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岩松勇人プロデュース@ビジネス本研究所:破天荒フェニックス オンデーズ再生物語 田中修治 OWNDAYS

【破天荒フェニックス】はこんなあなたのための書籍です。

●成功に興味がある人
●起業に興味がある人
●お金持ちになりたい人
●やりがいもなく仕事をやっている人
●惰性で生きる毎日に嫌気がさしている人

【破天荒フェニックスの目次】

トラックのハンドルを握るのは誰だ!?
新社長は救世主なるか?
目指すはメガネ界の「ZARA」
突きつけられた「死刑宣告」
全国店舗視察ツアー
スローガンに不満爆発
「利益は百難隠す」を信じて
絶対にコケられない新店舗
血みどろの買収劇
悪意は悪意をよぶ

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今回は、
「破天荒フェニックス」
という本を解説します。

本書はオンデーズの社長である田中修治さんが、
実際にオンデーズの事業再生中に起きたことを
もとに書き上げた自叙伝です。

中身はまさにタイトル通りで、
とにかく破天荒っぷり不死鳥っぷりが凄まじい。

普通の人ならとっくに燃え尽きてしまう
ような場面に何度遭遇しても、
そのたびに灰の中から再生し、
ふたたび輝きを放つ。

およそ常人とは言いがたいが、
だからこそ「絶対に倒産する」と言われた企業を、
見事再生させることができたのだろうと思います。

この本の結論は、

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という内容です。

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本書にはじつにさまざまな人物が登場し、
なかには主人公を陥れようとする者も現れる。

そのたびに主人公は絶望的な気持ちになるが、
それでも結局は人との出逢いに救われる。

田中さんが数々の困難から無事「生還」
を果たせたのも、人のつながりがあってこそだ。
大志を抱けば同志が生まれる。

一見すると向こう見ずな田中さんの行動力が、
最終的には大きな実りをもたらした。

数字だけを眺めていたら、決して
なし得なかった偉業といえます。

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挑戦することの難しさ、つらさ、厳しさ、
そしてなによりもおもしろさを存分に
伝えてくれる本ですので、
あなたのやる気にも大きな影響力があります。

本書の重要なポイントを
3つに絞って解説していきます。

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それでは順に見ていきましょう。


まず1つ目のポイント

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① 地獄の始まり

主人公の田中さんは、もともとデザイン企画に
関する小さな会社を経営していた。

そんな田中さんが低価格メガネのチェーン店
「オンデーズ」の買収を決意したのは、
オンデーズの身売り案件に関わったからだった。

当初はオンデーズ売却の仲介に入るだけ
の予定だったが、自分なりに再生計画を考えるうち、
自分なら再生できるのではないかと考え始めた。

たしかに会社の資金繰りは火の車だったが、
現場ではいきいきと働いているスタッフも多い。

経営者が変われば十分再生できるというのが
田中さんの印象でした。

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これに反対したのが奥野さん。
奥野さんはメガバンクに就職後、
大手の再生ファンドを経て、
投資コンサルティングの小さなベンチャー企業に
転職した人物です。

当時のオンデーズは、20億の売上
しかないのに14億の負債を抱えていた。

財務の専門家として数々の企業再生案件
に関わってきた奥野にとって、
オンデーズを買うという決断が
無謀に映ったのは当然の話です。

それでも田中さんの決意は変わらなかった。
オンデーズを3000万で買収すると、
奥野も巻き込んでオンデーズ再生に
着手することになりました。

だがそれは地獄の始まりでもあった。
田中たちはすぐに
「毎年20億の価値を創り出す会社」が、
わずか3000万で売られていた理由
を知ることになります。

筆頭株主となった田中さんは、
オンデーズの代表取締役社長に就任。

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だが30歳という若さで社長となった
田中さんに対する社員たちの目は冷え切っており、
しかもさっそく1千万の資金ショートが
迫ってきている。

初っ端からハードな銀行交渉をしつつ、
経営回復のための施策を行なうことが求められた。

田中さんが思い描いていたのは、
メガネ界のZARAになることだ。

ZARAはもともと安さを武器に店舗を
増やしていたが、あるときから方向転換し、
値段を変えずに品質やファッション性を追求し始めた。

その結果「低価格なのにお洒落で品質が良い」
というイメージづくりに成功し、
アパレル業界で世界一になった。

オンデーズもただメガネを安く売るのではなく、
ファッション性を追求していけば、
メガネ業界のリーディングカンパニーになれる
というのが田中の見立てだった。

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「ダサいこのオンデーズをファストファッション
アイウェアブランドにする」
お洒落になればスタッフも誇りを持って
働けるようになるし、お店やスタッフが
生まれ変われば、売上だってすぐに回復する
という目論見だった。

