画面に落とし込むかはかなり複雑で気を配る箇所ですね。
あとは買取側としては入力内容は少ない方が査定時間短縮になって嬉しいんですが、逆に販売側で商品情報を入力する作業負担は増えてしまいます。このバランスを取るのは難しいですね。
別チームが開発を進めている商品マスタシステム Promasの開発が進めば、このあたりを補完してさらに買取・販売フローを改善できてくると思います。

ーーなるほど、Cosmos全体の機能がそれぞれ繋がることで、より利便性が向上するんですね。今後が楽しみです!

◆新人メンバーでも即日使えるシステムが完成

ーー9月のStoreの導入初日はいかがでしたか?

藤本さん:トラブルが起きたときにすぐに対応できるように、大木さんには現地に行っていただいて、他メンバーも全員で待機していました。2〜3個他システムとの連携まわりで調整が必要だった箇所はありましたが、それ以外は問題なく1日を終えることができました。

警戒態勢のStoreチームの皆さん

大木さん:丸一日査定士の横に張り付いて、来店状況から査定フローまでSlackに都度報告したり現地サポートしたり、ドキドキでしたね。結果としては大きなトラブルもありませんでしたし、このStore導入初日に初めて店舗買取を担当する査定士の方でも、すぐにStoreを使ってサクサク買取を進めてもらえたというのは嬉しかったです。「コレなら全然イケます!」というコメントも貰えました。

ーー良い滑り出しですね!その後の導入効果としてはいかがでしたか?

藤本さん:査定にかかる時間を約20%削減できたこと、査定から買取の段階ごとにアプリ操作時間を可視化できるようになったことは大きな成果でした。
そして、店舗査定が初日の方でも使用できたという点で教育コストもかなり削減できました。直感的に操作できるように工夫してきた甲斐がありましたね。

Storeの操作画面。次に何必要な作業を適切にガイドしてくれます。

ーーリリースしてからの気付きはありましたか?

大木さん:元々GYROではiPadとiPhone両方を使用する必要があったものをiPadで完結するようにしたのですが、iPadの方がサイズが大きい分、バッグの中の状態など細かい商品情報の撮影が難しい、さらに片手でiPadを持ったままルーペを使用できないという課題に直面しました。

藤本さん:夜にiPadに取り付けられるズームレンズを探しに家電量販店を巡ったのは思い出に残っています…。
取り急ぎ翌日にはiPhoneで撮影した写真をiPadに移動してアップロードできるように、12月頭にはiPhoneから直接写真が登録できるできるように改善しましたが、やはり現場で使ってみないとわからないことは多々あるなと実感しました。

◆システム化による全社スケールメリットは大きい

ーーリリース後、現在は他店舗にも導入を進めているのでしょうか?

藤本さん:現在は22年7月にグループ企業になったReuse Shop WAKABAへの導入を進めていますが、元々WAKABAは契約書を紙ベースで発行していたためStoreを使うことで逆に工数が増えてしまって…たくさん課題は見えてきました。
今後は買取速度の向上や査定の効率化など、より便利になる機能を提供しつつ、直営店やFC店への導入を進めていきたいです。また、データが蓄積されることで集計や分析ができるようになれば、会社としてのスケールメリットは非常に大きいと思います。

WAKABAの現在の買取フロー
Store導入後の買取フロー案

大木さん:自分としては、さらにデータによる買取サポートの恩恵も大きいんじゃないかと思っています。
StoreとPromasを連携させることで、ひとつのシステムの中で現在の相場を参照できたり、過去の買取価格から価格をサジェストできたり、査定士の熟練度に依存せずに精度高く査定することが可能になります。マスタを更新すれば、新しい商材にもすぐ対応できる世界がつくれるかなと思っています。

ーー開発からリリースまで振り返って、いかがでしたか?

大木さん:個人的な思いにもなりますが、Storeのリリースを通して自分の成長に繋がったと思います。特に机上の空論だけで作ったプロダクトは良くならない、ということを実感しました。現場の人にも見てもらって、「こっちのほうが良いよ」という意見を吸い上げてブラッシュアップしていったことが、今回の成功に繋がったのかなと。

藤本さん:リリースまで紆余曲折ありましたが、来年以降は導入店舗を拡大していける状況が整いつつあります。タイムレスでは順調ですし、WAKABAも取り組める課題は見つかっているので、ひとつずつ解決していきたいです。
来年にはStoreを使ってもらえる店舗数をもっと拡大する見込みです。将来的にはグループ外にも使ってもらえることを見越して開発を続けていきます。


店舗サイドからの声

今回、開発から携わってこられたタイムレス東急渋谷店の宮本店長含めての3名に取材予定だったのですが、どうしても都合がつかず藤本さん・大木さんのみの取材となってしましました。
宮本店長からは開発にあたってのメッセージを寄せていただきました!

タイムレス東急渋谷店 宮本店長からのメッセージ
店舗にトライアル導入してから、初めて触るスタッフも流れを一回教えるのみで、サクサクと実践接客ができていました。扱いやすい、分かりやすいシステムですね!
現在も現場の意見や修正箇所に関しましては、大木さんや藤本さんへ都度報告させていただき、更に良いシステムを作っていただいております。ありがとうございます。
タイムレス側では本部長や他のスタッフも全員が「早急にタイムレス全店舗で導入したい」と口を揃えております。
今後の期待としては可能な限りの工程数の削減でしょうか。
更なるスピードアップを目指したいです!

さらなるプロダクト開発に一緒に挑戦してくれる仲間も募集中です!
詳細は以下からどうぞ👇




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?