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自分たちの考えを疑う

こんにちは。事業計画研究所です。

本日も「入門 起業の科学」田所雅之(日経BP社)の所感をレポートしていきます。

前回は、第1章「アイデアの検証」についての振り返りでした。

今回は、「課題検証の重要性」というテーマで話をしていきます。

課題検証

前回までの記事では、アイデアの検証を行ってきました。

アイデアの検証を終え、さっそく開発に取り組みたい!


という気持ちを抑えて、課題の検証を行う必要性があるということです。

課題検証は面倒なことでもあり、時間をかける必要があります。

自分たちの中で想像した想定顧客が、本当に想定した課題(痛み)を抱えているかどうかを検証するというわけです。

解決策を考えたり、製品を作りこんだりしていく作業は、とても楽しいことです。

目に見えているものを作っていることで、前に進んでいる感覚を得ることができ、スタートアップの苦しい時期を早く脱したい、という気持ちになることは自然なことです。


しかし、スタートアップが取り組むべき課題というものは、「一見悪く見えて本当に良いアイデア」という発見することがとても困難なものです。

大半は「一見悪く見えて、実際に悪いアイデア」であることが多く、多くのスタートアップの失敗している原因の1つに挙げられます。

確証バイアス

多くの起業家が課題の検証という、これほど重要な作業をスキップしてしまう原因の1つには、思考のバイアス、すなわち思い込みがあります。

「自分が認識している課題は、他の人も同様に認識しているだろう
と信じ込んでいる状態です。

人間の脳は自分が見たいように現実を見るという特性があります。

これを、「確証バイアス」と呼びます。

無意識のうちに、「自分の考えが正しいことを証明する情報」ばかりに目をむけ、自らの考えを正当化しようとしてしまうのです。

確証バイアスは誰にでもあることではありますが、特に普段から自己主張が激しい人や、何らかの分野で自己流の成功体験を持っている人ほど確証バイアスが強くなる傾向にあると言われています。

そして、起業家を志す人にはこのようなタイプの人が多いともいわれています。

自信と確証バイアスとは表裏一体の関係でもあり、自信は時に人を前進させますが、時には足かせにもなります。

仮説は覆る

本文中にて引用されている、シンディ・アルバレス氏は

自分が想定する課題仮説やソリューション仮説は反証されることを前提に臨むべきだ

と述べています。

自分たちで必死に考えた仮説であるからこそ、信じたくなる気持ちは理解できますが、全力で疑いましょう。

「想定は完ぺきではないし、絶対にどこかに誤りが存在しているはずだ」

このような姿勢で課題検証には取り組むべきなのでしょう。

まとめ


今回は「課題検証の重要性」というテーマで話してきました。

1章の「アイデアの検証」から、実際の開発には進まず検証の段階が続きますが、綿密な検証によってスタートアップの成功率を高めることができます。

成長曲線の図にあったように、スタートアップには最初に一番苦しい時期を迎えます。

爆発的な成長のためにも、入念な準備が必要なのは事業に限ったことではありませんよね。


次回作をお待ちください!

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