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省エネ基準クリアでは不十分?

現在の平成28年省エネルギー基準(省エネ基準)の基準値は、平成11年基準の基準値を元にしています。
この基準値は20年以上前に定められたものなので、現時点ではあまり省エネとは言えません。
そのため国ではこの基準を義務化することを検討していました。(義務化制度
今後建てられる住宅は最低限省エネ基準をクリアしていなければいけないという制度です。
しかしこの義務化制度は見送られました。
はっきりした経緯は不明ですが、すべての住宅が省エネ基準をクリアするのは難しいという判断なのかもしれません。

これに変わり2021年4月からは省エネ性能の説明義務化制度が始まります。

欧米諸国では基本的に日本ほど室内が寒くありません。
これは室内では快適に過ごすことが普通と考えられているためのようです。
そのため、低気密低断熱の住宅では暖房エネルギーを多く消費してしまうため、国によっては最低限の省エネ性能が義務づけられています。

日本は先進国の仲間入りをしてからけっこう経ちましたが、未だに寒い室内で我慢し、炬燵やポータブルストーブで暖をとる住宅が珍しくありません。
そのため、元々暖房に使用しているエネルギーが少ないという事情があります。
省エネ基準をクリアしても快適になるまで暖房して室温を上げると、従来よりも暖房費がかかる可能性があります。
快適で省エネにするためには現在の省エネ基準では不十分で、もっと省エネな基準が必要になります。
すでに省エネ基準よりも性能が高い誘導基準がありますが、本当の意味で省エネを考えるのであれば誘導基準を検討することをお勧めします。

個人的にはなぜ高気密高断熱化して、省エネで快適な住宅にしないのか非常に不思議です。

たしかに高気密高断熱住宅が非常に高価なのであれば仕方ないのですが、住宅全体の費用に対する断熱材の費用の割合はそんなに高くはありません。
もし高断熱化することで高価になるのであれば、北海道の住宅は高くて沖縄の住宅は安いはずですがそんなことはないはずです。
もちろん断熱材の厚さを厚くすればその分コストはかかりますので住宅の価格もある程度高くなります。
ただ、省エネ性能が高くなればその分暖冷房費は安くなるので、数十年単位で考えればそれほどコスト高にはならないはずです。

高断熱住宅になれば快適で省エネになるのはもちろんですが、最近では健康に影響することもわかってきています。
新築住宅を建てる場合は、デザインや設備を気にするだけではなく、ぜひ性能にも注目してください。

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