だが現実は甘くなかった。
最初から資金繰りに苦しみ、社員たちとは対立。

思い切って立ち上げた新コンセプトの店舗も
大失敗に終わった。

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幸い商品部の改革が順調に進んだため、
すぐにショートすることはなかったものの、
今度は新たに買収した雑貨販売のチェーン店
「ファンファン」に足を引っ張られてしまう。

というのも「同志」だったはずのファンファン
前社長に、社内政治で裏切られてしまったのだ。

かろうじてファンファンの売却先を見つけ、
なんとかオンデーズは救われたものの、
高すぎる授業料を支払うことになった。

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② 業界1位からの挑戦状

フランチャイズ事業が軌道に乗り、
危機的状況から脱する道筋が少しずつ見えてきた。

だが10億円前後の繰越損失と
債務超過を抱えていたため、
銀行からの融資はまったくあてにならなかった。

そうした状況のなか、田中さんが問題意識
を抱いたのは決定的な知名度不足

当時オンデーズはすでに
「スリープライスメガネ」と呼ばれる
カテゴリーのチェーン店では業界3位
の位置につけていた。

だが立地が地方の小・中規模の
商業施設に偏っており、都市部や
大型商業施設における知名度はほとんどありません。

消費者にとっては「知らない=不安」だ。
メガネ業界では安心や信用が大きく売上を左右する。
知名度向上は急務だった。

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そこで田中さんが打ち出したのが「全品半額」である。

オープンセールで店内商品を全品半額にすれば、
かならず話題に上がるに違いないと田中は考えた。

各部署の幹部からは猛反対されたが、
実際にやってみると大きな効果があらわれた。

とくに「パークプレイス大分店」のオープン時には、
朝7時半だというのに行列ができたほどだ。

全品半額セールはオンデーズにとって貴重な
「現金収入の機会」を生み出し、
マスコミからの取材も増えました。

ところがある日、メガネ業界を震撼させる
「とんでもない発表」がありました。

スリープライスメガネ業界で第1位のジェイムズが
「薄型レンズの追加料金を無料にする」
と発表したのだ。

もともとメガネ業界は、薄型レンズの
追加料金で高い利益率を確保していた。

だがジェイムズはそれを放棄し、
代わりに圧倒的な販売量で戦うことを決意したんです。

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たしかに田中さんも、薄型レンズの追加料金
無料は理想的な施策だと感じていた。

お客様にとっては余計な追加料金が
かからなくなるし、店員としても後出し
ジャンケン的に値上げ交渉をしなくてすむ。

だがこのときのオンデーズの財務状況を考えると、
とてもではないが追随するのは不可能だった。

この施策でジェイムズは大きく業績を伸ばし、
オンデーズとの差はますます広がった。

さらに追い打ちをかけるようにして、
東日本大震災が起こります。
売上が上がらなくなり、またもや
資金ショートが目前に迫った。

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ひとまず社員に給料を支払うため、
銀行への返済をすべて止め、取引先への
支払いをできるかぎり遅らせることで、
なんとか急場をしのいだ。

こうした状況下で、被災地の支援をする
余裕はまったくなかったように思えた。

だがある社員から
「メガネやコンタクトがなくて困っている
 人が被災地には大勢いるはずだから、
 それを解決してあげませんか?」
と言われ、田中さんはハッとする。

被害を受けた仙台地区の店舗は、
いつ再開できるのかわからない状態だ。

それならばそこにあるメガネはすべて無料で
配ったほうがいいのではないか――
こうして「避難所での出張メガネ店」がスタートした。

支援活動をしていくなかで、とくに
田中さんの記憶に残っているエピソードがある。

小さな避難所に訪問したときのことだ。
暗くなる前に撤収しようとしていた
田中さんたちのもとに、一人のおばあさんが
差し入れをたくさん抱えてやってきた。

「お気持ちだけで十分ですから」
と固辞したものの、「どうしても受け取って欲しい」
とおばあさんも譲ろうとしない。

聞けばおばあさんは目がほとんど見えず、
生存者が書かれている掲示板がそれまで
読めなかったという。

誰かに読んでもらうことも考えたが、
どんな現実であれ自分の目で確かめたかった。

そしてメガネを作ってもらえて、
ようやく家族の無事を確認できたのだ
と教えてくれた。

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このときの経験を通じて、田中さんは
「自分たちは視力という、人々の生活に欠かせない、
とても重要なものを扱う仕事をしているのだ」
と認識を改めた。

オンデーズがお客様に本当に売らなければいけない
のは、安いメガネでもオシャレなメガネでもなく、
「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」
だったんです。

