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スタートアップとスモールビジネスの違いとは?

こんにちは。事業計画研究所です。

本日も「入門 起業の科学」田所雅之(日経BP社)の所感をレポートしていきます。

前回は、「あなたにしかできないビジネス」というテーマで話を進めていきました。

スタートアップとスモールビジネスの違いとは?

今回は「スタートアップとスモールビジネスの違い」というテーマで話をしていきます。
両者は一見似ていて、どちらも起業することに変わりはありませんが、これらはまったく異なるものです。
その違いを5つの視点から見ていきましょう!

成長カーブ
会社利益の成長具合をグラフに表すと、スタートアップとスモールビジネスとではこのような違いがみられます。
スモールビジネスは初期段階から徐々に着実に成長していくのに対して、スタートアップは慢性的な赤字状態から始まり、あるタイミングで爆発的な成長を遂げます。
曲線の形がアルファベットの”J”に似ていることから、「スタートアップの成長曲線はJカーブを描く」と表現されます。

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市場環境
スタートアップとスモールビジネスは戦う市場の環境も異なります。
スモールビジネスは既存の市場に乗り込むことになりますが、スタートアップの場合、そもそも市場があるかどうか分からないところに対してアプローチします。
この環境というものは絶えず変化しているために、スタートアップが参入するタイミングが重要と言われる理由の1つにも挙げられています。

事業拡大への姿勢
スモールビジネスは、ニーズが顕在化しているところに対して働きかけるため、事業の拡大よりも採算性を重視します。
一方、スタートアップは急成長することを運命づけられており、新しい市場を開拓するのですから、必然的にその市場でのNo.1を目指すことになります。

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出資者
成長の仕方がこれだけ違うため、必然的にお金を出してくれるところも変わってきます。
スモールビジネスにお金を出すのは、銀行などの金融機関です。
金融機関の多くはお金を貸して利息で儲けることをビジネスにしているため、確実な成長が期待されるスモールビジネスのようなところに「融資」を行います。
対して、成長が不確定なものの、爆発的な成長が見込めるスタートアップにはベンチャーキャピタル(VC)やエンジェル(個人投資家)がお金を出します。
株式の上場などで株価が爆発的に上昇することを期待する形でお金を出すため、スタートアップは「出資」をしてもらう形になります。

イノベーションの手法
最も特徴的と考えられることが、イノベーションの手法の違いです。
スモールビジネスは、既存の市場に対して「改良」を加えていく持続的イノベーションを行います。
一方、スタートアップは、既存の市場や私たちの常識・生活様式を覆すような破壊的イノベーションを行います。
ビジネスモデルが成功した時に社会に対して与える影響、と言い換えることができるかもしれませんね。

以上、5つの視点から、スタートアップとスモールビジネスの違いを見てきましたが、スタートアップを志す人に対して、もう一つ大事なことがあります。
それは、「スタートアップは一時的な組織である」ということです。
スタートアップが成功すると、その組織はもはやスタートアップではなく一般の企業になるということです。
GoogleやAppleなど、起業家の憧れの企業は昔でこそスタートアップでしたが、今では一般企業の1つです。

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ここでお伝えしたいことは、スタートアップを成功させた起業家は企業を経営する経営者に変わる必要があるということです。
起業家に求められるスキルと経営者に求められるスキルは全く異なります。
その点を理解したうえで、スタートアップに成功したら会社を売却するなり、経営者としての道を行くなり、自分の進むみちについて決断を下しましょう。

まとめ

今回は、「スタートアップとスモールビジネスの違い」というテーマで話をしてきました。
世の中の起業家の大半はスタートアップではない。スモールビジネスの経営者だ。
という言葉が本の中にはありますが、破壊的イノベーションを生むスタートアップに挑戦できている人は数少ない、という風に捉えることもできそうです。

次回は「スタートアップが捨てるべき会社員の常識」というテーマについてです。
私はもちろん学生ですので、会社員になったことはありませんがいくつも考えさせられることがありました。
次回作をお待ちください!

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