達人の領域(深澤直人のOn-onを見て)


https://bottegaghianda.com/it/on-on

深澤直人のOn-onというコーヒーテーブルをWebで見かける。

簡単に言えば立方体と直方体のフレームを組み合わせただけの形だが、立方体の辺(脚)が直方体の天面を突き刺して、底面のフレーム同士が絡み合っている感じが新鮮味があって面白いなと。
要素自体はありきたりなもので、誰でも作ろうと思えば作れるのだが、組み合わせ方一つで新しいものはいくらでも生み出せるのか、ということを改めて感じさせられた。

それまでの実績があって、クライアントを納得させられるという面もあるかもしれんけども、なんもやってないように見えて、きれいに収束させる、こういう何気なさってのは、案外スキルが無いとできないもんだよなあとも思うわけで。
武道の達人ほどムダな動きがないことと共通してるのかもしれないな。

デザイナーの力量ってのはこういう、身の回りにありふれたものを利用して、「ああ、こういうやり方もあったか」というふうに思わせられるか否かというところが大きいのかもしれないなと。
華美なものを求める人もいるであろうが、その領域に行くと好みに左右される面が大きいから、普遍的にウケるようなものにはなかなかならないだろうから、自分としてはそこは目指すべきところじゃないし、そもそもできないよなあとも思うわけで。
デザイナーの個性を表すように形を作り出すのではなく、置かれる環境・空間から導き出すと言える領域にたどり着けるにはまだまだ修行が必要だなー。

今日の駄文はここまで。
エゴを捨てた先に達人の世界が見えてくるのかなあ。

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