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「兆し」から市場の未来図を描くには?

こんにちは。事業計画研究所です。

本日も「入門 起業の科学」田所雅之(日経BP社)の所感をレポートしていきます。

前回は、「スタートアップにおけるタイミングの重要性」というテーマで話を進めていきました。

今回は「市場の流れから考える“市場の未来”」というテーマで話をしていきます。


市場の流れ


前回の記事で「市場を再定義する」ということについて話しました。

この視点から市場を見ようとすると、その市場がたどってきた歴史と未来の展望について自然と考えるようになります。

具体的には、

「製品や業界はどう進化してきたか」

「今後の市場はどの方向に向かっていくか」

「昔はできなかったことで、最新技術を使えばできるようになったことはあるか」

など、様々な検討の仕方が考えられますね。

大成功したビジネスの背景には、ビジネスのアイデア時代の流れがマッチしていたことが挙げられます。本書では、AirbnbUberといったサービスもタイミングが良かったからこそ成功したと述べられています。


市場の未来を予想する


タイミングの重要性について繰り返し指摘していますが、現時点で市場が求めるものを分析してもタイミングとしてはおそらく遅いので注意する必要があります。

これからスタートアップを立ち上げる場合、5年、10年先を見据えて、

「今後、需要に対して供給が圧倒的に足りなくなるのはどこか」

「次に起こるパラダイムシフトはなにか

を考える必要があります。

一つ具体例をあげてみますと、Googleの創業者であるラリー・ペイジ氏は、2002年ごろのインタビューで次のように発言しています。

我々の検索エンジンは人工知能無しでは完成しない

繰り返しますが、この発言は2002年のものです。まだスマートフォンも普及していないような時代に、Googleは人工知能を使った検索エンジンについて考えていたのですね。

Google創業者 ラリー・ペイジ氏

「兆し」を見つけよう


10年後の社会を予測することは簡単ではありませんが、現状からその「兆し」を見つけられるかどうかで、スタートアップの命運は大きく分かれると言えるでしょう。

本書では、その兆しを見つけるために「PEST分析」という手法を紹介しています。

このように、Politics, Economy, Society, Technology の4部門について注目する手法です。

Politics
政治や法律にまつわる領域は、ビジネスの前提がひっくり返る影響力をもつため、注目する必要があります

Economy
経済動向の変化によっても顧客が求めるサービスは大きく変化する可能性を秘めています

Society
社会動向や流行をキャッチすることで顧客に最も求められるサービスを目指すことができます

Technology
最新技術や技術の組み合わせで過去には実現できなかったサービスを提供できるようになるかもしれません

まとめ


今回は「市場の流れから考える“市場の未来”」というテーマで話をしてきました。

市場に限らず、変化するものの流れを止めることはできません

例えば、コロナの影響で爆発的に普及したオンラインでのコミュニケーションツールは、コロナが完全に終息した後でも、私たちの生活の中に残り続けるでしょう。

したがって、私たちができるのは現状から変化した後の未来を想像し、その未来で必要とされることをする、ということになると私は思います。

PEST分析の内容を見ていると、テレビのニュースや新聞をチェックすることの大事さを改めて感じますね。
(私はスマホのニュースではどうしても自分の興味のあるジャンルに偏ってしまうと感じてしまいます。)

次回は「様々なイノベーションとその特色」というテーマで話していきます。

次回作をお待ちください!

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