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③ 捨てる神あれば拾う神あり

ボランティア活動から戻ると、
田中さんは「技能研修室」という部署を
本格的に立ち上げ、社員研修の内容から
プロセスまで根本的に見直すことを決めた。

各店でバラバラだった視力測定や加工方法
を統一し、独自の社内制度も作り、
全社員のメガネ屋としてのスキルの
「見える化」を徹底した。

従来のスリープライス制度を廃止し、
ディスカウント路線からの切り替えを図る
とともに、複数のブランドを立ち上げた。

価格ではなくデザインや目的別にカテゴリー
を分けて展示したほうが、お客様の好みや
目的に合ったものを、よりスムーズに
選んでもらえるという考えからでした。

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最終的には「AIR Ultem」や
「ジョン・デリンジャー」、
「バタフライ・エフェクト」など、
自信をもっておすすめできるブランドが完成。

他社ブランドのメガネをかけていた
オンデーズの店員も、我先にと
オンデーズの商品を買い求めるようになり、
このブランド戦略の成功を確信しました。

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破竹の快進撃を続けるオンデーズだったが、
思わぬ壁にぶつかることになる。
資金ショートだ。

売上自体は急速に伸びていたものの、
もともと10億超の債務を抱えていたため、
銀行との取引は相変わらず厳しい状況が続いていた。

しかも仕入れ金額が極端に増加し、
既存店の売上増加にともなう販管費も急増。

繰り延べしていた支払いも重なり、
結果的に3億円以上の資金ショートが
目の前に訪れていた。

しかも支払期限まであと3カ月と
ほとんど猶予がありません。
もっと早くこうした事態を予測するべきだったが、
急激な事業拡大に経理スタッフの人員強化も
追いついていなかった。

このままでは黒字倒産になりかねない。
増資の引き受け先を探したところ、
複数の経営者や投資家、ベンチャーキャピタルが
強い興味を示してくれた。

だが支援してくれるところは結局ひとつもなかった。

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そんなとき、突如知り合いの経営者から
一本の電話が入った。
聞けば全国のショッピングモールに多数の店舗を
展開している某有名上場企業社長が、
オンデーズの支援をしたいという。

まさに捨てる神あれば拾う神あり。
藁にもすがる思いで、その社長との面談に臨んだ。
だが現実は非情である。
目の前にいたのは典型的な金の亡者だった。

「3億入れてオンデーズは助けてやるから、
 お前はさっさと出て行け」と言われ、
田中さんは絶望した。

たしかにこの提案を受ければ、
オンデーズは倒産しなくてすむ。

しかし「上手く再生できなければ、
どこか他へ転売して儲ければいい」
とまで言い放つ相手に、せっかくここまで
育て上げたオンデーズを手放していいものか。
田中さんの目には涙が溢れた。

この絶体絶命の淵に神が降臨します。

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「藤田光学」の藤田社長だ。
藤田光学は老舗フレームメーカーで、
数年前から多少の付き合いはあったものの、
それだけだった。

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だが田中さんの話を聞いた藤田社長はすぐに
1億円の出資を約束した。
経営者としての田中さの実力を評価してのことだった。

またその後も資金繰りに苦しみ、
「どうしてもあと1億円足りない」となったときも、
追加で1億円を増資してくれた。

さらに商品製造に関しても全面的に
バックアップしてくれるという。
まさに完璧というしかない条件だった。

こうしてオンデーズは最大の危機を奇跡的に乗り切り、
死の淵から生還することができた。

いかがでしたでしょうか?

まさにこの波乱万丈のストーリーは
情景が目に浮かぶようで、挑戦意欲のある人は
非常に影響を受ける内容でした。

物語はこの後、海外へ舞台を移すことになる。
現地とのコネクションがまったくない日本企業が、
シンガポールや台湾などで大成功を収めるまでの
ヒューマンドラマは本当に刺激的なので、
ぜひ本書を手にとって読んでみてください!

それでは最後におさらいしましょう。

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① 地獄の始まり

財務の専門家として数々の企業再生案件
に関わってきた奥野さんにとって
無謀に映ったオンデーズ買収の決断

反対を押し切って売上が20億あった
オンデーズを3000万で買収すると、
地獄を見る羽目になりました。

② 業界1位からの挑戦状

スリープライスメガネ業界で第1位のジェイムズが
「薄型レンズの追加料金を無料にする」
と発表しました。

薄型レンズの追加料金で高い利益率を
確保していた業界にも関わらず、
それを放棄して圧倒的な販売数量で
挑戦状を叩きつけられました。


③ 捨てる神あれば拾う神あり

金の亡者である知り合いの経営者から、
「3億入れてオンデーズは助けてやるから、
 お前はさっさと出て行け」と言われ、
田中さんは絶望。

そんな中、「藤田光学」の藤田社長が、
1億円、さらに1億円と出資してくれて、
オンデーズは死の淵から蘇りました。


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