欲望のぎゅうぎゅう蒸し

一週間がんばったじゃん。
自分を甘やかしたいじゃん。
子供たちも甘やかしたいじゃん。

夫も遅くなると言うし、外に食べに行っても良いんだけど、途中でケーキ帰って帰ってきた。
だからごはんつくるよ。

こういう時は、土鍋だのみ。

キャベツをざく切りにして土鍋に敷き詰める。
豚肩ロースは一口大に切る。
鉄のフライパンに水を入れ、沸騰させる。切った豚肩ロースを湯につける。
肉をザルにとり、キャベツの上にのせる。
いつもならここで水と酒、白だしでぎゅうぎゅう蒸しだけど、今日はもうちょっと外食っぽい味付けがいい。
甘やかしだから。

缶詰や保存食を入れている箱をゴソゴソ探して、見つけた。
レトルトパックのミートーソース。
これでいこう。
キャベツの上にこのミートソースをだばあとかけて、水カップに2杯を追加。
土鍋に蓋。
火にかける。

土鍋から湯気が出てる。
もう一つなにか決め手が欲しい。
もっと子供と自分を甘やかすものをもっと。

冷凍庫をゴソゴソやる。
前にピザを作った時に買ったピザ用モッツアレラチーズが出てきた。
オーケー。これも使おう。

土鍋の蓋を開けて、チーズを振りかける。
かなり量があったけど、余らせても忘れるし、全部入れてしまおう。
再び蓋をして、弱火。
しばらくして、焦げそうだなと思ったので火を止める。
土鍋のパワーを舐めてはいけない。
チーズくらいなら、余熱で溶けまくる。

できた。
土鍋を食卓へ運ぶ。
末の子に取り皿とコップの用意を頼む。
長男は、もう何も言わずにごはんをよそっている。
長女も、無言で冷蔵庫の漬物やキムチを出して並べている。

みんな食卓についた。
土鍋の蓋を開ける。

キャベツ・豚肩ロース・ミートソース・モッツアレラチーズのぎゅうぎゅう蒸し。
某イタリアンチェーン店ぽさがあって、子ども達に大いにウケた。

家があって、家族がいて、よかった。
今夜もあなたたちに会えてよかった。
ささやかだけど、自分と子供を甘やかす、欲望に忠実な、そんな晩ごはん。