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#3 映画感想文「ストレンジャー・ザン・パラダイス」

こんにちは。

最近は、「過去に見た作品をもう一度考えてみる」をしています。
見たときの新鮮な感想から月日を経て、熟成された感想というのもやはり味わい深いものです。
外山滋比古の『思考の整理学』という本の中でも「発酵」や「カクテル」のようにアイデアも寝かせる、混ぜるということが大切なことのようです。

今回紹介する映画はジム・ジャームッシュ監督の「ストレンジャー・ザン・パラダイス」です。
この映画、私のオールタイムベストNO.2なんです。NO.1はいつか満を辞して紹介します。

1986年、ジム・ジャームッシュの長編初監督作品として上映されました。ニューヨーク大学在学中に「パーマネントバケーション」を卒業制作として作りましたが、その後ヴィムヴェンダースの下で働きながら脚本を勉強していたそうです。羨ましい経歴。
ヴェンダースの下で助監督をやっているとき、ヴェンダースから余ったフィルムを渡され、何か撮ってこいと言われたそうです。そのとき撮ってきたのがまさに「ストレンジャーザンパラダイス」の第1章だったという逸話もあります。ジムのセンスがマジでやばいですよね。
この第1章の完成に伴い、第3章まで作り上げたということです。

作品の構成は、ワンシーンワンカットで繋いでいき、4秒の黒でブリッジする。わかりやすく情報を切り取るという大胆さがあります。

ジムの描くコメディは、偏差値の高い人間がふざけたようなオシャレさといいますか、バカリズム感というんですかね。見る側の教養を求めてくるような感じがあります。「これの意味がわからなかったらやばい。」みたいな脅迫観念に襲われます。

素晴らしかったのは、ファーストカットがラストカットのフリになっているところ。
エヴァの佇まいとラストの帽子には言葉にならぬ美しさと可笑しさが同居するようなシーンになっていました。

きっと、80年代の映画少年映画少女たちは、「ストレンジャーザンパラダイス」を見て「俺にもできるかも?」と思いながら映画を作り、玉砕していった人たちが多くいることと思います。

オフビートで特に何か起こるわけでもないのに、美しくかっこいい。


惚れてしまいますね。

こんな映画撮ってみてぇな!!!


ばいなら〜


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