Nene

かつての私はまるでベラドンナリリーのような女だった "ありのままの私を見て&…

Nene

かつての私はまるでベラドンナリリーのような女だった "ありのままの私を見て" "裸を見てほしい" と嘆いたあの頃 私は快楽と苦痛に溺れていた。

最近の記事

瞑想

目を瞑ると視界から何も刺激を受けなくなる。 感じるのは自分の鼓動と生温い風。そして遠くから聞こえる微かな音だけ。 鳥の鳴き声に風で揺らぐ葉の音。 それらを肌で、耳で感じて何かを思い浮かべた。 頭をよぎる色鮮やかな記憶。 私の記憶は定かではない。 忘れてしまいたい記憶。忘れちゃいけない記憶。 考えているうちに涙が溢れてしまう。 目の縁が熱くなっていくのを感じてもやはり目の前は真っ暗。 自分が泣いているのかすらも定かではない。 頬を流れる涙はやがて乾いてしまう。 乾かしたい涙。乾

    • 負の感情で溢れるとネガティブを通り越してぶっ飛んだ世界が見える。 幻や夢。死の世界とは思っている以上に綺麗で鬱っぽいから自分自身の存在を忘れてしまう。  そのときの私はきっと死んでいるに違いない。 "だから、よく感じてみて" 私は私に問いかける。 冷たい雨、体を擦り抜ける風に可憐な植物。無限にすら感じられる空。 全てのものに生命を感じてごらん。 自分の生命にすら価値を感じられるから。

      • 夜の暗闇と少しの月灯りに包まれていると安心する。 夜は物静かで聞こえるのは風の音だけ。 もう何年も夜が明けない。 暗闇の中には綺麗な花が咲き誇っていて雨の冷たさをも感じる。 また時が経っているのだと気づく。 崖から落ちて傷だらけになっても這い上がらなくてはいけない。 それは生を求める本能であった。

        • 依存

          記憶は時間が経てば経つほど色鮮やかになっていく。 美化されていくから、また求めてしまう。苦痛は快楽にすり替えられて私はまた落ちてゆく。 あの時流した涙でさえ今は愛おしい。 もう一度、そしてもう一度求めてしまう。

          孤独

          ベランダで煙草を吸いながらふと空を見上げたとき、私の視界には美しい満月が目に入った。 何故だか涙が頬を流れる。 蒸し返すアスファルトというより紅葉の渋みを感じさせられる風だった。 月は美しいのに孤独すらも感じた。 太陽は全ての人に光を与え、月は孤独な人にしか光を与えない。 月明かりに気づいているものは皆孤独を感じているのだろう。 私の目はそう語っていた。