なぜ?どうしての理由。

どうしてオンライン演劇に興味が持てないのだろう。か。

それは流行ったZOOM演劇にも、収録された演劇にもあまり興味が持てなくて、正直なところオペラ座の怪人の記念公演しか見ていない。さすがオペラ座の怪人、字幕なしでも楽しめたけどそれは映像を見て楽しんだのではなく、音楽が好きで、音楽の素晴らしさで楽しめた部分が大きかったと思う。

とても見たかったけど中止になってしまった海外のダンスカンパニーの公演、過去作品をネット配信されていたから少し見たけど、3分と見れなかった。どうしてだろう。すでにネット配信は溢れまくってるから見たいものをたくさん見れる環境にあるのにほとんど、というかまったく食指が動かない。

というのはそもそも映画だってたくさんは見れない。頑張っても日に2本だし、その2本だって一時停止を繰り返しながら見ているのでどんな傑作もだいたい「ふーん、こんなもんか」という気分になる。とても不本意な鑑賞方法だ。要するに見る体力もないし、集中力もない。そのことで自己嫌悪に陥る自分がさらに嫌。映画館や劇場はその辺、体力集中力をうまく誘導してくれるんだな、誘導してくれない場所もあるけど概ね。ちょっとずれるかもしれないけど、ラブホテルに行ってカラオケやったりゲームやったりあまりしないのと同じで、目的がはっきりしている場所で、目的を達成するための仕掛けがあるから脇道にそれることなく向かっていけるんだな。

自分は演劇が好きなのではなく、劇場が好きなだけで、表現ができれば満足なわけではなかったんだな。それは自己満足とか、自己肯定感を満たすためのものだと言われても、見てもらって感想をもらってなんぼ。でもいいよね、自分で貯金崩して自分のやりたいようにやってるんだから文句言われる筋合いもない。自己満足すら難しいんだからそれだって大変だぞ。自分を満足させて生きられてんのかな、みんな。

あと、ZOOM飲み会とかも全く誘いがないわけではないけれど、うまくスルーできている。普段人の話を聞いていないわたしがZOOMになった途端、カメラを見つめて、大きくうなずいて、聞いてるよアピールをする不思議。会社も短期間のテレワークになり、ミーティングでいきなり態度のいいバイトさんになる。その実、ほとんど聞いていないけど異様に疲れる。電話ならいいけどZOOMはきつい。

画面に切り取られて見えない部分がたくさんあることのもどかしさ。伝わらないことがたくさんある難しさ。五感が二感になってしまうもったいなさ。カット割りをしたら見やすくなるけど見えない部分が見たいし、引きでとったら平面的になるし、もう別物として創っていこうとする人たちは本当にすごい。そういう人がこれからも続けていける人たちなんだな。

オンラインの波に乗れるかどうかで今後変わってくるみたいなのを聞いたこともあるし、それもそうだと思うし、オンライン苦手なんて言ってられない、必要に迫られてる人がいるということもわかる。わたしのは甘えだと思って極力言わないようにしてきたけど、でもこれはあなたの演劇観にも関わることだよと言われ、それならなぜ嫌なのかということを考えなければいけないと思った。波に乗れずに淘汰されていく人間なのかもしれない。淘汰されるのは嫌だと思っていたけれど、辞めた後の方が人生は長いのだからそれもいいかもしれない。



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